令和記念 映画 プリキュア ガーディアンメモリーズ ~時空を超える奇跡の絆~ 作:うさペン
ブロッサム達とメモリーの戦いの中でスターとミラクルは考えを巡らせはしたものの、この事態を急転させる方法をみつけられずにいた。
しかし不思議と焦りはなかった。二人の体温が暖かさが焦りを消してくれる。
「ねぇ、スターは普段悩んでる時どんなことしてた」
「星をいつも見上げてた。心が澄んでとても暖かくなるんだ」
悩みがある度にスターは星空をみあげ、その星に心を委ねることで再び心をときめかせてきた。
「じゃあ星を見つけよっか。あそこ! 観える場所があるよ!」
ミラクル達は星空を観られる場所を発見。闇の力が侵入した部分には空洞となっている部分があり、そこから星空の光が木漏れ日のように差し込んでいた。
「きれいだねぇ」
「うん」
スター達は星空をみあげながら、星空に気持ちを溶かし悩みや葛藤をより純粋なものに変えていく。暗闇の中で光輝く星をみつけることができたのだから。
「スターはなんで星が好きなの」
「ずっとずっと遠い場所からわたし達を照らしてくれて、つなぎ合わせることで星座としてまた違う顔をみせてくれるからかな」
「それってすごいわくわくもんだね!」
「そう、そんなわくわくがたくさん詰まってる、遠くて届かない何億光年経った光……あ、そうだよ、わたしの好きも過去にあったんだ!」
スターはミラクルとの会話で星の本質を見直し、自分の好きが過去にもあったことにきがついた。星は遠い過去から届いた光、それはこんなにもわくわくさせてくれる。
だから過去の好きを諦めたくない。ずっと輝かせていたいと思うことができるんだ!
「答えはみつかったんだ」
「うん! わたし星が好き。過去の光をみることできる星が。だから過去を想うメモリーの願いも輝かせたい!」
星の輝きを観れるのは過去の光がわたしにも届いているから。それを過去の記憶と似ているのだとスターは捉えた。だから好きの気持ちを大事にしたい、もっと輝かせたいと思うことができるのだ。
「やっぱり好きの気持ちって諦めきれないよね。わたしも星座をみるスターのようにわくわくする気持ちを大切にしたい。だから未来を守ろうとするブロッサム達の気持ちも解るんだ」
ミラクルもそんなスターをみてわくわくする自分の気持ちを信じ、ブロッサム達のことも肯定をする。未来を守る気持ちはあって当然だと思うことができる。
「好きの気持ちを諦めきれない……それってメモリーも同じなのかな」
「きっとそうだと思う」
「だとしたらそれは過去だけじゃなく、未来のことも含めてってことにならないかな」
「え、でもメモリーは現存しているプリキュアを守るって宣言してたけど」
「ミラクルをみて思ったんだ。プリキュアあるあるを語るメモリーもわくわくしてた。そうだとしたらプリキュアの誕生にだってわくわくしてたってことにならないかな。わたし達のように」
プリキュアになれた時、スターもミラクルも戸惑いはしていたがわくわくはしていた。これからどんなことができるのかって。それは観ている側のメモリーにとってもそうだったはずだと。
「そうだよ、メモリーにだってその気持ちはあるはずだ」
「そしてその気持ちは簡単に否定できるものじゃない!」
「だとしたらメモリーはプリキュアの使命のために動いているということもあるのかな?」
「うん、絶対そうだ」
今ならばスターはメモリーがプリキュアの使命のために動いているという確信が持てた。それはミラクルがいてくれたから、つながれたから得られた答えでもある。
「じゃあこの好きの気持ちを伝えればみんな納得してくれるのかな」
「ただ好きってだけじゃ納得してくれないと思う。きっと理解はしてもらえない。だから理由を探したい。どうしてメモリーがそこまでする必要があるのかを」
「それならば答えられることがあったら答えよう」
「この声、妖精さん!」
メモリーについてもう一度改めて考えようとしたとき、封印の扉で戦った妖精が直接脳内に語りかけるものがいた。
「さよう。我らはなんじのメモリーに対する想いによって語りかけることができた。礼をいう」
妖精達はメモリーの気持ちを尊重しながらも、それに相反する考えを持っている。それゆえに願いを通じスターとつながることができた。
「この空間で語っていては決着がついてしまうかもしれん。強く願いを持ちし者たちよ、我らの世界にまで来てはくれないだろうか」
