令和記念 映画 プリキュア ガーディアンメモリーズ ~時空を超える奇跡の絆~   作:うさペン

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過去と未来が交わる時

「これがメモリーの本気」

「それならばこちらも全力でいくまでよ」

「はい!」

 メモリーとの戦いの中で、このまま状況が長引けばどうなるか解らないと考えたブロッサム達は、

「花よ咲き誇れ」

 ハートキャッチミラージュに花のパワーを送り、自らが持っている最強の技でメモリーに対抗しようとする。

「やはりそうきますか。ならばこちらもその力に応えましょう」

 メモリーアミュレットを握りしめ、メモリーは瞳をとじる。

「集いし願いの結晶よ、虹の輝きとなりて降臨せよ、レインボーアロー」

 願いの輝きが光となって結集し巨大な虹色の弓となり。

「記憶の中に眠りし願いの輝きよ、閃光となりて煌めけ!」

 瞳を開き、ハートキャッチオーケストラを撃つ準備をしていたブロッサム達に狙いを定め、願いの輝きを虹色の魔力に変えて収束させ、

「メモリー・アルティメットレインボーバースト」

 収束した虹色の魔力を解き放った。

「プリキュア・ハートキャッチオーケストラ」

 それと同時にブロッサム達はハートキャッチオーケストラを発動させた。

 虹色の魔法アルティメットレインボーバースト、巨大な花の女神が鉄拳を下すハートキャッチオーケストラ、その力のぶつかりあいは通常の必殺技同士のぶつかりあいを遥かに超えたエネルギーのぶつかりあい。

 その余波によって空間にひずみが生じ、周囲の闇の力がかき消されてしまうほどだった。

「互角」

 均衡した力は拡散し、お互いに消滅。この一撃では決着がつくことはなかった。

「これじゃあメモリーの心を輝かせることはできない」

「もっとわたし達にも力があれば……」

「無限シルエットがあるじゃん」

「だめよ、あの力はこの場所で使うには大きすぎる力。宇宙空間でなら使えるかもしれないけれど願いの大樹を傷つけることはできないわ。それにメモリーが無事でいられる保証もない」

 デューンは星と同じくらい大きな存在であったが、メモリーはそれとは比べものにならないほど小さい。あくまで目的はメモリーを倒すのでなく、その心を救うこと。そうでなければプリキュアの使命を果たせたとは言えない。

 

「プリキュア~諦めないで」

「まだきっと方法があるはずだよ~」

 キュアコンタクトからミラクルライトを振るって応援する人の声と姿が映像となって現れる。

「なんでいきなり映像が」

「もしかしたら願いに反応して応援の声を届けようと願いの大樹がしているのかもしれません」

 

「みつけた、もっと強い攻撃をできる方法を」

「え、それは」

「メモリーは願いを力に変えてわたし達の力と並びたっていた。それを同じことをわたし達がするの」

「ミラクルライトですね」

「そう、わたし達には次元を超えて願いを集める力があるわ」

「そういうことならまかせるですぅう」

「キュアチャンネルのみんな。プリキュア達のピンチを応援して欲しいですぅ!」

「ですっ!」

 シプレとコフレはキュアチャンネルで配信を観ている人達へ呼びかける。

 

「メモリーを助けてあげて!」

「マリンファイト!」

「サンシャインさま~!」

「ムーンライトォおおおお」

「ブロッサムゥウウ」

「プリキュアアアアアアア」

 ミラクルライトを振って時空を越えて願いが集まっていく。

 その一つ一つの輝きはとても小さなものだ。だけどその輝きは集まることで大きな、とても大きな力へと変わっていく。

 

「メモリー、あなたの気持ちも理解はできます。こうして応援してくれる人の声でわたし達はつながって強くなれているから」

 サンシャインは集まっていく巨大な願いの輝きをみつめ、応援くれている人がいることはともて大きな支えであることを

「けど、わたし達は未来にだって進まないといけないの!」

 マリンは未来が大切なことを、

「過去をどんなに思ったとしても変えられないこともあるから」

 ムーンライトは変えられないものがあることを

「わたし達はプリキュア。プリキュアとしての使命を果たします!」

 そしてブロッサムはプリキュアとしての使命を大切にすることを伝えていく。

 強い意思と、願いの輝きは強く反応し、大きな力となっていく。

「そのためにわたしを倒す必要があるのなら全力で迎えうちましょう」

 現存しているプリキュア達を守るためにメモリーはプリキュア達の説得には応じない。彼女にも守るべき信念がある。そのためならばたとえ傷ついてでもいい、そのためならば……

