俺たちがギルドの前に着くといつにも増して沢山のハンター達で溢れかえっていた。
そして、カルロスと共にギルドの情報科の者が短時間で集めてくれた情報を聞いたところによると、なんと新しい迷宮が現れたというのだ。
しかもそれは遥か上空に浮いていてまるで神の国のような佇まいだとか。
出現場所はさっきの振動と共に海が割れ、巨大な島が飛び出したかと思うと、空に向けて飛んでいったそうだ。
そして、雲にかくれたという。
で、情報を整理するとまず空島まで翔べる者はいないだろうとのこと。
なぜなら、翔べる実力もしかりだがあそこまで翔ぼうと思えば念石が足りなくなるのだ。
で、ギルドでの取りあえずの結論は気にしないということになってしまった。
もちろんだが、俺はアイテムボックスを使ったらいける。
だが、それは使わなければ行けないということ。
俺以外には不可能だ。
俺の右腕はなんとなく俺なら行けるのだろうと感じたのか声をかけてきた。
「皆ああ言ってるけどお前なら行けるだろう。俺はわかってるよ。行って冒険してきなよ。空島なんてわくわくするじゃん?後は俺に任せてくれ。お前がいってる間はギルドの副マスターである俺が運営任されとくからさ」
「いやいや、俺でもやってみなきゃわかんないし無理ならすぐ帰ってくるさ。でも、ありがとう。とりあえず行ってくるよ。」
俺はギルドを後にするとその足で空島へ向かった。
空島に着いた。
ここまで来るのに沢山の念石を使ったが、アイテムボックス内の念石の数を考えたら微々たるものである。
しかし、思う。
ここはこの世界の人間には絶対に立ち入れないようになっている領域だと。
つまり、俺のように特殊な力を持った人間じゃなければ来ることは天地が逆さまにならぬ限り出来ないということである。
空島は巨大で特殊な念石の塊であった。
これだけでも、研究心が湧き踊るような事実だがここ空島は他にも衝撃的な事実がわんさか出てくる場所であった。
まず、空島は巨大な念石の島だが実際は知識神アリウスという偉大な神の忘れ物(落とし物)のようであった。
次にこの島には迷宮やモンスターはいないがゴーレムが存在し、一体一体がカルロスを超える物凄い強さを持っている。
俺でさえいっぱいいっぱいなのだからやはりこの世界の人間では絶対にこれないであろう。
そして、月日は流れ1782日に及ぶ探索の末、全ての部屋をあさり研究しつくした、とりあえず片っ端から貴重そうなの物は即収納して書物は読んで記憶してと繰り返していたら5年近くたっていた。
そしてようやく最後の部屋を見つけて調べてみれば沢山の新事実が判明したのだ。
まずこの世界は神と魔の戦いラグナロクの戦場の1つとして使われた世界で、そのときの被害でここまで世界が小さくなってしまったとのこと。
更にこの空島は最低でも1000年を生きた一定以上の戦力を保有したものでなければ入ることは出来ないこと。
この空島でさえ、ラグナロクではとるに足らない場所(戦力にならない要塞や陣地)の1つであったこと等石碑につらつらと書かれてあった。
新事実が沢山判明したここ空島なのであるがてに入ったのは知識だけではなかった。
手にいれたのは『賢神の願石』という透き通った水色の光を宿した石であった。
それの効果は使用者に相性のよい等級が中位までの権能をランダムで授与するというもの。
素晴らしい効果だと思う。
権能というだけで、大きな価値があり期待が持てるというものである。
と、いうよりも普通は高レベルの世界神がいなければその世界で権能を目にすることは絶対にありえないであろう。
この拾い物は本当に運が良かったのであろう。
さっそく使ってみることにした。
使ってみると、いつかのように光に体と心が包まれるような感覚の後無数の光の中から1つの大きな光が俺の魂に馴染んでいくのがわかった。
光がおさまった。
手に入れたのは『発雷』という雷を呼ぶ能力であった。
等級は権能の中では中の上で、俺のアイテムボックスで最下級と考えると物凄い期待をしてしまうというのもである。
力が身体に満ちた後は予期せず得た果てしない力(権能)に身体が耐えきれずに崩壊していくのがわかった。
それは説明にもあったので理解していた。
俺は身体が存在が壊れゆくのを感じながらどうせならと最後にダメ元で空島を収納してみた。
シュン。
…………へ?
出来るの?
あまりにもあっけなく収納できてしまったことで頭が真っ白になりつつ俺は5回目の人生を終えたのであった。
ずいぶん収穫の多かった転生であった。