東方大東亜禄   作:魂魄武尊

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第二話 対馬要塞と第五軍団結成   2

1937年、五月一日 彼は副官が持ってきた文書に、頭を悩ませていた。

彼に送られてきた文書には、「特務艦隊新型旗艦級戦艦1隻 新型空母2隻 補助艦計画」とかかれていた。

計画の内容は単縦で戦艦一隻と空母二隻は、こっちで作ってほしいのと補助艦もできれば開発して補ってくれっということだった

ここまでだったら頭を抱えることはないのだが、問題がその希望だ

戦艦{8.2万トン級戦艦 速力40ノット 武装56cm50口径3連装砲 大型垂直墳進弾 対空砲100基以上}

 

空母Ⅰ{6.6万トン級 飛行甲板274.5×4000.00mm 甲板装甲150×30mm 航続距離3.700海里

速力36ノット 武装 高角砲20問

機銃90丁 墳進砲 爆雷 搭載機100機+偵察機4機}

 

空母Ⅱ{6.7万トン級 飛行甲板300.00×4200.00mm 航続距離3.700海里 甲板装甲 180×40mm

速力34ノット 高角砲24問 機銃45丁 墳進砲 搭載機105機}

 

という内容であり、この鎮守府で、そして莫大な要求を4年・・つまり1941年までに完成させろという内容だった。

 

龍田鎮守府には、湾内にある造船所以外に地下にも存在する。 元々は、軍艦を敵航空機から守るためや、潜水艦を守るために作った地下ドックであったが、そのあまりにもでかすぎたために、実際4分の1しか使用していない

ここであったら機密が漏れることない、そして、彼にはこの兵器らを完成させる方法もすでに持っていた。

それは二年前、1935年までさかのぼる。 1935年7月15日に魂魄武尊は、外務省の人間と共にシベリア鉄道を使い、ドイツ首都ベルリンで交渉をしていた。当初の予定では金3トンで七十八件の工作機械などの購入が目的だったが、武尊は、得意の人脈を使い、ユダヤ人コミュニティから金3トン分の希少金属を購入し、ロケット技術

ガスタービン機関 真空管 など追加で42件の研究資料、特許権 現物などを購入した。

この時ユダヤ人コミュニティーからの要望で、ユダヤ人16人の亡命させることになったが、その十六人のほとんどが科学者で、その中には、ロケット レーダー ガスタービンなどの専門家である。

ユダヤ人の頭脳と地下ドック、確実に、世界にバレることなく完成させることは可能であろう。と彼は考えていたが、そんなことよりも、この軍艦たちを4年以内に竣工させなければならないことであった。

しかし、一応は軍令であるため、何としても間に合わせなければならない、おそらく、造船技師や研究者などには、かなりの負担をかけてしまう。 そんなことをかんがえながら、彼は関係者に指令書をわたしにいくのだった

 

 

三日後・・・独立艦隊への配備させる予定であった、戦艦 伊勢、日向 空母 加賀 重巡洋艦最上 三隈 古鷹 那智

 

軽巡洋艦 北上 大井 長良 阿武隈 駆逐艦 暁 響 雷 雷が対馬、浅芽湾に到着した

 

旗艦代理 伊勢艦長 飛鳥 仁少将以下人員の着任を確認した武尊は、龍田鎮守府 要塞司令部 司令官室で

全艦の配置変更をしていた。

「提督! コーヒーをどうぞ」

小川、安秀[やすひで]がコーヒーも持ってやってきた

「すまん安秀、、ちょうど飲みたかったところだった。」

「艦隊の配置、そんなに大変なんですか?」

「まあな、」

「全部、地下ドックに入れればいいんじゃないですか?」

「安秀、、そんなことをすれば、地下ドックの存在がばれてしまうだろ? 、だから数隻はの押さなくてはいけないんだ」

「つまり、その 残す船 で迷っているんですね?」

「まあ、そんなところだ」

 

安秀少年は、武尊の披保護者で、十五歳になる。身長は年齢より少し小さく 黒色の頭髪とダークブラウンの瞳

と繊細な容姿を持っており、魂魄牙太郎などからは、「武尊のお小性」と呼ばれている。

 

安秀少年は、六年前 軍事子女福祉特例法 によって武尊の披保護者となったのである。

日露戦争後 戦争のために多額の借金も重なり、遺族年金が払えない部分が発生したことにより

多くの戦争孤児が発生した。  このため当時の政権が、多くの戦争孤児の救済と人的資源の確保を目的とした

この法律を定めた。 

 

 

孤児たちは、軍人の家庭で育てられる。一定額の教育費を政府が出し、孤児たちが15歳 になった際

軍に志願すれば、教育費は免除され、逆にそれ以外だと、払わなければならないのである。

 

