STRIKEWITCHES THE UNSUNG WAR   作:アレクサンデル・G・ゴリアス上級大将

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解説



小泉大五郎(5)

小泉花陽 航宙幕僚本部 指揮通信情報部長 の一人息子。数少ない男子故に、また母親が彼を溺愛している都合上保育園には預けられず花陽が直接 宙幕の指揮通信情報部で世話している。



渡辺月

渡辺曜のいとこ。曜の誘いに乗る形で浦の星に編入予定。高給・福利厚生が手厚いMSパイロットに以前から興味を持っていた。オールドタイプであり文武共に非常に優秀なバランスタイプの魔女である。夢は栄誉礼を受ける立場(≒将官になる)になることと結婚すること。ボクっ子らしい。





ハインリーケ・“ノゾミ“・トレットナー

1949年4月にクルーゼと同じタイミングでカールスラント国防軍最高司令部総長の職を辞し退役、扶桑に移住。国籍も入手し和名を『東條希』とした。航宙幕僚長(アンジェラ)の要請を受け、1950年から防衛省政策参与に就任。たまに手伝いをしている。



デセプション

クルーゼの初代使い魔の鷺“フラッシュ”が1948年に死亡し、新たに迎えた後任の使い魔の大鷲。名前のソースは『エースコンバットX』のタイトルより。



学校内でのクルーゼ達の普段着

クルーゼは海上自衛隊の作業服(幹部)、シナプスは航空自衛隊のデジタル迷彩の作業服、ライーサは原作と同じ(ただし長ズボンをはき、肩にはちゃんと空軍大佐の階級章がついている)である。






扶桑皇国宇宙軍 宇宙艦隊司令長官(現職者:竹井醇子 中将)

航空自衛隊の航空総隊司令官に匹敵。統合幕僚長の命令を受け各部隊に詳細な命令を出す宇宙軍のフォースユーザー(事態対処責任者)最高位である。




(宇宙軍)参事官 (現職者:園田海未 中将)

四幕(統合幕僚本部・陸上幕僚本部・海上幕僚本部・航宙幕僚本部)において宇宙軍を司る航宙幕僚本部にのみ存在する役職。
扶桑皇国宇宙軍はただ皇国を守るだけでなく、将来成されるであろう地球連邦軍宇宙軍創建に備え他国の宇宙に上がれる空・海軍軍人を育成する非常に重要な業務を負っている。
だが、これを従来の幕僚本部制度でやると航宙幕僚長(アンジェラ・サラス・ララサーバル) 及び 航宙幕僚副長(絢瀬絵里)の負担が尋常ではないものになるので外国の軍人を教育する責任者は別の中将に委ねられることになった。
そこで設立されたポストが宇宙軍参事官である。





統合幕僚長

扶桑皇国防衛省には他の省と異なり副大臣が置かれておらず、統合幕僚長が皇軍の最高位としての職務の傍ら、副大臣の役割を果たしている。
自衛隊の統合幕僚長は各省の事務次官・警察庁長官と同格だったが、皇軍の統合幕僚長は副大臣として内閣では遇される。
統合幕僚副長・陸上幕僚長・海上幕僚長が各省事務次官・警察庁長官と同格に遇される。
航宙幕僚長は現職者が元帥たる宇宙軍大将なので内閣では一大臣と同格の発言権を持つが、統合幕僚長の顔を立て、必要以上の発言は慎んでいる。


小さな的を狙え。シャツのボタンを狙えば、ミスは5センチ。だがシャツを狙えば、ミスは50センチ。

「なんと宙幕(航宙幕僚本部)の~防衛部長に~ブービー(海軍兵学校での卒業席次が下から2番目)の穂乃果が~なっちゃいました♪」イェイ ピース

 

「・・・宇宙軍も終わりだな。」

 

「・・・気にしたらそれこそ終わりよジャミトフ。」

 

「・・・なんであの方はよりによってお姉ちゃんを防衛部長に・・・。」

 

 

 

 

1949年3月 扶桑皇国宇宙軍の組織編成により航宙幕僚本部 防衛部長(初代)の地位に高坂穂乃果少将が指名された時の高坂少将の喜びの舞と脇からそれを見ていたジャミトフ・ハイマン大佐(当時)と絢瀬絵里少将(当時)と高坂雪穂中佐(当時)の会話より

