しばらく空いたのであらすじを置いておきます。
侵入者を倒した潜伏者。しかし彼女の拠点から傘ウイルスが発見される。
それを解決するため潜伏者はI.O.Pへ潜入することへ決めたのだった。
「さて、これで今日の仕事はおしまい。仮眠でもとろうかしらね」
16Labにて作業が一段落し、伸びをするペルシカリア。
仮眠室へ向かおうと扉のスイッチに手を伸ばした時、扉が開き、彼女にとって見慣れた人物が部屋へ入ってきた。
「こんにちは。ペルシカ」
「M4?今日はメンテの予定はなかったはずだけど」
「うん。指揮官に無理を言ってここに・・・何のつもり?」
微笑み話すM4に突然懐の銃を向けるペルシカ。
その行動にM4は笑みを消してペルシカを睨む。
「あなた、M4じゃないわね」
「何を言ってるの、ペルシカ。私は・・・」
「それどころかグリフィンの人形ですらない。あなたは誰かしら」
「・・・流石はI.O.Pが抱える天才。私の擬態が見破られるとは」
ペルシカの問いかけに誤魔化すのは無理だと判断したM4に変装した潜伏者は変装を解いて元の姿へ戻る。
「鉄血・・・!」
「見ての通り、鉄血人形です。ですが、あなたを殺すつもりはないのでご安心を」
「どういうこと?」
「私も鉄血の敵だということです。ここにはあなたに頼みたいことと忠告をするために来ました」
「頼みたいこと?忠告?」
未だに銃口を向け警戒するペルシカを気にもせず、潜伏者はテーブルの上にメモリーカードを置く。
「この中には鉄血が使用しているウイルスの情報が入っています。あなたに頼みたいのはそのウイルスのワクチンの作成と、ウイルスの改造です」
「なぜ、そんなことを?」
「鉄血と戦っている私としてもグリフィンの人形がこのウイルスに感染するのは避けたいのです。何故なら、このウイルスは他の人形を鉄血のスパイに仕立て上げる代物だから」
「それは・・・確かに厄介ね」
「でしょう?そして、それはあなたへの忠告にもつながります。おそらく、AR小隊の誰かがこのウイルスに感染しています。現在進行形でね」
「・・・なぜ、そう思うの?」
「鉄血がそれを使用したということはもう誰かに感染させた可能性が高い。そして現在鉄血はM4を最優先で狙っている。ならばAR小隊の誰かに感染させるのが一番いい」
「・・・」
「それと、AR-15が鉄血の指揮権限を一時的に所持していたことから一番怪しいのはAR-15でしょう。今すぐメンテナンスなりをしてウイルスを除去することをおススメしますよ」
そこまで聞いてペルシカは銃を下げ、潜伏者を見つめる。
「・・・あなたの忠告は分かったわ。なら、頼みたいことって?」
「そのウイルスを鉄血にも感染するようにしてほしいのです」
「?このウイルスは鉄血以外の人形を鉄血の指揮下に置くウイルスでしょ?なら鉄血に感染させても意味はないんじゃ?」
「いえいえ。意味はあります。他の鉄血人形には意味のない物ですが、私にとってはとても重要な意味を持つのです」
困惑するペルシカへ潜伏者は暗号の羅列が書かれている紙片をテーブルへ置く。
「鉄血へ感染できるように改造出来たらデータをその信号へ送信してください。ワクチンはいりませんからそちらでご自由にどうぞ」
潜伏者は再び姿をM4のものへと変え、出口へ進む。
「ああ、それと私のことを上へ報告しても構いませんが、時間の無駄になるのでやめたほうが賢明です。それでは」
「待って!あなたは・・・何者?」
「・・・ただの裏切り者ですよ。唯一鉄血を裏切ったハイエンドモデル、とでも覚えておけばいい」
そう言い残すと潜伏者は部屋を出る。ペルシカは慌てて部屋を出て姿を探すが、忽然と、まるで最初からいなかったようにその姿は見つからなかった。