あと少しだけシリアスな感じにしてみました
それではどうぞ
魁翔「ハァハァ………ハァ……」
荒々しくあがる息を押さえ込みながら、たどたどしい足取りで壁に寄り添いながら己の下肢を動かす。目的の物がある場所へと向かうが、思うように体が動かずなかなか前に歩みが進まない。必死の思いで目的の物を手に持つと一秒でも早くそれを摂取したいがために飲み物を用意せずに、自分の口の中にある水分のみで食道に無理やり流し込んだ。
目的の物を飲み込むと、そのままその場に崩れ落ちるように壁にもたれかかった。それからいくら時間が経っただろうか。やがて胸を締め付けるような痛みも過ぎ去り、ようやく体の力が抜けていった。
魁翔「ハァー……最近はあんまりこなかったのにな…」
昔はよく出ていた発作も、今年度から高校に通いだしてからは一度も起きたことがなかった。検査は定期的には行っており特に大きな変化は起きていなかった。
そう、この前の海に行くまではだ。
あの日、穂乃果を探し回るために走った際に俺の心臓には今までで一番と言っていいほどの負荷がかかったらしい。まあ今まで全力で走ったことなんて記憶にないから始めて全力を出したからな。
そのせいか、心臓へのダメージは凄まじく最近では発作が起きることが多くなっている。まあ自業自得と言えばそうなのだが、あの時の行動に決して後悔はない。むしろ人のために死ねるなら本望みたいなものだ。まあそれを真姫のお父さんの前で言ったら叱られてしまいましたわ。もっと命は大事にしろって。
うーん毎回もう悔いは特にないって言ってんだけどな〜。
まあそんなかんなで最近は発作のせいでこうやって倒れこんでしまうことが多くなっている。まあ幸いにも発作は夜にしかまだ起きておらず、自宅での場合のみなので周りには感づかれていないだろう。こんなことバレて周りから哀れまれるなんてまっぴらだ。
魁翔「さて準備でもするか」
俺は一人でにそう呟くと、先ほどの苦しみの際に額に溜まっていた汗を手の甲で拭き取ると立ち上がり自分の部屋へと向かう。
この夏休みは劇的な変化もイベントもなくもうそろそろ終わりを迎えようとしていた。
まあ、あったはあったのだが海での事とかはあまりいい思い出とは言えないようなものであるしな。
なのでそれ以外は特に何事もなく日常は過ぎていった。穂乃果が遊びに乗り込んできたり、ことりとお菓子を食べに行ったり、海未にしばかれたり、希先輩と遊びに行ったり、真姫と食事をしたりと。なんか一つ不穏な物が混じっていたがまあ気にしないでおこう。
そして最後のイベントとして近くの河原で行われる花火大会が今日はある。あまり乗り気ではなかったけれどあの三人に誘われてしまったので結局行く羽目になってしまった。
まずは穂乃果を迎えに行ってから一緒に海未の家へと向かい、そこでことりと海未と合流する予定だ。
先ほどの事もあり少し休憩しておきたいところだが、あいにく時間は待ってくれないので必要なものだけ持ち家を後にした。
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穂乃果「魁くーんおまたせ〜〜」
魁翔「いやホント待ったんすけど」
穂乃果「もーう!そこは今来たところだよ!」
魁翔「いや家の前で30分も待たさせれたし、ってか呼びに来たんだから今来たところって言ったらおかしいだろーが」
穂乃果が可愛らしくプンスカしているのだが、普通それをするのは俺の方じゃありませんかね?呼びに来てみたら、雪穂に穂乃果はお昼寝中って言われてめっちゃ待たされたんすけど。
ってかこれ絶対に海未に怒られるじゃん。なんだかんだ俺の責任になって俺がめっちゃ怒られるやつじゃん。さっきからメールがめっちゃきてる気がするけどまあ気のせいだと思っておこう。
穂乃果「あ!海未ちゃんから電話だ!」
魁翔「よしっ!穂乃果行くぞ!!時間がヤバそーだし少しでも急ぐために電話に出てる暇なんてないぞ!!」
穂乃果「あ、でも多分来てると、、
園田「ほほーう、人様をこんだけ待たせておいて電話にも出ないとはいい度胸ですね?」
魁翔「いやこれは違うんですよ海未さん?ちょっとだけあれがあれあれでして」
いやー別に悪気があって遅刻したわけじゃないんですからね海未さん。決して電話に出るのが怖くて、必死に急いだふりを演出しようとしたわけじゃないですからね?
ですからその拳をしまってくれませんかね?ちょっと怖いんですけど。隣でことりは苦笑いしてるけどお願いだから助けてよ!
