令和記念 映画 プリキュア ガーディアンメモリーズ ~時空を超える奇跡の絆~ 作:うさペン
プリキュア博物館はそれぞれのプリキュアごとに展示がされており、ひかる、みらい、つぼみのチームは一番展示フロアが多い“スタートゥインクルプリキュア”のフロアにいた。
「博物館にご来場のみなさま、本日はご来場まことにありがとうございます。これより本物のプリキュアさん達がご来場し展示物を観て周ります。道をお塞ぎにならないようご協力のほどよろしくお願いいたします」
と博物館でのアナウンスがされると、
「わぁああああああ、本当のプリキュアさん達だ」
「キュアスターだぁああ」
「ミラクルやブロッサムもいるなんて、すごすぎっす」
プリキュアを一目みようと多くの人が集まってきた。
そんな観衆たちにひかるとみらいは大きくてを振って歓迎の意思を表し、つぼみはその姿をみて恥ずかしそうに手を振っていた。
「ではまいりましょうか」
キラキラと星のような眼差しで観てくる来場者を背に、さくらが案内をしつつ展示物をみていく。
どんな理由で戦い、どんな世界で生き、どんな事があり、どんな敵がいるのか、大きなパネルや映像を使って紹介されている。
「これ、わたしだよ、わたし。キラやば~☆」
キュアスターの等身大パネルの横でひかりは満面の笑みでピースをしている。ちょっと有名人かも、そんな体験をしたことのないひかるにとってはとても嬉しい出来事だったようだ。
「うう、わたし達のときもこのような形で紹介されていたのですか」
「はい。とっても人気でしたよ」
「うう、想像するだけで目がまわりそうです」
つぼみの場合は紹介されていたことを知って急激にはずかしくなり、腕全体で顔を覆いゆらゆらと揺れていた。
「へぇ~ひかるちゃんはフワを守ろうとしてプリキュアになったんだね」」
「いやぁあの時は無我夢中だったけど、宇宙に飛び出しちゃうなんて今思うとすごいことしてたよ」
顔を緩ませ頭をかきながらひかるは無茶をしたことを振り返る。
ひかるはノットレイダーからフワを守るためになんの装備もつけずに宇宙空間に飛び出した。あの時はフワの力によって宇宙空間でもなんともなかったが、宇宙空間は生きることが難しい場所、そのことを痛いほどわかっているひかるにとってはかなり無謀なものだとは自覚しているようだ。
「わたしは、わたしはね! モフルンを落としたことに気付いて助けてくれたリコのためにプリキュアになれたんだ」
「モフルンって、みらいちゃんと一緒にいるクマのぬいぐるみのことだよね」
「うん。小さい時からずっと一緒にいたんだ。だからねすごい大切で、その大切なものを守ってくれたのがすごい嬉しかったんだ」
「モフルンとのつながりがすべてのはじまりだったんですね」
「つぼみさんはどうしてプリキュアに」
「わたしの場合は心の花をしおらせたえりかを助けるためにプリキュアに変身しました。変身後もプリキュアの中でも最弱って言われちゃうほどで大変でしたけど……でも、あの時プリキュアに変身できたからこそ、今のわたしはすごい輝くことができました」
「じゃあ同じだね! プリキュアになれて毎日がキラキラ輝いている。これってプリキュアあるあるなのかな」
「そうかもしれないですね」
どうやってプリキュアになったのか思い出を語り、共有しあい、プリキュアとしてのつながりを強くしていく。プリキュアだからこそ語れるプリキュアにあるあるが、違う時空のプリキュア同志を深く結んでいる瞬間は笑顔が絶えないものだった。
「わたし、プリキュアあるある大好きです!」
にこやかにひかる達の話を聞いていた、さくらは我慢ができず好きの気持ちを届けた。
「さくらさんもですか?」
プリキュアでないさくらさんがどうしてそこまで好きといえるのか。ひかるはその理由があまりよく解っていないようで首をかしげていた。
「はい! だってプリキュアたちが誰かを助けるたびに観ている側も心が輝くんです、とても前向きになれるんです。だからプリキュアが大切にしているプリキュアあるあるがとっても大好きなんです」
