大神紅葉は防人である   作:社畜戦士 くっ殺

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身体の調子が戻って来て、着実に一歩ずつ社畜へと戻る今日この頃。お元気ですか?(*´ー`*)

僕は死にそうです。体力落ちすぎぃ!


さて、今話で結ぶ歴史は一応終わりです。期間が長くなりましたが、これから先の展開にもお付き合いお願いします。


結ぶ歴史 10

――初めてあの方と出会ったのは、焼き払われた村の中だった。

 

 

 

この世に、神も仏も居ない。

 

私がそれに気付いたのは年が7の頃。戦に巻き込まれ焼き払われたその中で、先に逝った親兄弟の後をもう少しで追うかといったその時。

 

二頭の馬が、家屋の目の前で動きを止めた。

 

 

「御館様、生き残りが此方に」

 

「うむ」

 

 

声が聞こえ、虚ろに染まる眼を上げる。

 

鎧甲冑に身を包んだその男は、私の顔をじっと眺めると目の前に片膝を着いて言う。

 

 

「こうして間に合ったのも何かの縁じゃ。儂と共に来ぬか、(ぼん)

 

「……良い。親も、兄弟も皆死んだ。神に祈っても駄目だった、仏に念仏唱えても無駄だった」

 

 

ゆっくりと、視線を上げて空を見上げる。

 

家族が先に逝った、あの空を。

 

 

……生きる理由も無いのだ。

 

 

「もう、死にたい」

 

 

目の前の男が醸す雰囲気が変わったのを感じた。怒り、殺意の類いだろうか。

 

御館様、と呼ばれていたから相当に偉い人間なのだろう。無礼な態度に憤っているのだろうか。

 

……切り捨ててくれるなら、その方が楽だな。

 

 

そう考えていたが、返ってきたのはその逆。

 

気付けば、がしりと抱擁されていた。

 

 

「え……?」

 

 

突然の出来事に反応が出来ず、ぱちくりと目を見開くだけ。抱き付いていた御館様とやらは、目から熱い涙を流していた。

 

 

「情けない……儂は自分が情けない……ッ!!」

 

ずず、と鼻を啜り、子供の様に嗚咽を溢しながら言う。

 

「お主の様な坊に、その様な目をさせるなど……! 儂の領民に、この様な惨めな思いをさせるなど……!」

 

 

泣いている。

 

この男は、私の為に泣き、憤っているのだとそこで理解できた。

 

 

「御館様、その辺りで」

 

「邪魔をするな!」

 

「ですが。甲冑でそのように強く抱いては、痩せぎすな子供の身体には辛ぅ御座いますが」

 

「あっ」

 

 

やべ、といった風に慌てて身体が離れる。実際に痛かったのだが、それよりも驚きが強かった。

 

 

「それに、そのような赤子同然に泣かれてはみっとものぅ御座います」

 

「やかましいわ!」

 

 

従者らしきもう一人が、腰に付けた瓢箪を引き抜き栓を開ける。

 

飲みなさいと言われ傾ければ、口へと流れ出る水を感じた。

 

身体中がカラカラだったのもあり、つい全てを飲み干してしまった。

 

まずい、と従者を横目に盗み見れば、気にするなという様に笑う。

 

 

「良い。喉が渇けば水を欲し、腹が減れば飯を欲するのは人として当たり前よ。……だが、しかし――」

 

 

つい、と指を私へと向けて。

 

 

「――水を欲しがるということは、お主の身体は生きたがっておるように見えるぞ、坊」

 

ちらり、と従者が御館様へと視線を飛ばせば、

 

「……はっ?! ――うむ。ならば城へと来い、次は飯を食らうとしようぞ!」

 

「なっ、え?!」

 

 

痩せていたとはいえ、座り込んだ体勢からひょいと担がれ、そのままスタスタと馬へと運ばれる。

 

トントン拍子に進む状況に目を白黒させていると、御館様とやらがニシシと歯を見せて笑った。

 

 

「神も仏も、ただの石ころや木細工よ。結局は人の行いが物を言うのじゃ。――まぁ、でも」

 

 

馬が走り出す。育った家が、村がどんどん遠くに、小さくなっていく。

 

 

「人と人が手を取り合えれば、死ぬことなんて阿呆らしく思える。そんな素晴らしい国が創れると思うのじゃよ、儂は」

 

 

「坊は、どう思う?」

 

 

それが、私を救い第二の生を与えてくれた御館様との出会いだった。

 

 

 

 

 

樹海での戦闘も難なく終わり、讃州中学にある"勇者部"へと戻ったモミジと勇者一同。

 

そして、流れる様にひなたに椅子へと座らされ歌野と若葉によって椅子へと縛り付けられていた。

 

あれ、またこのパターン?