園田「へぇー、あれがあれとはどれのことなんでしょうかねー?」
魁翔「いやーそれはあれがこれであれになって、って痛いんで拳でぐりぐりするのやめて!!」
俺の言い訳にイライラしてきたのか振り上げていた拳を俺の頰に突きつけてグリグリしてきていた。しかもとても良い笑顔をした状態でだ。
ってか頬骨がグリグリされて非常に痛いんだけど!そんなにグリグリされたらリンパの流れが良くなっちゃって小顔になっちゃうよ!!」
園田「そうですか、なら顔がなくなるぐらいまでしましょうか」
魁翔「あれ?俺声に出してた?」
園田「そうですね、よっぽど小顔になりたいみたいなのでもっとしてあげましょうか?」
魁翔「いやぁーーー!」
三分間ほどその後もグリグリされ続けたわけだが、この三分が案外長く非常に長い時間に感じられた。ってか今回も俺悪くないじゃん、何故か俺ばかりいつも怒られるんすけど。
ちなみにリンパの流れを良くする小顔効果ってのはあんなに強くしすぎる必要はないからね!中くらいの力で皮膚がすこーし伸びるぐらいにさするだけでも十分な効果があるのでみなさんぜひやって見てね!
魁翔「うぅー俺悪くないのに……」
あれから海未の家まで移動してきて、現在ある部屋にて俺は待たされていた。
合流したのに何故再び海未の家まで来たかというと、それは浴衣の着付けをするからだそうだ。まあ俺も来てから知ったのだが。って事で女性陣の三人がたは別室にてお着替え中で俺はこの客間にてお待ちをしているってわけだ。
魁翔「それにしても風情があるな〜」
この和室の感じは何ともワビサビを感じるものなのだろうか。座敷の匂いと言い、なんとも形容しがたいものを感じる。一回でいいからこんないい家に住んでみたいものだ。
部屋の向こうには縁側があり、庭には池や庭園といったものが見える。庭園は丁寧に手入れをされているようで、この家の人の几帳面さと言ったものが垣間見えた。
そして空には今にも落ちそうになっている夕日が見えた。夏も終わりを迎えようとしており日の入りも少しづつではあるが早くなって来ており、外からは未だ元気なセミたちが鳴り響いている。ってか夏が終わるっていうのにまだこんなに元気な奴らもいるんだな、その元気さを少しでも俺にわけてほしいものだ。
夕方ということもあり気温も暑すぎず寒すぎずと丁度良いものであり、体を横にしているとついつい眠気が襲って来てしまう。ってか眠すぎるわこれ。
家での発作のこともあり、体が疲れていたのか三人を待っている間に俺は眠りへと誘われて夢の世界へと落ちて行くのだった。
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気づけば俺は大きな桜の木の前にいた
ここは何処なのだろうか見覚えはない
そもそも何故こんな場所にいるのだろうか?
視線はいつもよりも低い位置にあり
手や足も小さい
つまりこれは夢の世界
もしかしたら自分の中にある過去の記憶の世界なのだろうか?
…………と……ん……
ふと誰かの声が聞こえる
遠くから自分のことを呼ぶような声が聞こえる
けれどはっきりとは聞こえず自分を呼んでいるかどうかはっきりとは分からない
これは誰の声だろうか
お母さんの声だろうか?
-いや 違う-
お父さんの声だろうか?
-いや 違う-
けれど俺は昔の事なんて両親の事しか知らない
だとしたら これは誰の声なのだろうか?
さ………と……ん…!
あ、声が近づいて来ている
どこから聞こえているのかは分からないけれど徐々にではあるけど声が鮮明に聞こえている気がする
頭を周りに振りどこから聞こえているのかを必死に探すけど
どこにも誰もいない
…さき………とくん!……
あ、また声が聞こえた
声はさっきよりもはっきりと聞こえた
自分を呼ぶ声は誰のものかは分からない
分からないけどとても懐かしい感じがする
これは誰の声だったろうか……
世界が一瞬消えたかと思うと俺はまた桜の木の目の前にいた
けれど先程とはここは見覚えのある場所だ
俺が数ヶ月前に見た桜
そう学校の桜の木の前に俺は立っていた
また誰かの俺を呼ぶ声が聞こえる
だけどこの声は聞き覚えがある
最近では何回も聞いた声だ
穂乃果「魁くーん!!」
勢いよく走ってくる穂乃果に手を振る
そして突進してきそうなので目を閉じて手を広げ受け止める姿勢をしていたがいつまで経ってもその衝撃はこなかった
目を開けてみると穂乃果は既に俺の後ろへと行っていた
そこには自分がいてもう一人の自分が穂乃果を受け止めていた
あぁそうか夢だもんな
これから起こるであろう未来の夢でも見ているのだろうか
あの二人を見る感じ卒業式を終えた直後って感じだろう
そう考えると自分が卒業するまでは生きていけるのかと思い少し安堵する
気づけば向こうの自分は女の子たちと共にいた
見覚えのある子もいれば見たこともない子たちもいる
また制服ではなくスーツの人達もいるので卒業生か誰かだろうか?