大人だと思っていたさくらさんのプリキュアが好きでたまらない、そんな気持ちが溢れでるほどの子供のような笑顔をみて、こんなにも大好きに思ってくれていることをひかる達はうれしく思い笑顔になった。
プリキュアはそれぞれ違う世界で、それぞれが違う夢を追いながら、戦っている。そこに違いはあれど大切にしていることは変わらない。それがさくらにとって、いや観ている人達がプリキュアに魅力を感じている部分でもあるのだ。
「よ~し、それじゃあ今日はみんなでプリキュアをもっと好きになるためにプリキュアあるある語っていくぞぉ!」
「おぉおおお!」 「お~」 「お~です」
ひかるが右手をかかげ掛け声をあげると、みらいとさくらは同じように、つぼみは小さく右手をあげ掛け声をあげた。
* * *
「ララちゃんって同い年なのに大人なんだ」
「なにルン、その疑ぐり深い目は」
ララ、えりか、はーちゃん、この三人で博物館をまわっているときに、えりかはララが大人かどうかを疑いはじめた。
気の合いそうな同い年の友達、それがララに対するえりかの印象だった。童顔で背も小さくてルンルンいっている宇宙人、えりかがそう思えてしまうのも無理からぬことではある。
「いや、だって全然わたし達と変わらないし」
「年齢はそうかもしれないけど、わたしの星ではそれが当たり前ルン」
「ってことは、わたしもララの星にいけばば大人ってことになるじゃん」
「そんなにえりかは早く大人になりたいルンか?」
「わたしももかっていう姉がいて雑誌の専属モデルやっていてずっと憧れてるんだ。だから大人になってももねぇみたいにナイスでセクシーなほうが絶対素敵しょ!」
「はーちゃんもみらい達の力になりたくて大人になったから気持ち解るよ」
はーちゃんはかつては妖精でみらい達にお世話になっていた。それからエメラルドの力と自ら想いでプリキュアになることができた。
そんな経緯もあるからか、大人になってみたいという気持ちを理解できた。
「そっか妖精からはーちゃんって成長したんだもんね。くぅうううう、はーちゃんみたいにわたしもすぐに大人になりたいよ!」
「プリキュアになれば少しは大人になれると思うけど」
「それじゃあだめなんだよ。わたしはわたしのままで大人になってみたいのよ!」
背伸びをして、天高く拳をつきあげる。えりかにとってプリキュアはまた違う自分の姿。かわいい洋服をきこなしたりするには自らが大人になる必要がある、それがえりかにとっての大人だった。
「だったら大人になればいいんだよ! キュアップラパパ、みんなをちょっとだけ大人らしくして!」
はーちゃんが呪文の言葉を唱えると、は~ちゃん、ララ、えりかの手足が伸び、顔つきが少し大人らしいものに変わった。
「ぉおおお、これはちょっと背が伸びてる」
「そうルン。いい感じルン」
えりかだけではなく、ララもちょっぷり大人になれたことを喜んでいる。実は少し大人にみられていないことをララはきにしていたのだ。
「なんだ、ララちゃんもそんな嬉しそうにして本当は大人になりたかったんじゃん!」
「べ、別にそこまでってわけじゃないルン。ほんのちょっぴりってだけだルン」
「えー本当かな!」
「る、ルルルン」
顎に手をあてながらジト目でみてくるえりかから目をそらそうとしているララだったが、恥ずかしいってだけでまんざらでもないようだった。
「大人になったしなんかいろいろ着てみたいね。よし、コスプレエリアに言ってみようか!」
「はぁあああ」 「ルンルン」
一致団結、ちょっぷり大人になった三人はコスプレエリアへと行った。
「おおおお、めちゃでかいし! めっちゃあるし!」
「歴代のプリキュア達が着ていた服を着れるみたいだよ」
コスプレフロアにはそれぞれのプリキュアごとの服装が展示され、それが試着できるようになっている。
「他のプリキュアの学生服ってだけでも結構違いあるね。うわ、これもすごいかわいいじゃん」
えりかはフロア内をかけまわり、歴代プリキュアの服を見回る。えりかの中にあるファッション魂に火がついてしまったようだ。
「およよよ~他のプリキュアのお洋服もかわいいルン」