 

 

「何で?」

 

 

「モミジさんには、確認したい事が増えましたので♪」

 

「ひなたに同じく」

 

「私はその場のエアーを読んだわ!!」

 

「おのれ勇者共め」

 

 

一応よじよじと身を捩って脱出を試みるが、がっちりと固定された縄はギシギシと悲鳴を上げるだけだった。何でこんなに人を縛り上げる事を手慣れてるの、この子達は。

 

 

「はっはっは、観念しろモミジィ! タマを幾度となく縛り上げたひなた達の捕縛術はとんでもないことになってるゾ!」

 

「何で誇らしげなのか」

 

「いやぁ、日に日に大きくなってる杏の胸を揉むとな。油断してすーぐ捕まるんだ、これが」

 

「そろそろ警察にやっかいになりそうだな」

 

「そうだねー、タマっち先輩ー?」

 

「ひぇっ?!」

 

 

何処からか荒縄を取り出した杏に球子が小さく悲鳴を上げる。

 

そこまでを見届けた若葉が一つごほんと咳をすると、おふざけを切り上げて皆が口を閉じる。

 

 

「さて……、全て喋って貰おうか?」

 

「俺が知ってる事は話した筈だが」

 

「それではない! お前のその"眼"の事だ!」

 

 

若葉が机を叩いて立ち上がる。その言葉に注目を集め、どうしたことかと考えていると不意に声が聞こえた。

 

 

――良いんじゃないの? どのみちバレるだろうし。

 

 

妹の声。その言葉に逡巡する様に眼を閉じるが、ため息の後に少し時間を置いてゆっくりと眼を見開いた。

 

碧金と朱金、片方ずつにそれぞれの輝きを放つ眼を。

 

 

放たれる神威に、ぴり、とした緊張が走る。まだ此方を信用してはないのか、秋原雪花さんと三好夏凛さんが僅かに指を動かした。良い反応だ。

 

 

「綾乃。人形(ヒトガタ)のストックあるか?」

 

「あるわよ」

 

 

綾乃へと声を掛ければ、準備していたのか直ぐに此方へと紙で出来た人形を飛ばしてくる。

 

それを受け取り集中すれば、少しの間を置いて人形が一人手に動き出した。

 

 

周囲が驚愕に包まれる中、ふわりと飛んだそれが若葉の目の前でぴたりと動きを止め、

 

 

『――それで、何か用かしら。"四国の救世主様"?』

 

 

皮肉たっぷりの言葉を、若葉へとぶつけたのだった。

 

 

~~

 

 

「お前、その声は……!」

 

『あら、覚えて戴いてて光栄だね。此方はその顔を見るまではさっきまで忘れてたけど』

 

「なっ……?!」

 

 

けらけらと楽しげに笑う少女の声。怒りから僅かに顔を紅潮させる若葉をふんと嘲笑うと、人形を中心に風が渦巻いていく。

 

霧の様な(もや)が発生すると、それは次第に人間の形を取り、徐々に細かな輪郭もはっきりとしていた。

 

 

「っ」

 

『……そんなに怖い顔をしてどしたの? 未だにあの時四国を吹っ飛ばそうとした事根に持ってるわけ? 誰も死んでないなら良かったじゃん』

 

「貴様……!」

「若葉! ウェイトよ、ウェイト……!」

 

 

少女の顔を見て、死傷者は居ないとはいえ四国を災厄のどん底に、そしてその混乱を作り出した張本人だと思いだし、若葉が拳を握る。

 

それをニタリと意地悪気な顔で嗤うと、煽るような物言いをする少女へ若葉が掴み掛かるが歌野が即座に抑えた。

 

……無論、歌野も堪える様に歯を食い縛っていたが。

 

 

