店長である魔人ブウさんが教えてくれた店は彼の友達がやっている店だそうで、紹介状も書いて貰った。
それにそのお店はこの商店街のある地区では1、2を争う程のお店でもあるらしくますます俺は魔人ブウさんに頭が上がらなくなってしまった。
これは次の転生先で美味しいお菓子でもあったら持っていくべきだろう。
これは断じて彼の名前が魔人ブウだからではない。
ともかく俺が彼への感謝をしながらも足は進んでいるわけで考え事をしていたら誰かにぶつかるというイベントもなくいつの間にか目的の場所についていた。
元々同じ地区の商店であるため、そんなにかからないはずだし、ブウさんの店からも然程遠くなかったようなので別に驚くことでもない。
しかし、俺は少し驚く事があった。
それは紹介されてやってきたこの商店の大きさに対してである。
別になめてたわけではないが、ブウさんの紹介であるし近いということもあってそのままの足で向かったわけだが...。
この店は大きいというだけではもちろんない。
簡単にいうなら高級感に溢れているような場所だったのである。
今の俺はまるで村人の服に銅の剣といったような姿見である。
つまり、来る服装間違えちゃった♪と、いうやつである。
今すぐ魔人ブウさんの店に戻って服を買ってきたい気分である。
はっ!いや、もしかしたらそれがブウさんの狙いなのかもしれない。
うぬぬ、あなどれん...。
まぁ、悩んでいて始まるものは無いわけで時間ももったいないからすぐに店に入っていった。
元々図太い性格でもあるし、ここは幸いにも天国とある。
蔑まれたり、紹介したブウさんが恥をかくこともないだろう。
店に入ると店の中は爽やかな金木犀のような匂いが広がっていた。
あぁ、俺この匂い好きなんだよなぁー。
思わず今度は入り口の前で立ち止まって匂いを嗅いでしまっていた。
時間にして10もない時間ではあるが、当然店員さんには見られているわけだが、言ってもたった10秒なので全く気にしない。
そして店員に声をかけられる。
「いらっしゃいませ。当店にお越しくださるのは初めていらっしゃいますか?」
「あ、どうも。私は実は第三級次元商人の魔人ブウさんに紹介してもらって来たのですが...」
私がそういうと店員は魔人ブウさんに心当たりがあったのか店長を呼んできますね!っ言って小走りで奥に走っていった。
数えていたわけではないが15秒程で店長さんはやってきた。
「どうもはじめまして魔人サタンでございます。ブウの店から事前に貴方がここに向かうと話は聞いていました。一応確認の為紹介状を見せて頂いてもよろしいですか?」
魔人ブウさんの店を出てからまだ10数分しかたっていないというのにとても仕事が早い人である。
わざわざ紹介状だけでなく電話で連絡してくれる厚待遇ぶりにこれからブウさんの店を懇意にしなければ!と、また一つブウさんの好感度があがった。
ちなみにブウもサタンさんも色黒で長身な30代らしくない鍛え抜かれたようなムキムキボディをしている。しかし、二人共有能な商人らしい理知的な雰囲気を纏っている。
どうやら腕っぷしの方も中々のようだ。
1000年沢山の戦いを経験してきた俺がいうのだから間違いないだろう。
と、どうでも良いこと考えていた俺だが紹介状はもうすでに渡してある。
確認のため少しだけ待っていただけ。
そして、確認が終わったのかサタンさんは話しかけてきた。
「はい、確認が終わりました。お待たせしてしまい申し訳ありませんでした。して、お客様はアイテムボックスまたはイベントリ、次元ポケットのようなアイテムを収納する権能をもとめていらっしゃるとか。」
「はい、話が通っているとはありがたいです。その通りで、私は転生をして冒険等をしたいと思っているのですが、こちらからアイテムを持っていったり向こうからアイテムを持ち帰ったりするにはアイテムボックスが必要不可欠だと聞いたので。」
「なるほど、お客様は転生をこれから始める方だったのですね。そうです、アイテムボックスは転生者にとっては必要不可欠なものですね。その他にも場所によっては超能力等も必要ですからこれからもよろしければ当店とお付き合い下さい。では、こちらへ」
転生は実は初めてではなかったのだが、ここは言わぬが華であろう。まぁ、それは俺にとってのではあるが...。
しかし、惜しいことをした。
魚と木は正直なんもねぇけど、天使族ならばある程度の物は持っていた。これから役立ちそうな物まで。その量も質も。...俺のバカ!