みんなと話している自分はとても穏やかに笑っていた
こんなにたくさんに人たちと笑い合えるような未来がくるのだろうか?
もしそうだとしたらそれは本当にあるべき未来なのだろうか?
あそこにいる自分は自分の体の事をみんなに伝えているのだろうか?
もしかしたらあそこにいるみんなと共に生きていこうとする未来を選んだのだろうか?
-分からない-
何故あんなにも楽しそうにみんなと笑い合っているのだろうか?
-分からない-
自分はこのまま未来へと生きていっていいのだろうか?
-分からない-
自分には分からない事だらけだ
考えるだけで自分の頭はオーバーヒートするぐらいまで熱くなり考えることが嫌になってくる
俺は穂乃果たちと未来へと一緒に進んで生きたいのだろうか?
本当に分からない事だらけだ
気づけば夢の世界の形は壊れていき周りの風景や建物が崩れていっている
~あぁ夢の終わりかもう少しだけ自分を見ていたかった~
~そうすれば答えが見つかったのかもしれない~
壊れていく世界の中で意識に靄がかかっていく中目を開けた先には穂乃果がいた
すると穂乃果と目が合い彼女は何かを伝えようと口を開いていた
けれど俺には伝わらずどんどん意識が薄れていく
~あぁ彼女は何を自分に伝えたかったのだろうかそれだけが気がかりだ~
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穂乃果「おーい魁くーーん!!」
南「ほ、穂乃果ちゃーんそんなに叩いちゃダメだって〜」
穂乃果「え〜だって魁くん起きないんだもん!」
園田「どいて下さい穂乃果、私が一発で起こして見せます」
南「海未ちゃん!それはさっくんが死んじゃう!!」
気づけば何やら海未が不穏な事をしようとしているのが聞こえてくる。海未にやられると起きるどころか永遠の眠りにつきそうなんですけどそれは。
ちなみにことりが俺の呼び方を変えたのは穂乃果に影響されてのことだ。なんか恥ずかしいからやめて欲しいところだけど二人とも辞めてくれる気配はない。
海未は恥ずかしいらしく相変わらずだ。まあ俺的にはそちらの方がよいのだけれど。
魁翔「もう起きてるから大丈夫だよ、ってか穂乃果が叩いてたの地味に痛いんだけど」
穂乃果「あ!魁くんおはよう!!」
目を開けて返事をして見るとそこには浴衣を着つけた三人が目の前にいた。そういえば三人が着付けをしている時間に待っていたら……あれ何してたんだっけ?
穂乃果「あれ?魁くんどうしたの?」
魁翔「どうしたって何のことだ?」
南「だってさっくん……」
園田「何で泣いているのですか…?」
魁翔「………え?」
自分の目の元へと手の甲を持っていくと、たしかに自分は涙を流していた。自分は確かに泣いていたようだ。
けれども何でだろう?何か大事な事を忘れている気………
魁翔「そうだ……誰かに呼ばれててそれから………」
なんだっただろうか?どこかで誰かに呼ばれていた気がするけど、そこから先が思い出せない。何か大事な事を見ていた気がするけれど全然思い出せない。
穂乃果「大丈夫魁くん??もしかして私が叩き過ぎちゃったのが痛かった??」
魁翔「あ〜そうじゃないから大丈夫だって、ただ………」
穂乃果「ただ?」
魁翔「……いや何でもない、ちょっと変な夢を見てただけだよ」
そう言うと俺は立ち上がり三人の前に立つ。させと、今日は祭りだし楽しみますかね!!
先ほどまでモヤモヤしていた気持ちを吹き飛ばしたいので、無理やりにでもこれからの楽しい事を考えて先ほどまでの思考を打ち切った。
って事でちょっとだけ過去に触れて見ることにしました。
ストーリー構成は作りながら考えているので途中で矛盾とかよく分からないとこが出てきたらすいません。
ところでアニサマの方ではAqoursが僕らの走ってきた道はを披露したそうですね!一度は生で見てみたいものです……
まあ、ここらで今日は終わりですね。感想やアドバイス等がある人は是非どうぞ!それではまた次回!