開始数秒で早くも火花を散らす二人を見て、モミジが少女へと呆れた様に言う。

 

 

「あのなぁ、喧嘩させる為に呼び出した訳じゃあないんだぞ?」

 

『どうでも良いでしょ。そんなの私の勝手だし』

 

「あらやだ反抗期」

 

 

此方の話に聞く耳を持たず、つんとそっぽを向く少女にモミジが更にため息を吐いた。話が出来ねぇ。

 

 

「モミジ、お前どういうつもりだ! 事の次第によってはいくらお前でも……!」

 

「おいおい、話し合いにならないだろー? 少しは落ち着けよ、若葉」

 

「そうだよ若葉ちゃん!」

 

 

悪びれる素振りもない少女へと若葉が腕捲りを始め、球子と高奈(高嶋友奈)が羽交い締めする。

 

 

「あ、あわわ。どうしようお姉ちゃん……!」

 

「これはちょっと不味いわね。こら、二人と――」

 

 

場の混乱を感じ、勇者部部長である風が喧嘩の仲裁をしようと声を上げた瞬間。

 

 

パンっ!!

 

 

という、手を打ち鳴らす音に皆が静まり返った。

 

手を鳴らした犯人であるひなたが、にこりと笑みを浮かべ言う。

 

 

「さ。落ち着いて話し合いをしましょうか」

 

 

……と、彼女を良く知る者であれば戦慄する表情で言った。

 

 

「「「「「(き、キレてる……)」」」」」

 

 

丸亀城で寝食を共にした、"上里ひなた"という人間をよく理解している面子は震え上がる。

 

兄であるモミジが目の前の"巫女"に怯えてるのを感じ、嫌な物を感じつつも怪訝な目をした少女はニコニコと話しかけて来るひなたと真っ向から相対した。

 

 

「あまり、うちの若葉ちゃんを困らせないで下さいますか?モミジさんの妹さん」

 

『……はんっ、たかが"巫女"風情が、何を――』

 

僅かに冷や汗を垂らしつつ、それでも虚勢を張って威圧しようとするが、

 

 

「よ ろ し い で す ね ?」

 

『ぁ……ぅ……』

 

「い、妹ぉぉぉぉ!!」

 

 

がしりと肩を掴まれ、笑顔という表情とは裏腹に感じる"逆らったら殺られる"というひなたの気迫に即座に少女はダウンした。

 

涙目でがくがくと足元から崩れ落ちる少女を、モミジが肩に抱いて介抱する。うんうん、怖いよな。分かるよ、すっごく分かる。

 

 

「あらモミジさん、何か仰いましたか?」

 

「いいえなにも」

 

 

勘が良いのは"巫女"独特の物なのだろうか。

 

 

 

 

「はい、ぼた餅。東郷さんのは美味しいんだよ~♪」

 

『……ありがと』

 

 

紙皿に乗せられたぼた餅を受け取る少女をチラリと横目に見ながら、モミジは目の前に座る若葉を見る。

 

パイプ椅子にどかりと座り腕を組むその様子は、誰が見ても不機嫌だと分かる物だった。

 

 

さっさと話せ、と視線で要求してくる若葉にため息を感じつつも、別に隠すことじゃないしな、とモミジは頷く。

 

 

「俺とコイツが双子なのは知ってるよな?」

 

「あぁ」

 

「えぇ?!」

「モミジ、お前妹が居たのか?!」

 

 

頷く若葉に驚く高奈と球子。そういえば、それが発覚したときには居なかったな、と思いつつ話を続ける。

 

 

「あの終末戦争の日。人型のレオバーテックスの御霊として、妹の魂は取り込まれていた」

 

 

出来損ないとはいえ、"神"そのものを媒体とした御霊を入れたバーテックス。

 

先程の戦闘でもバーテックスとは戦ったが、あんなものとは比較出来ない程の力を持った存在だった。

 

それこそ、同じ"神"でないと相対出来ない程の。

 

 

「それを屠った際に魂が出てきてな。成り行きで、俺の身体に住まわせてある」

 

『双子であり、同じ"神"を受け入れる器の素養もあるからね。案外快適だわ』

 

 

ぼた餅を平らげた妹が、ペロリと口の周りを舐めながら言う。それに、と続けて。

 

 