軍隊にとっては、女性であっても、後方勤務に欠かせない人的資源であり、経理 補給 輸送 通信管制 情報処理

施設管理にも必要なのだ。

「要するに、中世の子弟制的なものを想像すればいい。いや、もっと悪質かもな。金銭で将来を縛るのだからな。

当時、後方司令本部に所属していた仁は、そう皮肉をたっぷりに説明した。

「しかし、人というのは、エサがなければ生きていけない。これは、まあ、事実だ。 で、エサを与えるには飼育員が必要なのだが、あんたにも引き受けてもらいたい。」

「私は家庭持ちではありませんが。」

「だからや、妻子を養うという社会的義務を果たしていないんだ、教育費も国が出すし、 いい加減これくらいのことは、やってもらわんとな、ええ、独身貴族」

「はいはい、ワカリマシタ ですが、一人だけですよ」

「なんならもう一人増やすか?」

「イヤ、ヒトリデジュウブンデス」

「そうか、なら二食分食うような奴を探してくる。」

両者の間で以上の会話がされて、四日後 安秀少年は、武尊宅の玄関の前に立っていた。

 

安秀は即日、武尊の家の中に自分の位置を確保した。

それまでに武尊の宿舎の唯一の構成員は、有能勤勉な家庭経営者とは程遠く、玄関からリビングまでゴミ駄目になっており、もはや人が住めるところではないと思った。 

 

安秀は、まず自分自身のためにも、家庭の物質的環境を整備しようと決断したらしい。

彼は、まず、武尊がよく閉じ籠る部屋以外のチラシやら、軍事機密などを集めた。

つぎに、チラシや役に立たないものをまとめて捨てた。

これによって、たった半日で部屋すべてを方告げた。

この時若い当主は、いつも道理仕事をしてきて、たった半日で清潔と整頓の連合国に支配された我が家を見て

文句の一つでも言おうと思ってやめ、「紅茶を一杯たのもうかな」と言った。

武尊が言ったのは、好きな紅茶で喉を湿らしてから苦情を言ってやろうと思ったからだが、キッチンに跳んで行った少年が、新品同様に綺麗になったティーセットを運んできた彼の目前でインド産の茶をいれた。

その手さばきに驚いた。差し出された紅茶をすすって、彼は少年に降伏した。それほどに香りも味もよかったのだ

安秀の亡父は、陸軍大尉だったが、武尊以上の茶道楽であり、息子に茶の種類や入れ方を伝授していたのだという

 

武尊が安秀少年式の家庭法を受け入れてから半年後、チェスをやりに来た仁が室内を見わたして論表した。

「有史以来、お前さんの屋敷が初めてきれいになったな。親が無能なら子供がちゃんとしているというのは本当らしいな。」

武尊は反論しなかった。

 

以来六年、安秀の身長もかなり伸び、少し大人っぽくなっていた。

 

そんな昔のことを思い出しながら、コーヒーを飲み干すと同時に、ドアがたたかれた音が聞こえた。

入ってくれっと武尊が言うと同時にいきよいよく扉が開き、見知った顔が現れた。

 

「ああ、マダム、幽々子のご亭、ゴホ、ゴホ、、、ああ、飛鳥先輩殿」

「後輩という自覚があるのなら、今何を言おうとしたのかな? 武尊殿?」

「まあ、気にしないでください。、、で何があったんですか?」

「弾幕が薄い」

 

仁が言おうとしたことは、現在の艦隊の対空能力の危惧であった。

現在の艦隊では、駆逐艦などの補助艦が足りず、次に戦争が起きれば大損害になるので駆逐艦の増量か軽巡&重巡の対空強化を要請しに来たのだ。

 

これに対して武尊は、「問題ありません」と答えた

そして武尊は、現在極秘に軍備増強が始まっているのでしばらくしたら駆逐艦も増えると付け加えた。

それを聞き納得して出ようとした仁だが、出る瞬間に書類が入っていると思われる封筒を武尊に投げ渡した。

これは?、と武尊が聞くと仁は一言

「 伊勢 日向の改装案だ! 軍備増強のついでに考えておいてくれ」

そう言い残して彼は座乗艦である伊勢に戻った。

彼の渡した改装案には、四番 五番砲塔を廃止し、更に艦尾を延長させ 飛行甲板を載せるという案である

搭載機は、新型の水上機で名前は強風というらしい どうやら仁はこの時のために裏で何かしていたのではないかっと思った。

まあ、何がどうであれこの改装案なら旧式戦艦の活躍の幅が広がるのでよしとしよう...と武尊は思った。

 

そこから約二か月後の7月12日に、第一回目と称して新たなる軍艦が竣工した。

竣工した船は、特務艦として建造された 島風型駆逐艦1隻 と対空戦闘用駆逐艦として秋月型駆逐艦 秋月 照月 初月 若月 霜月 の5隻

そしてあらかたの船体と全部甲板に噴進弾垂直発射機48問が完成した艦名がない戦艦が一隻である

 

ようやく戦艦の武装のテストが出来ると武尊は喜んだがそれと同時に副官が勢いよく扉を開けて 緊急事態です と言った。

武尊はめんどくさそうに内容を聞いた。

その内容とは以下のことである「大本営発表! 本日7月12日我ガ帝国ハ、中華民国トノ全面戦争ヲ開始セリ!」

 

武尊は、嫌な顔をしながら 全軍に戦闘準備 と命令した。

 


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