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

「で、皆さん。まず最初にやっていただきたいのは・・・。」

 

原作Aqours2・3年一同「「「?」」」

 

「TACネームを決めていただきたい。これをしないことにはMSのIFFの識別コードを発行できません。」

 

「ちなみにTACとはtactical・・・戦術上の、の略でIFFは敵味方識別装置・・・ネウロイか否かを判断する材料となる重要な発信器だ。

TACネームはパイロットに与えられる愛称だ。個人をこれで呼ぶことで無線でわかりづらい名前の奴や同姓同名の奴が部隊内にいても識別が容易になるという利点があるからMSに限らずあらゆるパイロットはTACネームの登録を義務づけられている。

ちなみに所属部隊の名前+序列番号で個人を呼ぶコールサインというシステムもある。

例を挙げれば・・・扶桑皇国宇宙軍 のアンジェラ・サラス・ララサーバル 航宙幕僚長はかの“英雄部隊” メビウス中隊の2番機だからメビウス2・・・みたいな感じになる。

戦闘ではTACネームかコールサインで呼ばれるからそのつもりで。」

 

わかりやすい説明ありがとうシナプス。

 

「外国の軍人にも使い勝手が良いように基本ブリタニア語で設定する必要があります。ちなみに高海さんはもう決定しています。」

 

「ゑ?チカのはもう決まってるの?」

 

「テンジャリン。」

 

「どういう意味?」

 

「蜜柑です。」

 

「うん 良いよ。」

 

「即決だな。三軍の航空隊に同じTACネームが無いか確認しよう。IDデータ確認装置を取ってくる。」教室から出ていく

 

「頼むシナプス。では渡辺さんは何か希望は?」

 

「ハンバーグ!」

 

「食い物か・・・後で確認してみます。黒澤会長は?」

 

「私ですか?よろしければ“セイバー”でお願いしたいのですが・・・。」

 

「残念ながら無理です。MSにその名を冠したものがあります。」

 

兄弟のセイバーガンダムがあるからな。兵器と同一名称のTACネームを認める訳にはいかない。

 

「そうですか・・・。」

 

「ではフェンシング選手のブリタニア語であるフェンサーというのはいかがでしょうか?」

 

響きは悪くないと思う。それにこの世界ではSu-24は開発されていないから兵器名称で被ることはない。

「是非ともお願いしますわ!!」

 

急に元気になったな。

 

「では決まりです。桜内さんは?」

 

「梨子ちゃんはサンドイッチで!」

 

「千歌さん、勝手に他人のTACネームを決めてはいけませんわ!!」

 

「・・・で桜内さん、どうされます?」

 

「・・・サンドイッチで。」

 

千歌ちゃんに流されるんかい。

 

「桜内さんがよろしければそのように取り計らいましょう。小原理事長は?」

 

「マリーは“レモン”が良いデース!」

 

「ではそのように。松浦さん、ご希望は?」

 

「ん~特に無いかな。教育長が決めて良いよ。」

 

相変わらずサバサバしてるな大英雄。

 

「・・・ではターコイズで。その髪色にぴったりですからね。」

 

「良いよ。」

 

あっさりしてんな大英雄。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「で今回私が増設した浦の星の校舎ですが、こちらの3号舎は月火水木曜日、ここが皆さんの家になります。

金曜日の1600以降と土日はお休みでご自宅で過ごして貰うことになります。

曲がりなりにも軍の学校ですから、月火水木は朝0555に起床。その際はシナプスが起床ラッパを吹きます。

絶対に起きるように。だれかが寝坊すると全員連帯責任でグラウンドの鉄棒で20回懸垂をしてもらいます。

そして準備をして0600までにグラウンドに整列、国旗の掲揚、国旗に対し敬礼。

ペットゲン教官の独断とその日の気分で編成された朝の基礎運動を一時間。」

 

「ゑ?ちょっとフロンタル君良い?」

 

「何です高海さん?」

 

「朝ご飯は?」

 

「朝食は基礎運動後の0700からになります。」

 

「(´;ω;`)」 ホー

 

