大神紅葉は防人である   作:社畜戦士 くっ殺

86 / 87
短編です。本編はお待ちをば。


唐突に甘いストーリー書きたいなぁって事で、それが一話目。甘いかどうかは判断任せます(*・ω・)


二話目は……。個人的にはギャグが書きたかったんです、はい。


短編 5

『太陽の様な君と』

 

 

 

――じゃんけんに負けるんじゃなかった。

 

 

「あ゛ーづーい゛ぃー……」

 

「本当だねー……」

 

 

ガサリと音を立てるスーパーの袋を手に、丸亀城へと続く坂道を歩いて行く。

 

空からガンガンに照りつける太陽を前髪越しに睨みつつ、もわもわと陽炎が立つアスファルトを友奈と歩いていた。

 

いくら快活系少女代表の友奈といえど、この暑さの前には参っているらしい。

 

 

「くっそぉ。アイツら、後から注文増やしおって……」

 

「丁度無くなっちゃったんだから、仕方ないよ」

 

 

コピー用紙やら、電球やら……。出掛ける前に渡されたメモには書かれていない物があれやこれやと増えてしまった。

 

というより、そんな物は大社の人間に頼んで欲しい。

 

…………広義に解釈すれば、俺も大社の人間だ。

 

 

本気の愚痴を垂れたわけではない。友奈もそれを分かっているのか、じりじりと照りつける日差しの中苦笑いで言うだけだ。

 

何処かで一度休憩を挟みたいと考えていると、友奈が一方向を指さして声を上げる。

 

 

見れば、小さいながらも公園があった。

 

 

~~

 

 

「あー、ぬるいけど気持ちいいな」

 

「だねー。もう少しで暑くて倒れちゃう所だったよ」

 

 

水道の水をじゃぼじゃぼと垂れ流しつつ、小さな子供の水浴び用なのか受け皿となっている所に二人して足を突っ込む。気分は足湯ならぬ足水だ。

 

冷たくはないが、先程まで熱々のアスファルトを歩いて靴ごと熱せられていた足が喜んでいるのが分かる。

 

もう少し冷たければ完璧だったのだが、と思っていると風鈴の音が聞こえた。

 

 

「あ、アイス屋さんだ」

 

 

友奈も聞こえたのか、氷の旗が目に入りそう呟く様に言った。

 

チリンチリンと良い音色を流しながら、カートを引いたおじさんがゆっくりと歩いている。

 

 

少しの間その様子を見て、照らし合わせた様に視線があった友奈と同時に無言で手を出す。

 

 

俺がグー、友奈がチョキだ。

 

 

「連敗打破!」

 

「なんとぉ……!」

 

 

イエイ!と思わずガッツポーズを浮かべてしまう。

 

わなわなと自身が出した手を悔しがりながら眺めていた友奈が、不意に笑みを浮かべる。何だ、嫌な予感しかしない。

 

 

「モーミジ君っ!」

 

「……俺、バニラね。はい、お――」

 

 

はい、お金。と手渡そうとした時、その手をきゅっと握って友奈が言った。

 

 

「私、此処で涼んでたいなぁ」

「……」

 

「モミジ君みたいな優しい人なら、買ってきてくれるんだろうなぁ」

「……」

 

「…………」

「…………」

 

 

 

「何味が良いんだ?」

「ストロベリー!」

 

 

ダメだ。どうあがいても負ける結果しか見えなかった。

 

イタズラが上手くいった子供の様に笑う彼女に見送られながら、小銭を握り締め炎天下の中歩き出した。

 

 

 

 

「んー、美味しー♪」

 

「だなぁ」

 

 

二人分のアイスクリームを購入して、友奈の元へと戻る。

 

因みにアイス屋のおじさんがサービスしてくれて、二段重ねのアイスとなった。“バッチリ決めろよ!”と言っていたが、何を決めれば良いのだろう。

 

 

「私のはストロベリーとソーダ味なんだね」

 

「あぁ。変わり種が良いかと思ってな。……嫌だったか?」

 

「んーん! 凄く美味しいよ!」

 

 

