令和記念 映画 プリキュア ガーディアンメモリーズ ~時空を超える奇跡の絆~   作:うさペン

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激戦&つながる願い

「いきますよ、メモリー」

「ここからが本気の戦いだよ」

 ブロッサム、マリン、サンシャイン、ムーンライトは各自散開しメモリーを包囲する。

「マリンシュート」

 マリンは強化された銃弾のように飛ぶ水弾をメモリーに向けて発射し、

「メモリー・ブラスターエッジ」

 メモリーは炎の刃を右手に形成して水の弾丸をかき消した。

 ただお互い手の内を少しみせた程度かと思われたそのやりとりはマリンの陽動。すでにメモリーの懐へ飛び込みながらマリンはパンチを何度も繰り出し、回し蹴りを決めた。自らの身体の小ささと、プリキュアのパワーと素早さを考慮した連続攻撃、これにはメモリーもたまらず吹き飛ばされる。

 メモリーは大勢を立てなおそうと吹き飛ばされた力を利用してバク転を一回して地面に着地。足で地面を削りながら吹き飛ばされる威力を殺そうとした。

「サンシャイン・インパクト」

 そこにメモリーの背後に迫ったサンシャインが光の力を込めたエネルギーを掌に集め解き放った。メモリーはこの攻撃に対応できず、サンシャインの攻撃をまともにくらい再び吹き飛ばされる。

「はぁああああああ」

 さらにそこへブロッサムとムーンライトが続けざまにタクトから花の力を放出し、遠距離からの追撃を行い、メモリーはその攻撃を防御こそはしたものの態勢を崩されていたからか、手をおおうくらいのことしかできなかった。

 マリン・サンシャイン・ブロッサム・ムーンライト、その連携は針に糸を通すような緻密な連携で、ずっと共に戦い続けてきたからこそのものだ。

「メモリー・ラピッドスタイル」

 その攻撃に対応するためか、メモリーは淡い桜色のドレスが変化、白いルーンが刻まれた草原のようなさわやかな緑色へドレスを変化させた。

「これならば」

 メモリーは風のように疾走し、ブロッサム達の周囲を飛び回る。変わったのはその姿だけではない。風の魔力を重視することでメモリーのスピードはこれまでとは比べものにならないほど早くなっていた。

「これじゃあ動きが捉えられません」

「もう早すぎだよ」

 この動きに対応しようと、ブロッサムとマリンはメモリーを追ってみようとしたが追いつかない。

「サファイアスタイルと似てる」

「マザーラパーパと力の本質が似ているためか、スタイルチェンジも行えるようですね」

 メモリーは原初の力に近く、魔法やスタイルチェンジが扱える魔法つかいプリキュア達と似ている部分が多い。ただし決定的な違いはその力を個人か複数人で扱っているかということ。

 メモリーは二人ではなく一人の戦士として世界を救ってきた。そしてその個人の力は個々のプリキュア達よりも強く、その点が苦戦をしいられる要因になっている。

「メモリー・ブラスタートルネード」

 メモリーは炎と風、二つの属性の魔力をあやつり炎の渦を呼び出し、ブロッサムとマリンを炎の渦に閉じ込めようとしたが

「プリキュア・大爆発」

 ブロッサムとマリンは手をつなぎ、二人の花のパワーを解放することでエネルギーを生み出し、炎の渦をかき消した。

「くそぉおおお、あっちはこっちに手をだせるのに、こっちはあっちに手をだせないなんて」

「マリン冷静になって、個人ではないチームで連携して動けば捕まえられるはず」

 サンシャインは個人ではなくチームでの動きを重視するよう伝達。一人ではなくみんなの力で、それが今のプリキュア達の戦い方だ。

「花よ、舞い踊れ!」

 サンシャインはタンバリンを叩いてひまわり型の小型エネルギー弾を大量に配置し、

「プリキュア・ゴールドフォルテバースト!」

 それらを一気に発射、それと同時にブロッサム、マリン、ムーンライトは接近を試みる。

「メモリー・グランアクア」

 メモリーは高速移動しながらも地と水の混合魔法によって生み出した滝のように勢いがある魔力を帯びた濁流を魔法陣から発射し小型エネルギー弾を消し去ろうとしていたが、ブロッサム、マリン、ムーンライトがタクトからそれぞれの花の力をこめた光弾で魔法陣ごと濁流を消し去った。

 ゴールドフォルテバーストはかき消されることなくミサイルのようにメモリーを追尾。

 高速移動を続けるメモリーは手を払うことで風の刃をだしながら光弾を消していくが、

「やぁああ」

 フォルテバーストの光弾に対応に集中していたため、頭上から迫っていたムーンライトにきずくことなく蹴りをまともにくらった。

「集まれ二つの花の力よ」

 メモリーの態勢が崩れたのを確認するとマリンとブロッサムはタクトの中央部のやや太くなった部分を回転させて先端部分に花のパワーを集め、タクトをふるって光輝く花のパワーを調律