そんなこの世の終わりみたいな顔しても変更は利きませんよ。

 

「授業編成も中学と大分変わります。大学に準じる時間・コマ編成になります。4限・90分制になります。

1限は0820~0950、2限は1000~1130、昼食は2限が終わってから50分間です。

3限は1220~1350、4限は1400~1530、1540~1740を普通科と同様に部活。

1800に国旗が降下されますので国旗に対し敬礼。

その後夕食に一時間。2000から2130は自習。2200に就寝となります。金曜日は4限が終わったら帰宅。

土日は原則お休みとなりますが、稀に社会科見学というカリキュラムで何かしらイベントがあるかもしれませんので宜しくお願いします。」

 

「ここで一つ君たちに課題を与える。尚この課題を来年の今頃までに達成できなかった場合は卒業認定を与えることができないので留意するように。」

 

あ シナプス、お前ここで言っちゃうのね。

 

「「「???」」」

 

「フロンタル大佐の正体を解明しろ。彼は今後1年間諸君と共に生き共に学び君共に空を飛ぶにあたり諸君に対し彼は時々ヒントを与える。それを総合的に分析し、彼が一体何者なのかを当てて見せろ。きつい言い方になって申し訳ないがその程度もできない者は扶桑皇国宇宙軍には必要ない。」

 

「まあ皆さんシナプスの脅しには怯えなくても大丈夫です。考えれば分かることですから安心してください。では早速ですがヒントその1。」

 

「「「!?」」」

 

「私の階級は大佐です。しかし今被ってる略帽のつばをよくご覧になってください。明らかにおかしいでしょ?スクランブルエッグが佐官ではなく将官になってるではありませんか。それに略綬も大陸戦争で各地を練歩いたとはいえ一介の大佐にしては多すぎです。」

 

「「「!」」」

 

「こんな感じでヒントを出していきます。その他にも日常的にヒントはあります。探し出し、分析し、私の正体を暴いてみて下さい。私の正体をご存知の小原理事長を除いてチームプレーも許可しますので頑張って下さい。あと黒澤会長。」

 

「何でしょう?」

 

「貴女と貴女の妹さんはエースパイロットマニアだと伺っています。そして大抵のMSパイロットはそれイコールエースパイロットだということもご存知のはず。聞いたことありますか。“フル・フロンタル”などと言うMSパイロットを?」

 

「・・・いいえ、聞いたことはありません。『男性』パイロットなど、忘れたり勉強不足などありえませんが、覚えはありませんわ。」

 

「当然です。“フル・フロンタル“なんてパイロットはそもそも存在しないのですから。私は私です。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

やれやれ。今日のガイダンスだけでもキツかったな。今日は家に電話する日だ。今回は誰が出るかな?

 

プルプルプル ガチャ

 

「もしもし。」

 

「おぉマリアこんばんは。僕だよ。」

 

今回は我が長女が取ってくれたようだ。

 

「父ちゃん!元気そうで何よりだわ!丁度今浦の星への編入の荷物を纏めてたところなんだ。」

 

「そうだったの。邪魔してごめんね。」

 

「大丈夫。あと母ちゃんはまだ帰って来てない。ガーランド空軍総司令官と何か色々調整をやってるらしい。あぁ そうだ。絵里ちゃんから伝言。『半年後と言わず来週から合流するわ。』だと。」

 

「ファッ!?」

 

絵里ママ暇過ぎだろ!アンジェラも抱え込まないで絵里ママに少しは仕事をやれよ・・・

 

「私も絵里ちゃんについてく形で編入するから頼むぜ父ちゃん。」

 

「・・・わかった。『フロンタルく~ん、夜ご飯できたよ~!』そろそろ夕食らしいから失礼するよ。」

 

「おう。今週末には帰ってきてくれよ。じゃあな父ちゃん。」 ブチッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

夕食後 2100 十千万前 三津海水浴場

 

「ここはいい眺めですね高海さん。」

 

「でしょ。チカは寝られない時はいつもここで心を落ち着かせてから寝るんだ。フロンタル君も寝られない時はそうすると良いよ。」

 

