一度目の人生が終わった時、私は満ち足りた人生だった。
小さい頃から好きで野球をしてきて、報われて遂にプロになり、そこそこ活躍し引退した後も球団のコーチとして仕事をし、最後は選手たちの合宿中に熱中症で倒れそのまま死んだ。
少し死ぬのが早すぎたとも思ったが、好きなことをやって楽しい人生を送れたと思う。
そして、死んだら無に帰ると思ってた私だが気づいたら何故か白い雲の上にたたずんでいて、私が天国に来れたというのが理解できた。
天国に来たら神に一度会わなければいけないらしく(天使談)神に会いに行った。
そして無事に謁見することは出来たのだが、そこで私の魂が第一種特殊霊魂という特別な種類の魂だったらしく記憶を持ったまま生まれ変わることが出来る(持ったままでしか生まれ変わることが出来ない)そうだ。
そこで、せっかくだから生まれ変わって来たら?と言われたので様々な人生を体験したいと頼んだら第一種特殊霊魂には自分で輪廻転生の輪を外れて生まれ変わることが出来るらしく(ただし生まれ変わる世界も性別も種族もすべてランダム)自分で勝手にしたら良いと許可をもらったので転生を堪能することにした。
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二度目の人生は魚だった。
しかも小魚。
いやいや、こんなんすぐ食われるやん!!
ってことで頑張って逃げまくった。
そんなこんなで頑張って3ヶ月逃げまくったが、ある日捕まって煮られた...。
物凄く苦しかったが、そこからは覚えてない。
おそらく美味しく頂かれたのだろう。
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ということで気づいたらまた天国にいた。
ルールなのでまた神に謁見しに行ったら死ぬの早すぎるだろと怒られた。
後、俺の場合いちいち謁見するの大変だからもう謁見来なくて良いと面倒がられたので天国に来たら神に会わなければいけないというルールに従わなくてもよくなった。
俺の様な第一種特殊霊魂の持ち主が特別待遇を受けるのは魂の性質上仕方がないことである。ちなみに今俺が許可されてるのは天国で暮らす自由、転生する自由、ごく一部の規則の除外、天国で職につける権利というものだ。
最初の天国で暮らす自由は俺以外の普通の魂ももちろん許可されている。
ちなみに、一度天国に来て神に認められてしまえば何度でも天国にこれる様になる。
つまり、俺が転生した先で悪いことしまくっても天国に来れるということだ。
というのも、そもそも普通は一度目の人生がその人のすべてであり、輪廻の輪を外れて転生というのは本来イレギュラーなのである。そして何も悪いことをせずに善行を積み重ねた者が来れるのがここで、その基準になるのは一度目の人生なわけで、本来ここにいる人というのは一度限りの人生で善行を沢山して死んでしまった後で転生を望んでない者が暮らす場所なのだ。
とにかく、別にそんなことはどうでも良くてとりあえずまた転生を繰り返す。
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次の人生?は木だった。
そう、ただの木。
時にはおしっこをかけられ、時には木登りなどをされ時にはただいたずらにナイフで傷つけられる。
おいこら!やめろよ!って何度も思う出来事もあったが、どうしようもないのでおとなしく時の過ぎ行くままにじっと過ごした。
というか、それしか出来ない。うん、楽しくない転生だなぁ。
200年がたった。
もはや、聖人君子以上、賢者タイムが常のような精神状態になっている。
穏やかに沢山の年月を過ごして来たが、ある日筋肉ムキムキのおっちゃんが、俺の大部分を斬り倒していった。
別に何も感じないし、何も思わなかった。
その後、虫に食われ枯れて三度目の人生?終了。
まぁ、結果的には意外と悪くなかったかな。
なんて、思った。
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そして、一度天国戻ってから四度目の人生を迎えた。
しかし、今度はなんと異世界だった!
いや、今までも地球以外の場所だったのは確実なんだろうけど(原則として一度目に死んだ世界には行けないらしい)違いがよくわからなかったからパラレルワールド的なやつだったんだと思う。
でも、今回は天使に生まれ変わったのだ。
天使なんてまさにファンタジー!
ということでこの世界ダラクロネというらしいのだが、そこで暮らすこととなった。
俺の一族は天界の天海のとある島の西の門番をつとめる一族だった。
父親から50年かけて戦闘技術やスキルと呼ばれる技を習うと、51になったとき正式に門番を任される様になった。
そして1000年の門番の仕事についた。
もう門番になってから1000年の月日が立つ。
俺には無事に子供も出来て門を守る跡取りとして十分な実力もついていた。
もうすぐ1000年がたち、門番の任も終わろうとしていた時にそれは起きた。
門番としてつく最後の日、感慨深く相棒(門)を見つめていたときの事だった。
天界中に警告の鐘の音が鳴り響いた。
それは魔族の侵略。
そして侵略先はここ天老島。
魔族の目的は天老島に眠る不老不死の秘薬の材料だったらしい。
魔族は少数精鋭の電撃作戦でなんと俺の西門から攻めて来たのだ。
その軍勢に対し俺は誇りと信念をもって門を守る為に戦った。
魔族の一人一人がバカにならないほど強かったが、1000年を生きて天使族の中でも上位に入る実力を誇る俺は一人一人確実に倒していった。
しかし、体力は衰えてしまっていたし、連戦に次ぐ連戦でぼろぼろになっていた。
魔族が力づくで門を破壊しようとすれば身体を張って防いだし、突破されそうになれば力づくで止めた。
その為奮戦のかいあって通した魔族はゼロ。
相手残存勢力は5人まで減らしていた。
だが、こっちはボロボロでどちらにしろ今日死んでしまうのは自分でも理解出来た。
相手とに二、三言交わすと相手の一番強い敵が俺と一騎討ちをしてくれるそうだ。
だから俺は正々堂々と勝負を受けた。
相手は敵の指揮官だけあって手強かった。
俺は相手の利き腕を切りとばしたが、こちらも利き腕を飛ばされて両足を槍で貫かれていた。
しかし、負ける事は絶対に許されない俺は死力を尽くし相手を倒す事に成功する。それは相手も同じだったらしく相討ちとなっちお互い地に倒れた。
だが、残り4人がまだいる。
俺は門を守る事が出来ない。悔しくて悔しくて仕方がなかった。
剣を握る腕もなければ立ち上がる足も動かない。
どうしようもないと思った時、俺の息子が来てくれた。
息子は勇気をもって魔族に立ち向かい傷つきながらも魔族4人を倒しきってみせたのだ。
「父さん...」
「息子よ、門を守ってくれてありがとう。お前は立派な戦士だよ。」
息子ももう俺が助からないのには気づいているのだろう。
「お前にたった今からこの門を任せる。お前は誇りとその命をもって役目を果たせ。お前なら任せられる。」
俺は最後の力を振り絞り息子に言葉を伝え抱き締め他。
息子は最後に任せて下さいと言っていた。
もう最後の言葉は聞こえはしなかったが、口の動きで言葉は伝わった。
ありがとう。そう思いながら俺の意識は闇に沈んでいった。
これで四度目の人生が終わった。