上機嫌で話す友奈。重なったアイスを落とさない様に慎重に舐めて堪能している。

 

それを微笑ましく見ていると、その視線に気付いた彼女が笑顔で、

 

 

「はい、どーぞ!」

 

 

アイスを、差し出してきた。

 

 

突然の事にドキリと固まる。友奈は、あれか。間接キス等は気にしないのだろうか。

 

別に綾乃とならばもう慣れたという領域なので気にはしないが、以前球子と似たような事をしたときにひなたからこっぴどく注意を受けたのだ。

 

“誰が見ているか分からないのだから、異性との軽率な行動は控えて下さい”との事。

 

なるほど確かにと納得し、気をつけていたのだが……。

 

 

「わわっ、モミジ君、落ちちゃうから……!」

 

「あ、わ、悪い」

 

 

友奈の言葉にはっとすると、ズレ落ち始めていたアイスに気付き思わず支える様にパクついた。

 

甘いストロベリーの味が広がる。うん、確かに美味しい。

 

 

「どう?」

 

「美味しいな。今度から俺も迷ったらこれにしてみようか」

 

「本当に? なら良かった!……なら、あーん」

 

 

コロコロと表情を変える友奈。特に何も言い出さない事に内心安堵したが、友奈の次の行動に固まった。

 

あむ、と俺の持つアイスへと口をつけていたのだ。

 

 

「んー♪ バニラも良いねぇ♪」

 

「……そうだな」

 

 

……何だか、一々間接キス等と気にしているのが馬鹿らしくなり、照れ隠しにアイスへと齧り付く。

 

そんなモミジをニコニコと笑顔で眺めつつ、友奈は自分のアイスを舐めていう。

 

 

「ねーねー、モミジ君」

 

「んー? なんだ、友奈」

 

 

 

「私との間接キスはどう?」

 

「ぶふぉぁっ!!」

 

 

 

突如放り込まれた爆弾に堪らず吹き出す。気管に入ったアイスをゲホゲホと咳していると、友奈がごめんね!と苦笑いしながら言った。

 

 

「昨日見たテレビのドラマで、似たようなシーンがあったから、真似したくなったの!」

 

「なるほどな……」

 

 

何処で手に入れたそんな小悪魔テク、と思ったがテレビの影響か。

 

杏にしてもそうだが、テレビや小説から影響される“勇者”や“巫女”が多い。以前球子が杏の小説を健全かどうか検閲していたが、あながち間違いではないかもしれない。

 

 

だが、それにしても。と友奈を見つつ思う。

 

 

「変わったよな、友奈」

 

「へ? 私?」

 

 

きょとんとした顔をする彼女に、おうと返事をして、

 

 

「本音っつーか、自分が出せないって悩んでたろ? でも、今は自然体に見えるからさ」

 

「……そ、そう、かな……」

 

「おう。俺からみたら、の話だけどさ」

 

 

溶け始めたアイスを食べ進める。バニラを食べ終え、次はサービスで貰ったオレンジ味だ。

 

一口囓れば、シャリシャリとしたシャーベットの様な食感が口いっぱいに広がった。爽やかな、控えめな甘さが丁度良い。

 

 

不意に、友奈が少し離れていたモミジとの距離を詰める。寄るように座り直すと、モミジのアイスへと目を向けて口を開く。

 

 

「モミジ君って、私の中で太陽みたいな人なんだよね」

 

「太陽?」

 

「うん」

 

 

ぱくり、とアイスを一口囓って、

 

 

「太陽みたいに、隠し事のない真っ直ぐな人。誰に対しても同じで、暖かくて。だから皆、モミジ君に惹かれて集まるんだ」

 

「そうかぁ?」

 

「そうだよ。……だから、私も素で居られるんだと思う」

 

 

ばしゃり、と足元の水を弄びながら友奈が呟く様に言う。

 

その真面目な表情は、何時も笑顔でいる彼女にしては珍しい、普段見ない部類の表情。

 

それこそが、高嶋友奈の本当の部分なのだろう。

 

 

「――隙有りっ!」

 

「あ!」

 

 

