Fate/silver night   作:ギンタマン

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どうも初めまして、ギンタマンと申します。

このサイトでの投稿は初めてとなりますが、以前にじふぁんという小説投稿サイトにて一度小説を投稿していたことがあります。

表現を書くのが下手なため、上手く表現できるかどうか不安ですがどうぞよろしくお願いします。


プロローグ

 ―――――夢を見ていた。

 

 真っ赤に染まった世界に燃え盛る炎、その炎に焼かれる住宅、燃える車、燃える人、人、人、人、人、人、人、人、人、人、人、人、人、人、人、人。

 

 そんな絶望的すぎる光景の中、俺はただ只管前に進んだ。

 ああはなりたくなかったから、死になくなかったから周りの人たちの助けをこう声を無視して、見捨てて、少しでも長く生き続けた。

 

 けど長くは持たなかった。

 

 体力がもう限界だったのだろう、俺はその場に倒れ込んだ。

 ふと、冷たいモノが体にポツポツと当たるのを感じた。

 

 俺は最後の力を振り絞って仰向けになり、空を見ると、雨が降っていた。

 

 

―――ああ、よかった。これでこの地獄も終わる。…自分の命とともに。

 

 俺はそのまま瞳を閉じて、自分の命が尽きるのを待った。

 その時、不意に声が聞こえた。

 

―――――おい、おいガキ。んなところで寝てんじゃねーよ! おい! 目ェ開けやがれ!

 

 その声に導かれ、俺は重い瞼を開き、霞む視界の向こう側に意識を集中させると……そこには侍がいた。

 

 銀色の髪を靡かせ、その身に纏っている白装束と腰に二本の刀。

 現代の日本にはあまりにも似つかわしくない、古風な格好をしてるだけでも目立つその男は自分の顔を覗き込んでいた。

 

 その男に見入ってしまっていた。

 男の格好ではなく、その男の目に。

 

 この絶望的な状況にも関わらず、その男の目は死んではおらず、むしろ生の輝きに満ち溢れていた。 

 死の直前であることを忘れて、俺はただその男の目に見とれてしまっていた。

 死の直前にいる自分が羨ましく思うほど、その男の目は眩しすぎた。

 気づくと俺は、手を伸ばしていた。

 目の前の男のその輝きを分けて欲しくて、その男があまりにも輝いていたから、その男の輝きがあまりにも眩しかったから、その眩しさが羨ましかったから――――憧れた。

 

 俺はその男へと手を伸ばして、そして―――――

 

「いい加減起きやがれやァーーーーっ!!! このねぼすけがぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

「うずらっ!!?」

 

 腹に強い衝撃が走り、強制的に現実へと引き戻されたのであった。

 

 

 

 

 

    Fate/silver night

 

プロローグ「朝の挨拶はきちんとしよう」

 

 

 

 

 

「………っお、…おおっ。…おおぉ~」

「…………」

 

 夢の世界から強制的に引き戻されて一変、ここは俺が普段壊れたストーブなどのガラクタを整備、修理場として使用している土蔵。

 俺はこの室内に舞う埃など全く気にもせず…、っというか気にする暇もないくらいの激痛が今もなお発生している腹を抱えて悶え苦しんでいる。

 え? それはなぜかって? …それはとんでもねぇモーニングコール(物理)をブチかましてくれやがった目の前の男のせいです。

痛みの止まない腹を抑えながらも目の前の加害者を睨みつける。

 

「~~~っ。…い、……いきなり何しやがるクソ天パ!」

「うるせーなー。ギャーギャーギャーギャーヤカマシイんだよォ。盛りのついた山猿ですかコノヤロー」

 

 聞いているこっちがやる気がなくなりそうな気の抜けた声に、特徴的な銀髪に死んだような魚の目で、俺をにらみ返す。

 こいつは、俺が親父に養子として引き取られたと同時に、この家の―――――衛宮家の居候兼俺の家の一室を事務所にしている、その事務所のオーナーである男にして俺の義兄である。

 その男の名は―――――坂田銀時。

 この平成の時代に唯一、侍魂を持つただ一人の侍である。

 

「誰が山猿だ誰が!! つーかいきなり俺を蹴り飛ばしてきやがった理由はなんだ!! 簡潔に述べやがれ!!」

 

 ようやく痛みが引いてきたので腹を抑えながらも立ち上がり、目の前のあんちくしょうを問いただす。

 あー腹が痛い。

 

「うるせーんだよバカヤロー。てめーが朝食の時間になっても来ずにぐっすりスリープこいてる間にな、こちとらあのバカ虎を押さえ込むのに必死だったんだよ。今にもメシに食らいつきそうな勢いなんんだよ。オメーが早く来ねぇーとあのバカ虎が暴れるんだよ。つーわけだから40秒で支度してとっとときやがれクソガキ」

「またかよ。…んとにあのバカ虎は相変わらずなんだから」

 

 理由としてはわかった。

 いい年になっても相変わらず我慢するということができないない姉に頭を抱えたくなる。

俺を起こす理由としては最もだが、ただ毎度毎度俺を物理的に起こすのはやめて欲しい。

まあ言ったところで根性が捻じれるだけ捻じ曲がったこのド畜生が直す訳がないだろうが。

 

「だからって毎度叩き起されるこっちの身にもなれってんだっての。………わかったよ。着替えてくるから待ってろや」

「なる早で頼むぜ。それまであの飢えたバカ虎が何時暴れ出すか分かったもんじゃねぇ」

 

藤ねぇならあり得るから困る。

俺は乾いた笑みを零しながら、あの虎が居間で暴れている姿を想像する。

 

ーーーーうがーーーー!! しろーはまだかァーーーーー!!! メシはまだかァァァァァァァァ!!!!

 

ーーーーマジで洒落になってない上、これ以上考えたら俺の胃と精神が持ちそうにないので思考を即座にカットした。

 だって実際問題現実で起こったことがあった出来事だもの、そりゃ考えたくもなくなるというもの。

 

「…………うん。できるだけ早く着替えてきます」

「んじゃま、先行ってるぜぇ」

「ああ」

 

 銀兄(ぎんにぃ)はいつもの気怠そうな態度で振り返りざまに片手を上げて土蔵を後にする。

 義兄が土蔵の入口から出て行ったのを確認し、立ち上がって体中にこびりついた埃を払い落とし、予め土蔵の中にある棚の隣に掛けていた制服に手を掛けようとした時。

 

 

「おーそうだ。一つ言い忘れてたぜ」

「ん?」

 

 土蔵の入り口付近から声がかかり、そちらを振り返ると銀兄がひょっこりと土蔵の鉄製の扉から顔を出してこちらを見ていた。

 まだ俺に何か用があるのだろうかと疑問に思い、一体何の用だろうと考えているとその問題はすぐに解消された。

 

「―――――おはようさん。士郎」

「あ―――――」

 

 ―――――そうだ、先ほどの騒動ですっかり忘れていた。

 それは銀兄も同じだったようで、若干苦笑しながらもこうして改めて挨拶をしに戻ってきたのだろう。

 まったく、なんだかんだで律儀な義兄である。

 

「―――――ああ、おはよう銀兄」

 

 返事を返すと満足したような表情でもう一度手を振り、土蔵をあとにした。

 さて、銀兄達をこれ以上待たせるのも良くはない。

 俺はツナギを脱いで制服に着替えて土蔵を後にする。

 




プロローグは短めでここらで区切ります。

次はもう少し長く書くつもりです。
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