「プリキュア・フローラルパワーパワーフォルティシモ」

 フォルティシモ(ff)とタクトで描いて自らの身体と花のパワーを融合させ、サンシャインが生んだ太陽のエネルギーに侵入

「プリキュア・シャイニング」

 太陽の力すらもその身に取り込んで黄金の輝きをみにまとい

「フォルティシモ」

 さらなる力を得てメモリーへ突撃した。

「はぁああああああ」

 とっさに光の壁を張ってメモリーは防御こそしたものの、太陽と花の力をみにまとったマリンとブロッサムはその壁すらも破壊してメモリーを吹き飛ばした。

 吹き飛ばされたメモリーはまだ立ち上がる気力や体力は残っているものの、かなりのダメージを負うことになる。

 

「やっぱハートキャッチプリキュア達はすげぇぜ!」

「ムーンライト様、かっこいいい」

 キュアチャンネルで戦いの行く末を見守っていた人達も、この戦いを興奮しながら観ていた。

 

「すごいルン」

「これが強化スタイルになったハートキャッチプリキュアの実力」

「次元が違うよ」

「そうだね……本当にすごい」

 ミルキー、セレーネ、ソレイユ、スターは自分達とは違う圧倒的な戦い方に気後れさえしていた。自分達がこの戦いの中でいったいなにができるのか、そもそも介入すらできないでは。実力差があることを認めざるえない状況でどうするべきかを決めかねていた。

「ブロッサム達を応援する、それでいいんですよねスター」

「え……」

「メモリーとの戦いからはじまってから浮かない顔をしてるルン」

「悩むことは間違ってない、少しでも気持ちをさらけだしたほうが楽になれることってあるよ」

 セレーネ、ミルキー、ソレイユは闇の力を退けながらも心がここにないような表情をしていたスターのことをきんかける。

「わたしさ、なにが正しくてなにが間違ってるのかよく解らないんだ」

「メモリーの気持ちも解るルンけど、こころの花を浄化して正しい心に戻すことも間違ってはないと思うルン。現状とれる生き残るための最善の作戦、AIだってきっとそういうルン」

「でもそれって過去を想うメモリーのことを完全に否定しないといけない」

「心と願いはつねに関係性があるもの。心の葛藤をなくしてしまった先にあるものが本当に正しいのかわかりません。けれどゆりさん達の選択も間違いではないとわたしは思います」

「そっか、みんなも悩んでるんだ」

 ミラクル達はスター達の話を聞いて飛来し、皆が悩んでいてくれることに安心感を覚えていた。

 自分や親しいマジカルやフェリーチェだけが悩んでいるなんてことになったらプリキュアとしてそれは正しくないことだと思ってしまっていただろうから。 

「だったらブロッサム達も悩んでいるのかも……」

 そしてブロッサム達もその悩みの中で戦っている、そうミラクルは思うことができた。

「そうルン。悩んで当然ルン! だからスターも目一杯悩んで答えをみつけるルン」

 ミルキーも

「ミラクルもよ。ずっと苦しそうな表情見せられてもたまったものじゃないもの」

 マジカルも

「わたし達はスター達の意見に従う。だから今は手を休めて考えなよ」

 ソレイユも

「モフルンもミラクル達なら絶対、絶対、答えをみつけてくれるって信じてるモフ~」

 モフルンも

「フワもフワ~」

 フワも

「プルンスもプルンス」

 プルンスも

「ですから闇の力のへの対処はお任せください」

 セレーネも

「わたし達が協力すればスターとミラクルの穴を埋めることぐらいはできます」

 フェリーチェも人一倍悩んでいるスターとミラクルに託していく。終わりなき葛藤を超えていくためにも。

「みんな……」

 仲間達の暖かい言葉にスターとミラクルは涙ぐむ。一緒に戦ってくれている仲間がいる、それだけで何杯も勇気をもらえた。

「わかった、わたし考えるよ、これからどうするべきかを」

「わたしだって!」

 勇気を希望に変えるためにスターとミラクルは手をつなぐ。

 奇跡を待つんじゃない、つながりあうことで奇跡を自分達の手でつかむために。

 

 

         *         *         *

 