一通り後悔を己への罵倒で紛らわした俺はまだ多少引きづりながらもアイテムボックスコーナーへ来ていた。
中々大きな商店であり、目当ての権能があるのは三階ということと、入り口から三階までというまぁまぁ長い時間は気になった事があったのでサタンさんに質問をすることで費やした。
俺が疑問に思ったのは権能と能力でわけられているようだったので、その事についてである。
どうやら能力は使える期間が決まっている能力であり、権能は取得後永遠と使えるようになる貴重な能力であるらしい。
俺の場合第一級特殊霊魂の持ち主であるため、権能の方が良いと伝えていたためそちらの方に向かっている。
まぁ、勿論のことであるが権能は能力よりも圧倒的に値段
カルマ
は高い。だから内心足りるのかびくびくである。
ちなみに権能と能力は金の巻物と紫の水晶のような形をとっている。
見てきた感じだと、能力の方は大体数百カルマから高いもので千を越えるぐらいで万を越えるものは一つもなかった。そこら辺が権能と能力の境目なのだろう。
しかし、権能と能力は圧倒的にカルマの値段が違う。
100000カルマとか言われたら買えないし、1000000カルマなんて言われたら後10回転生しても到底無理だろう。
「はい、ここがアイテム収納関係の権能のコーナーでね。お客様は次元収納型のアイテムボックスが良いとおっしゃられていたのでこちらの方からお選び下さい。ゆっくりでけっこうですので。私はレジの方でお待ちしておりますので何か疑問があればこちらの者へお聞き下さい。」
サタンさんは下に用事が出来たようで別の人を置いて下に行ってしまった。
でも、もしかしたら俺が時間をかけて選びそうだったので気をつかってくれたのかもしれない。
よし、とにかく選ぶぞ。
とにかく良さそうなのと目についたものを絞り出してみた。
・アイテムボックスver限定(8280カルマ)
200種類を各200個づつ入れられる権能
・アイテムボックスver制約(20840カルマ)
転生前又は前世で保有していたカルマの数の種類をせぜ前世で保有していたカルマのかか数だけ各種類づつ入れることが出来る。
・アイテムボックスver指定(120000カルマ)
アイテムボックス使用前(転生前)に指定した数の種類×各999まで収納可能。ただし、種類は最高10000種類まで。
・アイテムボックスver成長レベル1(25670カルマ)
このアイテムボックスにはレベルが存在し成長するごとに収納可能数が増えていく。
・アイテムボックス『解放』―極―(876850カルマ)
アイテムボックスの権能の最上位。どんな物どんな数どんな種類のものでも収納可能。こと収納に関しては不可能はない。
俺の所持はカルマ22736だ。
うん、最後のは縁がなかったものだ。
あれくらいのカルマを持っているのはS級以上の家を持っていて前世がほとんど敵ばかりの世界で一人でそれらの敵を全て倒すか、その世界で何かを司る神を1柱倒せばたどり着くという具合であろう。
他のもほとんどダメだし、限定は安いかわりに将来的に足りなくなる可能性を感じたからだ。
最高で500×500のものがあるけど、それでも微妙だ。
ということでこの中で良いのはver制約だと判断した。これは転生前にカルマさえ気を付ければ良い話だし、所持カルマ次第では可能性を感じるのだ。
俺はこれを買うことに決めた。制約にさえ気を付ければ使えるが、だからこそこれからは所持カルマに気を付けるとしよう。
選んだ俺は店員さんにケースから権能を取り出して貰うと店員さんの手によって会計まで持っていってもらった。
一階におりると、サタンさんがレジでまっていてくれた。
これを買う上でやはり説明通りの注意点を改めて言われると代金を払って買うことが出来た。
そしてこの場で取得していくことにした。
サタンさん曰く拡げてみればわかるらしい。
それにしたがって俺は拡げてみることにした。
拡げれば、巻物から光が飛び出し俺を包み込んだ。
一瞬視界が真っ白に染まった後、脳裏に俺の魂にアイテムボックスの理の一部が吸収される形で俺の魂の一部となったのが理解できた。
これが、権能か。気分は悪くないと思った。
ちなみに能力を取得する場合は身体に紫の水晶が溶け込むだけらしい。
権能を無事取得した俺はさっそくブウさんの所で買った物を収納した後、サタンさんに礼を言ってサタンさんの店を後にした。
ちなみに、礼を言ったのは会計の時に2840カルマもの割引をしてくれたからだ。割引というより値引きなのだが、おかげて所持カルマが4736カルマものこったので、今の俺にはとってもありがたい。
と、いうわけで無事に次の転生の準備が出来たようである。