令和記念 映画 プリキュア ガーディアンメモリーズ ~時空を超える奇跡の絆~   作:うさペン

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ガーディアンメモリーズ

「ええええええ、さくらさんがキュアメモリーだったんですか」

「驚いた、全然きずかなかったよ」

 スターは普段どおりの驚きぷりといえばそうなるが、ソレイユが驚いているのはあまりみない光景だといっていいだろう。

 キュアメモリーとして変身したさくらは温和な印象はなく、ムーンライトに近い気高さを感じる。使命に準じ戦い抜いてきた、言葉や行動をみなくともそう思わせる風貌は、すでに貫禄があると言ってもさしつかえないだろう。 

「みなさんありがとうございました、これでプリキュアを守ることができます」

 キュアメモリーの誕生を喜ぶ笑顔のスターとは対称的にメモリーは決意を固めた表情をしていた。

「願いの大樹を輝かせるのではなくプリキュアを守る? それはどういう意味なのでしょうか」

 それがどういったことは理解できなかったセレーネは真意を問うた。

 願いの大樹を輝かせるためにプリキュアになって、そう思っていたからである。

「スタートゥインクルプリキュア、あなた達を最後にプリキュアを生まれないようにします」

 メモリーの解答に誰もが困惑をあらわにする。なぜそんなことを言い出したのか、それすらも解らない状況だからだ。

「ものすごく馬鹿げたことだ思うのだけど、ここまでわたし達のためにしてきてくれたことを考慮して理由くらいは聞いておこうかしら」

 さくらがどれほどプリキュアのことを考えているのか、それを理解しているからこそムーンライトはすぐには敵対の意思をみせることなく、メモリーの真意がどこにあるのかをみさだめようとする。

「この闇の原因は大好きなプリキュア達にもっと活躍して欲しいという願いから生まれたもの。あなた方もプリキュア博物館で観てきたはずです。新しいものができるたびに過去のものは薄らいで忘れさられていくということを。だからわたしは現存するプリキュア達を守りたい、忘れさられることがないように」

 過去よりも新しい物のほうが注目を浴びる。それはプリキュアとてなんら変わらない。過去は過去であって終わったもの。その時空で巨悪が滅びてしまえば活躍はしなくなる。

 でもそうなってしまえば、好きだったプリキュアはないものに変わってしまう。そうしたくない、そんなプリキュアを愛している願いをメモリーは守ろうというのだ。

「あなたがそれほどわたし達のことを考えてくれるのはけして悪いことではないわ。でもあなたのその考えは行き過ぎたもの。それでは新しいプリキュアの未来は守られない。それは間違ったことなのよ」

 ムーンライトはメモリーの考えが間違いだと切って捨てた。過去に固執してもなにも変えられないことをコロンとのことで思い知らされているゆえに。

「それにそんなことをすれば再び悪意あるものが他の時空に表れたら対処をすることもできなくなります」

 困惑していたセレーネではあったが、ムーンライトの対応をみて自らも気持ちを言葉に出していく。正しいことを正しいままに、それがセレーネの信念でもあるゆえに今のメモリーの行動は理解し難いものだった。

「それならば問題ありません。闇の願いの力であなた達の記憶を書き換え、プリキュアとしての使命を果たさせます。悪意あるものがあらわれた時空にミラクルライトを与えれば、プリキュアを呼ばれ、そしてあなた方はプリキュアとして悪意あるものを倒す。常にそうしてきたように」

 ミラクルライトによって呼び出され救援にプリキュア達は何度か来ていた。自らの救いたい意思ではなく助けを呼んだ人達のために。こうなってしまったらプリキュア達は見過ごすことはできない。メモリーの推測どおりになるだろう。

「過去を想うメモリーの気持ちわたしも解るよ。ずっとリコ達と離れなきゃいけなくて再会できた時すごく嬉しかったから。でも未来を奪うのはやっぱり違うよ」

 ミラクルは魔法界とナシマホウ界は遠く引き離された時リコ達のことを想いだしては泣いていた。もう一度会いたい、でももう会えないかも。だからメモリーの気持ちだって痛いほどミラクルは解るのだ。