 交差することの二つの願いを抱えたまま戦いは終局へ向けて歩み、メモリーが嬉しそうに笑ったそのとき、

「待って!」 「待ちなさぁああああい」

 スターとミラクルがブロッサム達とメモリーの間に立ちはだかった。

「そこをどきなさい」

「どかないよ。きずいたからメモリーの本当の気持ちに」

「プリキュア達に倒されるためにわざと戦いを挑んでる。そうだよね」

「今も倒されそうってときなのに、笑ってた」

 スターをミラクルは妖精との会話でしりえたことを軸にして、再度説得を試みる。今度はみんなの願いを一つにするために。

「そんな、そんなことは」

 メモリーは戸惑いながらも心の扉を閉ざしたままでいる。けして暴かれてはいけない。暴かれてしまえばプリキュアとしての使命を果たせなくなってしまうから。

 そんなメモリーにスターは光輝く遠く離れた星空をみつめながら語り始める。

「星の光ってね、本当はすごくすご~く遠い過去に輝いたものなんだ。わたしはそれにすごくすごくときめている。それってプリキュアをみてるメモリーと同じ気持ちだなって感じてる」

「わたしも大切な人達がいなくなってはじめてきずいたことがある。遠く離れてしまっても、たとえそこにいなくても、好きな気持ちはまた会いたいって気持ちは消えなかった。そしてそれが出会いをつくる魔法になるの!」

 スターもミラクルもたとえそれが過去のものであったとしても好きであるという気持ちを持ち続けていた。だからメモリーのことを理解し歩みよることができる。

 プリキュアではなく、一人の大好きを知っている人間として。

「だからなんだというのですか。あなた達に共感されようが信念は変わることはありません」

「わたしはそうは思わない。だってメモリーの中にもあるって解ってるから、わくわくする気持ちがあるってことを。お願い、ミラクル」」

「キュアップ・ラパパ、メモリーの記憶をみんなの中に呼び覚まして!」

 ミラクルは魔法を唱え妖精達が観せてくれたメモリーの記憶。それをみんなに見せていく。

「卑怯だよね、新しくプリキュアが生まれた時の記憶を見せるなんて。でもそれでメモリーが自分自身の本当の気持ちと向き合えるならそれでいい。これがわたしの使命、わたしの覚悟だよ!」

 言葉で届かないなら思い出を届ける。たとえそれが卑怯だと思われても、ミラクルはミラクルにしかできない方法でメモリーの心を成長させようとしていた。

「わたし達はスターやミラクルほど大好きな気持ちを持ち合わせてはおりません」

 それはセレーネも

「それでもその気持ちはとっても大切なものだって解るルン」

 ミルキーも

「だってこんなにも二人がきらきらを輝いているから」

 ソレイユも

「ミラクルのことがわたしだって大好きだから」

 マジカルも

「わたくしも」

 フェリーチェも

「モフルンもモフ~」

 モフルンも同じだ。自分一人では大好きな気持ちが解らなくてもつながることで解ることができるから。

 

「メモリー、わたしはあなたは間違ってないと想うよ」

「以前のプリキュアが活躍してるとこみれて嬉しかった。だからメモリーのこと応援するよ!」

 願いの大樹もキュアチャンネルをみている人の様子をキュアコンタクトを通して写しだし、キュアチャンネルで応援している人々の声も届けた。

 願いが、心が、その大好きな気持ちが世界を輝かせていく。

 

「やさしくしないでください、理解なんてされてなくていい。ブロッサム、マリン、サンシャイン、ムーンライト、あなた方はわたしを倒してくださるのですよね?」

 メモリーは抗うようにして言葉を振り絞る。もうそれしかすがるものがないがゆえに。

「それはもう無理です」

 けれどサンシャインは、

「わたし達だって知ってるもの! 過去と向き合う大事さを」

 マリンは、

「あなたを本当の意味で笑顔にしなければならないということを」

 ムーンライトは、

「メモリー、わたし達にあなたのことを本当の意味で救わせてください」

 ブロッサムはメモリーの真意にきずき戦う気をなくしていた。

「なぜメモリーはわたし達にそこまで倒されてようと思っているのでしょうか」

 そしてメモリーの本当の真意を問いただしていく。本当の願いを知るために。

「もう隠していても無駄ですのでお話だけはしておきます。わたしの本当に守りたいものは過去ではなく未来。プリキュアの使命を守るためにそうするしかなかったからです:」

「え、なんで。メモリーは過去を守りたいんじゃ」

 その言葉に当然のようにマリンを驚く。なぜ逆のことを言ったのか理解ができないからだ。

「正確に言えば守りたかったといったほうが正しいでしょう。しかしその選択をとるようなことはできなかった。過去がなくならなければプリキュアは生まれてこないから。あなた方はなぜ現存するプリキュア以外はいないのか、不思議に思われたことはないでしょうか」