『ウジ虫共から神力を吸い上げたからね。立ち上がりとしては上々だよ』

 

「モミジ、お前が一人でやると言ったのは、まさか……」

 

「それもある。だが、もう一つの目的の為だよ」

 

 

ぽん、と態とらしくお腹を叩く少女を見て、青い顔をした若葉がモミジへと訊ねた。

 

あの圧倒的な力を知っている者からすれば、目の前に何時爆発するか分からない爆弾が置かれている様な物だ。

 

若葉に安心しろ、とハンドサインを出しつつ話を続ける。

 

 

「俺が今回この"試練"に参加したのは、神遣に会う為だ」

 

「何だと?」

 

「力を感じた。間違いなく奴はこの世界に居る」

 

 

西暦の時に相手をしていた星屑バーテックス。そしてそれを率いていた"御霊"入りのバーテックス。

 

それらから感じたあの力は、確かに神遣のものだった。

 

 

「奴が? 何故だ、何を目的に……」

 

「まぁ、確かなのは"神樹"を狙ってるって事くらいだ。真っ向から来るか、裏でこそこそ動くかは置いといて、だがな」

 

「ふむ……」

 

 

難しい顔をして思案する若葉へと口を開く。

 

 

「その話しは置いといて。つまりはまぁ、妹に与える神力の補充を定期的にするから、あの手のバーテックスは俺に任せといてくれたら良い」

 

「……ふむ、なるほどな。なら次の話だが」

 

 

まだ続くらしい。

 

 

「お前達は、これからどうするつもりだ?」

 

「どうするって、何を?」

 

「衣食住、生活に決まってるだろう! モミジや綾乃……とそこの巫女さんはまだ良いとして」

 

 

「えー、私をあーぱー達と一緒にしないで下さいよぉ」

 

「おい、後でじっくりと話し合おうじゃないか」

 

 

モミジと綾乃の二人と同列に扱われた事に不満を洩らす巫女だったが、その傍らでぽんと肩に手を置いて綾乃が微笑んでいた。

 

仲良いなぁ、この二人。

 

後、誰があーぱーだ。

 

 

若葉が顔を向けた先を見れば、東郷と呼ばれた少女からぼた餅を受け取る梓の姿があった。

 

 

「梓はどうするんだ。まさかずっと野宿させる訳ではないだろう?」

 

「あぁ、それなら……綾乃」

「えぇ」

 

 

モミジが何かを確認するように綾乃へと目線を向ければ、そうねと綾乃が立ち上がる。

 

若葉、ひなた。と二人の名前を呼ぶと、隣に来ていた綾乃と共に、

 

 

「「ウチの子をお願いします!!」」

 

 

「……はぁ?」

 

 

そういって、凄まじい勢いで土下座をかました。

 

 

 

 

土下座。

 

日本における、謝礼の最大の形。

 

近年に至っては、五体を地に伏せるという土下寝なるものもあるらしい。

 

 

「――ふむ、つまり」

 

 

モミジと綾乃の話を聞き終えた若葉が頭の中で話を纏めながら口を開く。

 

 

「モミジの"試練"に付き合わせる訳にもいかないし、不定期に動くから此方で面倒を頼みたい、と」

 

「おう。基本的には近場に居るが、神遣の奴が何するか分からないからな。そっちの方がセキュリティはばっちりだろ」

 

「モミジさんの方がセキュリティ万全そうですけどね、ある意味……」

 

「俺のはほら、周り吹っ飛ばして巻き込むの前提だから」

 

「自爆装置ね……」

 

 

杏の言葉に返せば、千景がゲームを片手に苦笑いしていた。

 

体術で対処するなら小規模で済むが、神力を使うとなるとどうしても広範囲になる。結構扱いが難しいのだ。

 

 

納得が行ったのか、よし、と若葉が口を開く。

 

 

「事情は分かった。まだ聞きたい事があるが、そろそろ時間も時間だ。各々帰るとしよう」

 

「えっ、ノギー良いの?」

 

 

若葉の提案に、雪花が僅かに驚いた様に言う。

 

 

「これでお別れという訳ではないしな。もう夜も遅くなるし、また日が昇ってからで良いだろう。なぁ、モミジ」

 

「おう。それで良いぞ」

 

 