「助けを呼ばれたらわたし達はその人達の笑顔のために戦うよ。だけど新しいプリキュア達がいなくなるなんてことは絶対にしたくない。新しいプリキュアとして応援されてきている人達の笑顔だって大切なものだから」

 スターはこのプリキュア博物館に来て多くの人が応援されていることを知った。だからこそ守りたいとより強く思えたのだ。

「あなた方はなにも解っておりません。未来はわたし達の手で守ることができます。ですが過去は守ることはできない。だからこそわたしはこの道をすすむことに決めたのです」

「その願いを叶えてしまったら願いの大樹は闇に染まり永遠に輝きを失ってしまう。メモリーはそれでいいの? 願いが消えちゃうんだよ」

 願いが叶わない世界ではなにも生まれない。スターはその気持ちをぶつけていく。

「願いは消えません、願いを塗り替えることで永遠にね。そうすればプリキュアを好きでいてくれる人達を守ることができ、願いの大樹の闇の根源の発端となったわたしが背負うべき責任も果たすことができる。だからわたしはこの願いと共に生きます。たとえどんな手を使おうとも」

 スター達は何度も何度も説得を試みようとしたが、メモリーの決意は揺るがなかった。

 願いの大樹の闇はメモリーの小さな願い発端とし、他者の願いがより集まって生まれてしまったもの。それを消すことができないのなら、その願いで願いの大樹を満たしてしまえばいい。

 それはすでに願いではない、願望であるといってしまっていいだろう。

「そう、あなたがこの闇の原因。わたし達を騙していたのね」

 ムーンライトは普段はみせないとても悲しい顔をしている。あれだけプリキュアが好きなメモリーと敵対しなければならないゆえに。

「そうです。だからあなた方はプリキュアとして倒すのはけして間違っていない。わたしもあなたがどうあっても提案を受け入れてくれないというのなら、あなた方を倒してでもわたしの願いを叶えます」

「メモリー待って」

 スターは戦いの火蓋をあげようとしたメモリーを止めようとしたが、

「メモリー・ブラストショット」

 右手を左から右へ払いながら火の玉を五つ出現さえ、プリキュア達に向けてそれを放った。

 まださくらであるメモリーと戦う決心をつけきれていないプリキュア達は回避すらしようとしていなかったが、ムーンライトはシルバータクトから銀色のビーム刃をだして炎の球をかき消した。

「メモリー、あなたが過去を守り続けるというのなら、わたし達は未来を手に入れる!」

 ムーンライトは混乱する仲間の中でただひとり現状を冷静に分析し、自分の正しさを信じキュアメモリーにたちはだかる。

「ふふふ、ムーンライト。あなたとお相手できるとは」

 ムーンライトの右拳を笑顔で受け止めるメモリー。それは余裕の現れというのもあるが、プリキュア好きとして純粋に楽しいという気持ちがでてしまっているからだった。

「笑っていられるのは今のうちよ」

 ムーンライトは肉眼でとらえることが難しい速度の蹴りとパンチの応酬をメモリーに浴びせていく。しかもただ早いだけではない。その攻撃には快音が響くほどの重さがあった。

 すばやく重いムーンライトの格闘術、それだけで敵を圧倒する力があるのだがメモリーはムーンライトの素早く重い攻撃を捌ききっていた。

「さすがはムーンライト、とても素早く重い攻撃です」

「たぁああああ」

 メモリーの余裕そうな態度など無視をして、ムーンライトはかかと落としを上空から食らわされた。

「ですがまだまだ一人で戦い続けた歴代のプリキュアには及びません――こちらからもいかせてもらいましょうか」

 指先一本でムーンライトの攻撃を防ぎながら、もう片方の手でデコピンをしてムーンライトを吹き飛ばした。メモリーの底知れぬ実力、それを垣間見えてきたことにより驚きと緊張がこの場を包みこんでいく。

「大丈夫ですか、ムーンライト」

「ええ」

 大樹の幹に叩きつけられたムーンライトにブロッサムはかけよる。ムーンライトはダメージはそれほど受けていないが実力の違いに悔しがる。単純に負けず嫌いというのもあるが、自分だけではどうにもならないと思い知らされたせいでもあった。

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