「はぁ~」
ララもはーちゃんもえりかほどではないにしろ、プリキュア達が着ていた服を手にとっては楽しそうにしていた。
「おお、これはなつかしい」
「なになに」
「これ、わたし達がフッション部でつくった服なんだ。いい感じしょ!」
ファッションショーをしたあの時のことを思いだしながら、えりかは服を手にとりララとはーちゃんにみせていく。自分のかわいいを届けたい、自分達でつくったからこその気持ちもそこにはあるのだろう。
「うん、すごいかわいい。よ~し、じゃあまずはこれを着ようかな」
「お~嬉しい嬉しい。はーちゃんなら絶対似合おうよ。ララも着てみたいのあった」
「魔女っ子服とかいいルン」
「みらい達のだね! うん、いいね、いいね」
「ふふん、わたしはね、特に気に入ってるやつがあるのだよ」
といいながら、ひときわきらびやかな服だった。
「これはGOプリの天ノ川きららちゃんの服、前からめちゃ着たいって思ってたんだよね。ももねぇと同じでモデルの仕事してるだけあって超かわいいよね!」
黄色ベースの生地の胸まわりにフリルがついた肩が露出したシャツとショートパンツ、ちょっと大人になりたいえりかにとってこれ以上ないといっていいほどの服だ。
「およよよ~星みたいに輝いてる服ルン」
「でしょ~さすが世界のモデルが好んで着てるだけはあるよね。よっしゃあ、まずはこれから着るぞぉおおお」
えりかはきららの服をもって勢いよく試着室に飛び込んだ。
「わたしたちも着替えようか」
「そうするルン」
ララとはーちゃんもえりか達の後に続いて、試着室へと入った。
「どう? めちゃいい感じしょ!」
きららの服を着て、はーちゃんの魔法の力によってちょっぷり大人のえりかはオーラこそはないものの、勧誘を受けるほどのかわいさを内包している。
「うん、とってもかわいいルン」
「大人って感じだね」
「でしょ~ララちゃんの魔女娘姿もかわいいね」
「ちょっとこの不思議な感じがとっても大人ぽいルン」
ピンクの生地をベースに金色の装飾が散りばめられら魔女学園の制服をまとったララは、魔女娘要素が加わり不思議な魅力がある。さらにちょっぷり大人な姿によって不思議だけではなくクールなイメージも感じさせるかわいさもあった。
「はぁ~わたしははどう。似合う? 似合う?」
「はーちゃんも似合ってるよ。うんうん、わたし達がつくった服をちょっぴり大人なはーちゃんが着るからまた違う魅力がでるね。クールな大人イメージってというより、大人のかわいらしさっていう感じしょ」
「大人かわいい、やったあ!」
ファッションショーでつぼみが着ていた青の生地をベースにしたワンピース。スカートの裾の部分に花柄があしらってあり、はーちゃんにとってもマッチした服だった。
「いやぁかわいい服を着るとまた高まってくるね! そうだ、せっかくだしファッションショーでもやろうよ!」
「ええっ!? みんなに見せるルンか?」
「大丈夫、ぜったい楽しいから。行こうよ、ララちゃん」
「しかたがないルンね」
「はーちゃんはもちろんやる気だよね」
「はぁ~やるぞ!」
ファッションショーをやると決めた三人はコスプレフロアにあるステージへとあがっていく。
「みんなぁ~これからプリキュア達3人によるファッションショーを行います! 段取りとか全然決まってなくて着替えにも時間かかちゃうけど観ていってね!」
えりかがファッションショーをやることを宣言すると、館内を歩いていたお客さんが徐々にステージに集まってきた。
「えりかさん達、わたし達も協力します」
「あなた方は」
「ここのスタッフです。曲とか流しますんで存分に楽しんでいってください」
「ありがとうございます。それじゃあ、みんな楽しんでいくぞぉおおおお」
「「「ぉおおおおおおおおおお」」」
こうしてえりかを中心にしたファッションショーが臨時に開幕された。
きらやびかな演出もないけれど、キレイな服を楽しく着ている姿をみれる、それだけで多くの観客をまきこみ、そしてなによりちょっぷり大人になった姿を三人は楽しみつづけていった。