「そうします・・・高海さん、まだ寝るまで時間がありますから話をしましょう。高海さん、教えて下さい。何故パイロットになろうと思ったのか。幼い頃に見た蒼い翼のMSに憧れただけで過酷な訓練に自ら志願するなんて大馬鹿のすることです。他に理由があって然るべきだ。」

 

「単純だよ!入ったら前より輝ける気がしたから!それに過酷な環境で訓練したらチカのなんかしらの眠る才能が開花するかもしれないしって思ったの。」

 

「・・・まさかそんな理由で志願していたとは・・・高海さん、私やシナプス、ペットゲン大佐はそんな貴女の中に眠っている才能を引き出し、輝きを手にできるよう精一杯の補助を約束します。ですが一つ約束して欲しい。」

 

「?」

 

「才能や“何をすべきか“の問いの答えに沿った生き方だけはしないで欲しい。」

 

「・・・どういうこと?」

 

「素質に沿った生業を選ぶということが、必ずしも幸せなことだとは限りません。才能ってやつは、ある一線を越えると、その者の意思や感情などお構いなしに人生の道筋を決めてしまう。 人間そうなったらオシマイなんです。 “何をしたいか” を考えずに、“何をすべきか” だけで動くようになったらそんなのはただの機械、ただの現象です。ヒトの生き様とは程遠い。貴女が憧れた蒼い翼のMSのパイロット・・・メビウス1はその典型例だ。彼は、才能と意思が真逆であるのをわかっていながら、突き進んだ愚か者だ。その才覚は類稀なエースパイロットであり、そこそこ優秀な軍政官であり、途轍もなく悪辣な政治家だった。だが彼は、“普通の人”として“普通に”生きたかったのです。だがその方法を彼は知らない。そしてこれからも知ることは無い。才覚を生かし理想の為にひたすら戦った。“家族”の為、祖国の為、自らに相応しい死に様の為に。貴女まであの愚か者の轍を踏む必要はありません。」仮面を外す

 

「!?」驚く

 

「今後私やシナプスが教えることに矛盾したことを言ってしまって申し訳ありません。ですが、自分を大切にして下さい。お友達の方々と同じ位には。私が言える立場ではないが、貴女に何かあったらお友達の皆さんが悲しみますから。私は壊れかけのただの消耗品。“英雄”だの“王”だのと讃えられたのも最早過去の話。だが貴女は違う。未来ある若者なのだから。」千歌の目を見て右肩をさすりながら言う

 

「・・・うん、約束する。あ そうだフロンタル君、一つだけ教えて。」

 

「答えられるものであれば。」

 

「ダイヤさんから昔教えて貰ったんだけど、宇宙軍のパイロットには腕や足さえも丸ごと再生できる治癒魔法の持ち主がいるって聞いたんだ。フロンタル君はなんで治して貰わなかったの?」

 

「私の腕は諸事情あって治癒魔法では治せません。それにこれは大陸戦争で我が友と初めて共に翔んだ証であり勲章です。手放す訳にはいかない。」

 

この寂しくなった右腕は我が友芳佳と本格的に育んだ思い出、絆の最初の一ページだ。死んでも手放すものか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

なあ 相棒。“正義”って、一体なんなんだろうな?

 

急にどうしたんですか?

 

・・・いや、なんでもない。忘れてくれ。

 

・・・私は

 

 

なんとしてでも護りたいもの・・・だと思います。大義、家族、故郷・・・命をかけてでも護りたいものが正義だと思うんです。お父さんの正義論に思いっきり影響受けちゃったあくまで“宮藤芳佳の正義”ですけど。

 

・・・なるほど。ありがとう芳佳。やはり君は偉大だよ。僕の6分の1も生きてないのにそんな美しく力強い言葉を自信もって言えるんだから。長らく生きてきたが、君の家族にしてもらえたことは僕の人生の中で一二を争う光栄なことだと思っている。本当にありがとう相棒。僕の中にある“護りたい”という思いが贋作でないことを切に願うところだ。




本作のやけに長い題名の話のタイトルには全部元ネタがあります。
気付いた方は是非感想欄に回答していただけると幸いです。
通常の感想もお待ちしております(←でも主は豆腐より脆いメンタルなのでご配慮お願いします)。

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