「さすがはハートキャッチプリキュアですね」

「そのわりには余裕そうね」

 メモリーはスーパーシルエットを前にして苦戦こそしていたものの、焦りは一切感じられなかった。むしろこうなることが解っていたかのようだともいえる。

「まだ奥の手がある、あなた型が強化スタイルになれるようにわたしもなれるのですよ」

 人差し指を天につきあげ、頭上に生み出した魔法陣から流れ星を降らせ

「すべての願いの輝きよ、さらなる力をわたしに、メモリー・スターライトフィナレー」

 淡い桜いろに染まった願いの大樹の花が輝くと

「キュアメモリー・アルティメットスタイル」

 桜色の魔導服が虹色へと変わり、虹色のオーラを常にまとった状態になった。虹色の魔法はすべてのこの世の理を秘めている。それをまとうということはすべての理を支配できる可能性を指し示していた。

「アルティメットスタイルだかなんだか知らないけど、わたし達だってスーパーシルエットになってること忘れてないでよ!」

「同じ強化スタイルならば実力も同じはずです」

 明らかにメモリーが異質なものになったことを感じつつも、マリンとブロッサムはそれに気圧されないように自らを奮い立たせていた。

「本当にそうか試してみましょうか――メモリー・ミラージュストライク」

 メモリーは自らの分身を4つ生み出し、ブロッサム、マリン、サンシャイン、ムーンライト、それぞれに飛びかかっていく。

「分身した!」

「数なら数ってこと」

 分身体はスーパーシルエットになったプリキュアに引けをとらないほどの素早い身のこなしとパワーを持っている。そのうえ魔法の発動で予想できない攻撃をしてくる。。

「く、これじゃあ」

 風の刃によってふいをつかれ、サンシャインが吹き飛ばされ連携すらままならな状況になっていく。

「メモリー・ジャジメントランス」

 さらにメモリーは追い打ちをかけるため、巨大な魔法陣を頭上に生み出し、そこから光の槍を無数に出現させていく。

 プリキュア・ゴールドフォルテバースト、それによってダメージを受けたお返しと言わんばかりの数の槍に対し、ブロッサム達は逃げるか防御するかで対処するしかなかった。

 スーパープリキュア達四人に勝るとも劣らない力。星の願いをまもり守護する使命をその身に背負うことで得た力はスーパーシルエットに並ぶほど強力であることをしらしめる。

 強い、そう感じつつもブロッサム達はその強さに怖気づくようなそぶりはみせない。

「サンシャイン・フラッシュ」

 サンシャインは手をはらいながら無数の光の弾丸をメモリーに発射、ブロッサム、マリン、ムーンライトはその攻撃に合わせてメモリーに接近を試みる。

 作戦はいたってシンプル。相手が魔法を使うというのなら、魔法が発動する前に接近戦をしかけるというもの。かつてデューンとの戦いで高速戦闘と連携で一人の強者相手にも通用する戦いをしてみせた。今回はその再現をしようというのである。

 マリンはメモリーを大きく飛び越え背後に着地、連続パンチをあびせていく。

 メモリーはそのマリンの攻撃に人差し指だけで対抗、小さな手の平サイズの魔法障壁で連打を防いでいく。それどころか

「そこ!」

 マリンの意表をつく回し蹴りを飛び超え、逆に掌に集めた魔力の塊をぶつけようとした。

 光が徐々に近づき、マリンの髪先に触れそうかというところ、

「たぁああああああ」 「やぁあああああ」

 ブロッサムとムーンライトは今にも攻撃しそうなメモリーを逆に攻撃しようと飛び蹴りをしている。事前にマリンの攻撃後の隙を埋める形で連携を組んでおき、仲間のピンチをチャンスに変えようというのだ。

「くぅううう」

 メモリーがいくらアルティメットスタイルに変化したとしても、攻撃している最中に対応できるわけではなく、まともにブロッサムとムーンライトの蹴りを受けた。

 そこそこの痛みと衝撃、それを甘んじて受ける形になりはしたがアルティメット化したことで防御能力も高くなっており攻撃を耐えることができた。

「プリキュア・フローラルパワー・フォルティシモ 」

 ブロッサムとムーンライトは吹き飛ばしたメモリーを追撃するために、花の力をまとった突進技でメモリーに迫る。

“パン”

 しかしこうなることをすでに予想していたのか、メモリーは手を叩き

「メモリー・フォースエレメント」

 火、風、水、地、すべての属性を付与した魔力砲を発射した。

 お互いの必殺技同士がぶつかりあい、衝突しあったエネルギーによってピンク色の巨大な爆発が起きた。

「くぅうう」

 突進による攻撃は自らの身体をつかったものであるため、超大なエネルギーの爆発の余波をブロッサムとムーンライトは受けていた。メモリーは遠距離からの魔力砲による攻撃であるため無傷。接近戦に有利をとれるハートキャッチプリキュア達と、遠距離で有利をとれるキュアメモリーアルティメットスタイル。得意な距離こそあるものの、両者の実力は拮抗していた。

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