後ろから回り込む様に回された友奈の腕が俺の左腕を抑え込む。突然の事に驚いていると、アイスを持つ右手を押さえた友奈が俺のアイスへと囓りついた。

 

 

「ん~♪ オレンジもシャーベットで良い感じ!」

 

「お前なぁ……」

 

「ふっふっふ~、隙を見せたモミジ君が悪いんだよ?」

 

 

そう言って本当に楽しそうに笑う友奈を見て、怒る気も失せてため息が出た。

 

俺の事を太陽の様だと言ったが、友奈こそ太陽の様な人だと俺は思う。

 

何せ、彼女にかかればどんなに曇天模様の曇り空でも、途端に晴れ模様になるから。

 

 

彼女の笑顔こそ、人を惹きつける魅力を持った太陽だろう。

 

 

「だから、真っ直ぐな私の事もちゃんと見ててほしいなーって」

 

「――……」

 

 

えへへ、と気恥ずかしそうに笑みを浮かべる友奈。

 

年相応の、ありのままの彼女が見えた気がして返事が少し遅れた。

 

 

「……前みたいな殴り合いは勘弁だぞ」

 

「あ、あんなことはもうしないって~……!!」

 

 

焦った様に言う友奈に漸く一本取れたとモミジは笑う。

 

 

そんな、平穏な日々の一時。

 

 

 

 

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

 

『RAIN storys』

 

 

SAKIMORI:腹減った。これからメシ

 

 

うどん命:む、少し遅いな。今日は何うどんにするんだ?

 

 

SAKIMORI:何でうどん食う前提何だよ、今日は違う奴

 

 

農業王:蕎麦ねッ!! 私には分かるわモミジさん!

 

 

うどん命: う わ で た

 

 

SAKIMORI:蕎麦じゃないよ! つーか無闇に煽るのを止めろと言ったろ若葉ぁ!

 

 

農業王:では此方の契約書にサインを。今なら特典で、みーちゃんの生写真が付いてくるわよ!

 

 

SAKIMORI:そしておまけ感覚で売られる相方よ。

 

 

農業王:いやー、このお陰か最近蕎麦党の人数が爆上がりで……。

 

 

うどん命:ちょっとひなたの所行ってくる。

 

 

農業王:いてーら☆

 

 

SAKIMORI:止めろぉ!

 

 

~~5分後~~

 

 

うどん命:たす

 

 

SAKIMORI:あぁ……狩られたな、あいつ。

 

 

農業王:党首が滅亡した今、うどん党の人間を取り込むチャンスね。みーちゃんの次の写真も準備しなきゃ

 

 

SAKIMORI:いや、若葉がやられたって事は水都にも話が行ってるんじゃ?

 

 

農業王:ソーリー。ちょっと来客よ、外すわね

 

 

SAKIMORI:あっ(察し)

 

 

農業王:momijikun imadoko?

 

 

SAKIMORI:かな表記に直ってないぞ、水都。そして俺は無罪だ、冤罪だぞ。

 

 

農業王:ほら、うたのんも一人だと寂しがるでしょ?

 

 

SAKIMORI:容易く捨てられる俺の命

 

 

農業王:というより、ひなたさんがそろそろ着くと思う。

 

 

SAKIMORI:え

 

 

SAKIMORI:ちょ、インターフォンカメラ隠しながら鳴らしてるの誰?

 

 

SAKIMORI:怖い怖い怖い怖い

 

 

SAKIMORI:誰かチャット入ってないのか? ちょっとで良いから俺の部屋の玄関覗いて。ついでに俺も救って

 

 

うどん命:モミジさん

農業王:モミジ君

 

 

 

「「こっちだよ」」

 

 

「へ?」

 

 

 

 

 

うどん命:チャットからログアウトしました

農業王:チャットからログアウトしました

SAKIMORI:チャットからログアウトしました

 

 

 

 

 

 




ご覧の有り様だよ!(二話目を指差して)

こんな感じの甘めのストーリー、まだまだ書きたいのでネタが出来たら書こうと思います。生暖かい目で優しく見守って下さい。(゜o゜)\(-_-)

それではまた、次のお話で(*・ω・)
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。