「不思議って言われても……」

「ちょっとスケールがでかすぎるかも」

 スターとミラクルは予想だにしない言葉ではあったが、メモリーが奥底に隠していた願いを聞けることをまず喜ばしく思っていた。

「そうでしょうね、少しスケールの大きな話かも知れません。ですがこれは本当の話、過去のプリキュア達がいないのはプリキュア達は役目を終えることで次代のプリキュアに力を託し引き継いでいく必要があるからです。だからわたしはハートキャッチプリキュアに倒されることで心の花を浄化してもらい、過去を想う気持ちをたちきることで次代のプリキュア達を生み出そうとしました。だからお願いします、わたしの過去を断ちきってください」

 涙をこぼしながらメモリーは訴える。常にプリキュアを生み出すために過去とは決別せざるおえなかった。それなのに今はそれを自分自身の手で行えなくなってしまっている。

 だから誰かにすがる。自分の好きを消してもらい、プリキュア達を本当の意味で在俗させるために。

「メモリー、好きって気持ちをなくそうとなんてしなくていいよ」

 そんなメモリーの言葉をスターはやさしく否定する。好きがなくなるは悲しいことだと知っているから。

「ですがこのまま放っておけば闇の力は増幅し続け世界を飲み込んでします」

「大丈夫! そんなことはさせないよ。過去も未来も受け入れる、それがわたし達プリキュアだよ。だからメモリーも一人で背負いこまないで。一緒に過去と未来をつかもうよ!」

 スターはメモリーを抱きしめ、その想いや願いを受け入れていく。その願いを守るため、その願いを叶えていくために。

「スター、それは理想論です。過去と未来は相反するもの。だからこそわたしは両方を選ぶなんてことはできなかった」

「ねぇ、メモリーはどうしてプリキュアは個人ではなくチームとして活躍するようになったと思う?」

「それは共に歩むべき二人のほうが強い力を生み出すことができるからだと思います」

「わたしはね、たぶんなんだけど二人で、いやみんなで背負えば乗り越えられることがあるからだと思う。わたしもそうやって苦難を乗り越えてきた。願いの大樹だって過去のプリキュアを残していきたい、そのためにプリキュアをつなげるためにミラクルライトを生み出した。だからきっと乗り越えられる。願いは叶えるためにあるもの、だからいっしょに叶えようよ」

 理想論かもしれない、希望的推論であることは解っている。それでもプリキュア達はその願いの中で奇跡を起こし続けてきた。

「いいのでしょうか、わたしは変わってしまっても、過去と未来を願ってしまっても」

 メモリーの不安な気持ちを

「いいに決まってるよ! メモリーとの出会いは奇跡を起こすためにあるものだもん」

 ミラクルは

「最弱だって言われたわたしが変われました。だからメモリーだって変われます」

 ブロッサムは

「だからメモリー自分の気持ちを信じて」

 スターは取り除くために、自分の信じる気持ちを伝えていく。

 

「メモリー、メモリー、メモリー!

 プリキュア達だけではない、キュアチャンネルを観ている人達もミラクルライトを振りながら、変わろうとするメモリーを応援した。

 

「わたしは、わたしだって、過去も未来を守りたい。みんなといっしょにつながっていたい!」

 メモリーは本当の願いを叫び、心の扉を自らの手で空けていく。

「これは、心の花がきれいになっていくですぅううう」

 プリキュアの力がなくとも心を変えることができる。みんなとのつながりが心を変えるきっかけを与えたのだ。

「それじゃあ闇の力は消えたってこと」

「いいえ、まだ闇の力は残っています。願いがわたしから独立したことによって葛藤が消え、願いのままに強く広がり続けることでしょう」

「まだ完全には危機は去っていないということですね」

「申し訳ありませんがプリキュアの皆様方、勝手なお願いで申し訳ありませんがわたしに力を貸してください」

「もちろんだよ、メモリー」

 メモリーは自分の願いで最悪の状況を引き起こしていることを自覚こそしてはいるが、不思議と絶望はしていなかった。それは心強い仲間達がいるから、自分の願いを信じているからだ。

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