「とにかく速度優先よ。軽戦車はそのためにあるんでしょ?」
モスクワにて徴兵された戦車師団に与えられた(一部は更新されなかったが…)軽戦車。
とにかくエンジン性能を優先した結果、信頼性が血におちてしまい稼働率は脅威の四割ほどであった。
後々信頼性を上げたБТ-5 Бという派生型が作られたが、後継の新型軽戦車の目処がたち無事終了。
モンゴル戦線において、トーチカの代わりとして使われた他、砲を現地で取り外して大量の機銃を取り付け、歩兵掃討を行った。
中央歴1639年1月24日、突如と発見されたロデニウス大陸と陸続きとなる新たな大陸。
「今まで見つけられていなかった」なんていう言い訳の通らないほど広大な大地の国家ロシア帝国は、列強諸国から「何かあるのでは?」と、調査をされた。
とは言っても、諜報員を多めに送り込んだだけであるが。
ムーは特に多くの諜報員を送り込んでおり、また多くは軍事施設の偵察を任された。
例えば、旧モンゴルから移動していた軽戦車師団の魔写を撮ったり、ロシア帝国の歴史を調査したり、また国かつて国境線であった地帯の調査を行った(調査されたのはポーランド、バルト三国、ルーマニアなど、首都に近い場所であった)
ただ、調査でわかったのは精々「旧国境線は完全に崖のようになっている」こと「民間工場が多い」こと「列強ほどの技術がある」こと「軍需工場は少ないが、造船所はそれなりにある」ことがわかった。
なぜ突然現れたのか、それは神のみぞ知る…
ロシア帝国 サンクトペテルブルク
「これより帝国会議を始めるわ。」
転移後の緊急会議以来初めての定期会議が開始された。
この会議では「各省の要望」やら、問題点やら…などのことが議論される。
最終的にはエカテリーナの意向で決定される為、たまに変な方向になるが。
例を挙げるとすれば、海軍艦艇を研究や建造だ。
これからは空の時代、海軍の要望である「空母の大量建造」、「直衛艦の近代化」などの要望はそれほど通らなかった。
代わりに大型戦艦の建造は承認されたりと…海軍からしたら溜まったものではなかった。
そのため、ドクトリンも戦艦が優先されている。
「発言、よろしいでしょうか。」
「許可するわ。」
「ありがとうございます。では…現在、我が陸軍では装備の不足が多いです。それこそ小銃から始まり、支援物資、戦車、野砲の不足です。自動車師団を廃止したためトラックに余裕こそありますが、これでは軍が本来の力を発揮できません。そこで、陸軍からは軍需工場の建築を強くお願いします。」
「……ちなみに、どれくらい足りていないの?」
「小銃がおよそ60000丁、支援物資が50000、野砲が25000、軽戦車が20000、重戦車が5000です。」
「…………」
ちなみに、これは自業自得であったりする。
自国の海軍ではロイヤルネイビーを打ち倒せないと知るとあからさまに焦ってしまい、海軍力の増強に手を入れすぎたのだ。
それこそ、陸軍からの要望を無視してまで…
「…わかったわ。外国に出張っている人達を全部招集して、こっちの軍需工場建設を優先するわ。クワ・トイネ側のインフラはもう充分なんでしょ?」
「ええ、既に
「じゃあ、陸軍の方の案は可決ね。他は?」
「では、海軍からも空母の量産を願う声が…」
「艦載機がいないわ。却下。」
……
こうして、帝国会議が進む中、ロウリア王国も着々と準備を進めるのであった…