時計を見れば、普段の就寝の時間が迫っていた。静かだと思えば、小学生組や一年生組を始め、他にも幾らかの面子がうとうとと眠そうにしているのが見えた。

 

 

「なら、今日は私達の所に住めば良いわ、梓ちゃん」

 

「う、うん。ありがとう、歌野お姉ちゃん」

 

 

久しぶりに諏訪組集結ね!と喜ぶ歌野を尻目に、何処か不安そうな顔でモミジを見る梓に、モミジが苦笑いする。

 

 

「大丈夫だ。直ぐにまた会えるさ、梓」

 

「本当に……?」

 

「おう、お前達を近くで見守っているよ」

 

 

そう言うと、先に失礼する。とモミジが言うと同時にバチリという蒼白い稲光と共に姿が消えた。

 

 

~~

 

 

東郷、結城の二人をまだ平気だと言う棗に任せ、犬吠埼姉妹は夏凛にお願いした。園子(中)は実家からの送迎だ。

 

 

「モミジさん、何処まで行ったのかしらね。サバイバルでしょ?」

 

「一緒に寄宿舎に住めば良かったのになー。なーに気を使ってるんだか」

 

 

球子の言葉に、正直そうだなと感じる。

 

頼ってほしい、と言えば頼って貰えてるのだろうが。もっと我が儘に振る舞ってもバチは当たらないだろうにと思う。

 

 

四国に居たときからそうだが、モミジは自分を抑圧する事が多い。

 

また会える、とは分かっているが何処か寂しさを感じてしまう。

 

他の皆もそうなのか、その横顔に僅かながらの寂しさが映っていた。

 

 

寄宿舎組で一緒になって帰っていると、その寄宿舎の隣に何か靄がかった物を発見する。あれは、

 

 

「こんな所に、鳥居なんて有りましたっけー?」

 

「いや、無かったと思うが……」

 

 

朱色の鳥居。若葉より少し大きな程のそれは、世間一般の神社にあるそれよりは小さめの物だ。

 

というより、この鳥居から感じるこの気配、これは……。

 

 

「モミジお兄ちゃん……?」

 

 

力の機微に聡い梓がそう声を上げると、ぐにゃりと靄が蠢き人が顔を出した。モミジだ。

 

 

「おー、やっぱ"勇者"や"巫女"にはバレるか。"人払い"の結界を張ってあるんだがな」

 

「まぁ、元が"神隠し"だし。効力が薄いのも仕方ないわ」

 

 

続いて顔を出した綾乃がそう口を開く。

 

なるほど、綾乃の結界の力も使用しているのか。

 

 

「えぇっ?! 何でこんな所に居るんだ、モミジ?!」

 

「近くに居るって言ったろ、タマ」

 

「いや、近すぎだぞ……」

 

 

球子の驚愕とツッコミに、思わずひなたと一緒に笑ってしまった。

 

勝手に遠くに離れると思っていたが、どうやらそうではなかったらしい。

 

 

「懐かしいですね。丸亀城の寄宿舎を思い出しました」

 

「……あぁ、そうだな」

 

 

"勇者"、"巫女"への試練。

 

国土梓の件。

 

他にも山積みにある様々な試練。

 

 

色々と大変だが、着実に一歩ずつ進んでいこう。

 

大丈夫さ。今の私には、頼れる仲間が全員揃ったのだから。

 

 

 

 

 

力も何も無い私だったが、幸いにも呪術師(まじないし)、陰陽道に繋がる力が僅かにあるらしい。

 

神やら仏やらは信じていないが、星占術等は身に付けても損はないはずだ。

 

 

御館様なんかは乗り気らしい。あれやこれやと国中から(まじな)いに関する書物を集めてくれた。

 

噂に聞いた程度だが、"鬼"や"妖"を使役することで肉体への憑依……即ち擬似的な不滅の身体を手に入れる事が出来るのだとか。

 

不老不死等には興味がないが、学ぶのならそういった技術は修めておきたいものだ。

 

 

――"神造御記"から、一部抜粋。

 

 

 




次回からはギャグ、というよりかるーい空気のお話が多くなります。

原作やゆゆゆいの話を交えながらゆっくりと進めようかなと思っているんで、お暇な方や時間潰しにご使用下さいませm(_ _)m
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