妖精の言葉の後に白く渦巻く時空の穴が出現し、その時空の穴にスター達は侵入した。
「待っておったぞ、スター、ミラクルよ」
星空のみが存在する異空間で、封印の扉の中で戦った妖精達は翼を広げスターとミラクルを迎えいれた。
「妖精さん、メモリーは本当に現存するプリキュアを守るためだけに行動しているの?」
「あやつの真意は我らも解らん。ただ、解ることだけを話そう。封印の儀式を用意したのはメモリー自身だ」
「え、妖精さん達がメモリーをなんらかの理由で封印したんじゃないんですか」
「それは違う。メモリーはメモリー自身の意思で力を封印することを望み、我らにメモリーストーンを預けた。プリキュア以外は手を出せぬように」
「でもどうして」
「自らの願いに強く反応して闇の力を生み出していることにきずいたからだ」
「現存しているプリキュアを守りたいという願いのことですよね」
「さよう。そしてメモリーは自らの力を封印することでその願いの力を抑えこもうとしたのだ」
メモリーにとって願いとは呪いのようなものに変質していってしまったもので、それは責められるべきことではない。ただどうしようもなく純粋であったというだけのことだ。
「少し疑問があるとすれば、なぜわざわざミラクルライトを扱う試練を設けたのか。メモリー自身の目的を達成するだけならばそんなことせずともよいはずなのにのぉ」
「試練って本来はしなくてもよいものなんですか!」
妖精のふとした疑問にスターは驚く。する必要のないことをさせた。そこには大きな意味があるはずだから。
「さよう。封印の扉の前でプリキュアが来たことを認証するだけでよいのならばすぐにでもできたことだ」
「でもメモリーはそれをしなかった。ミラクルライトをより上手くわたし達に使わせるために」
「それってわたし達は強くなることを望んでいたってことになるのかな」
「そうだと想う。だけどもっと理由があるはず……もしかしたらメモリーは自分の心を輝かせるためにわたし達に試練を。だからハートキャッチプリキュアを選んだのかも」
「スターそれってどういうこと」
「メモリーは倒されるつもりで勝負を挑んでる。だからこの試練を設けたんだ。より確実に自分が敗北をするために」
「でもそうなっちゃうと、メモリーは過去よりも未来のほうが重要だって思ってることになるよ。そうは見えなかったけど」
ミラクルの疑問は最もだ。今のメモリーをみて敗北しよう等と考えるのは難しい。スターだから、果てのない宇宙のような想像力がなければ疑問に思ってもその真意にはたどりつけなかったであろう。
「メモリーは強い願いこそあれど、新しいものはもてはやされ過去は過去として追いやれる、その理には納得しておったようだ。あやつも新しいプリキュアが誕生することを自分のことのように喜んでおったよ」
かつて、さくらさんとして新しいプリキュア達を応援している姿を妖精達はスター達へ見せていく。
「すごい好きだって伝わってくる。わたし達のこともこんなに応援してくれてたんだ」
自分のことを応援している姿に、ミラクルは涙をうるませる。未来を望んでいないなんてことはない。メモリーも未来に希望をもっているはずなのだから。
「メモリーは新しいプリキュアが生まれることも喜んでくれていた。けして過去ばかりをみたいわけじゃない」
「輝く未来もつかみたいと思っている。プリキュアとしてだけじゃなくさくらさんとしても」
「そのためには闇の力、それが生まれないようにしないと」
「そのための力はすでになんじらは持っておる」
「ミラクルライトのことですよね。でもより大きな力を得るためは願いが一つにならないとたぶん闇の力には勝てない」
「ブロッサム達だって説得する必要があるよ」
ミラクルライトの力であれば乗り越えられ可能性があると、薄々は感づいていたスターとミラクル。もっと願いを、もっとみんなが想う理想の形をそのために探していく。
「一つだけ忠告しておくべきことがあるとすれば、闇の力を消せたとして、メモリーのこころを本当の意味で救われなければまた大きな闇が生まれるだけだ」
「そのためには過去も未来も救えってことだよね」
「さすがはプリキュアだ。その諦めない心さえあればこの苦難を乗り越えることができるであろう。頼んだぞ、メモリーをこの世界を」
諦めない心がプリキュアを強くしていく。
過去のため、未来のため、友達のため、多くの応援してくれる人ため。
スターとミラクルは再び、元の世界へと戻った。