令和記念 映画 プリキュア ガーディアンメモリーズ ~時空を超える奇跡の絆~ 作:うさペン
まどか、リコ、ゆりは歴代のプリキュア達のフロアにいた。
「こういったものが観られるというのも面白いものね」
最近誕生したスタートゥインクルプリキュアのフロアよりも客入りは多くないが。それでも過去のプリキュアの活躍を楽しそうにみている人達はゆり達以外にも多くいる。
「ゆりさんはとても強いプリキュアであらせられたのですね」
「どうかしら、わたしは自分を強いとは思ったことはない。むしろ弱かったと思っているわ」
「たった一人でこころの大樹を守る決意をし、そしてそのための努力を続けてきた。けして弱いなんてことはないと思います」
まどかにとってゆりさんは先輩プリキュア以上のものだと感じっている。自分と同質、もしくはそれ以上か、それはまどかのお父様のようにけして折れることない信念のようなものを見い出しているからだろう。
「それはそうするしかなかっただけのこと。本当の強さっていうのは心の強さからくるもの。父が死に憎しみに囚われてしまった時怒ってくれたつぼみのようにね。もしあのときつぼみがいなければ深い闇にわたしは沈み、ここにはいられなかったわ」
誰よりも思いやりのあるつぼみが傷つけてしまうとわかっていながら心の中まで踏み込んでくれた。そんな心のつよさそが本物だとゆりは伝えていく。
「本当の強さは心の強さ。いつかわたしもそれが解るときは来て欲しいものです」
「大丈夫。あなたにはすでに大切な仲間達がいる。そう焦らずともみつけられるはずよ」
まどかとゆりは後輩と先輩としてお互いの関係を認め合う。お互いにお互いが同質なものを感じとっているからこそ彼女たちには壁がほとんどなかったのだろう。
「なんかゆりさんって先生ぽい感じがしますね」
「あら、まだわたしは高校生よ」
「いえお会いした時からすごいこの人だけオーラが違うなと思っていて失礼でしたでしょうか」「そんなことないわ」
まどかとゆりの距離が近づく中で、リコはそれを遠い眼差しでみつめる。プリキュアであった時よりも成長して先生になった。
「まどかさん、わたしは現役の魔法学校の先生をしているの。わたしにだって頼ってくれてもいいわよ」
先生として良い所みせなければ、そんな想いをリコは爆発させていく。ゆりに対する嫉妬心というわけではないがやはり頼りにはされたかったからである。
「でしたら少しだけ相談をさせてもらいたいと思います。わたしは家のものとしてでしか父との関係はきずけていません。父との関係をどうしていったほうがいいと先生は考えますか?」
ちょっとした授業の悩みだったりとかでも良かったのにと思いつつも、まどかの重たいこの悩みにリコは答えていく。
「わたしの父は優秀な考古学者でね、尊敬もできて周囲からの信頼も厚かった。だけど優秀であるがゆえに毎日が忙しくてたまにしか会えてはいないわ。それは今でも変わらない。でもねたとえ仕事を優先していたとしてもそこに家族としての絆がないわけではない。子供のことを思わない親はいないわ」
「そうだとよいのですけど」
「大丈夫よ。わたしもずいぶんと置き去りにはされて敵同士であったけど、それでも最後は父親としてわたしを守ってくれた。だからきっと大丈夫」
「リコさんとゆりさんの助言、大事に胸の中にしまっておくことにします。いつかそのときがくると信じて」
リコはゆりほどではないにせよ、先生として生徒達の悩みや不安を取り除けるくらいには成長をしている。自分の境遇と似ているからというのもあるのだろうが、それでもリコにとってまどかを励ましてあげることができた、それがたまらなく嬉しいのだ。
「あら、今度は魔法つかいプリキュアのコーナーのようね」
「リコさんの優等生ぷりとくと拝見させていただきます」
話している最中に。歴代プリキュアフロア内の魔法つかいプリキュアのコーナーにさしかかってきた。
プリキュアとしてどんな活躍をしてきたのか、大まかな概要が解る程度でスタートゥインクルプリキュアよりも情報量は少ない。それでもリンクルストーンの紹介、いちごメロンパンのこと、魔法つかいプリキュアの世界観を伝える展示にはなっている。
そこにはリコの紹介も当然あった。
『優等生だけど、実は意外と抜けているおちゃめさん』
と、小さな子ども達でも解るほどの大きな字でかかれたあと、
「わたし落ちてないから!」 「計算通りだし!」
よくリコが言っていたセリフ。見栄っぱりな性格で失敗を隠そうする優等生になりきれない部分が最高にかわいいぞ!
と、書かれていた。
「リコさんって抜けてる部分があったんですね!」
優等生でしかないと思っていたリコは抜けているところがある。まどかがそれを知ってテンションが高まったのは共感できると思えたからであろう。まどか自身もそれほどパーフェクトな人間ではないからだ。
「いや、これはなにかの間違い。わたし本当に落ちてなかったし」
掌を広げ、待て待てといった身振りをしながらリコはこの事実を否定する。
まぁ実際は落ちていたのだが、リコ的にはかっこいい先生のままでいたいので否定したくなる気持ちのほう強くでてしまった。
「それはどうかしら。少なくともこの博物館にかかれていることで間違った部分っていうのはないように思えるわ。さくらさんのチームの分け方も的確だったわけだし」
「それでも落ちてないんです! なんでこんな紹介のされかたを」
おでこにシワができそうなほどリコは目をぎゅっとさせ、この説明の仕方に納得していないようだ。
「大丈夫です、わたしも疲れていると気が抜けてしまって靴下を間違えてしまった時はありますので」
なんとかリコを落ち着けようと、まどかは手をもじもじと動かしながら恥ずかしそうにフォローするのだが
「まどかさん、そこに共感されても困るのだけれど」」
「すいません」
それは逆効果。余計なことまで言ってしまったことを自覚し慌ててまどかは口を塞いでいた。
「あ、リコ達だ!」
リコが不満げな声を聞いたからではなく単にこれは偶然。このタイミングでひかる達とまどか達は合流をした。
「み、みらい!」
「どうしたのリコ、そんなに驚いた表情して」
「なんでもないわ」
「みんな何をみているの」
「魔法つかいプリキュアの展示についてみているところです」
「今、魔法つかいプリキュアっていいました。あ、本当だ。ひかる、つぼみ、さくらさん、みてよみてよ、わたしがいるよ」
手招きしてひかる達を誘うみらい。
「うわぁああ、本当だ」
「はい、みえてますよ」
すっかりひかる達とも打ち解け、持ち前のわくわくする気持ちはこの博物館でも健在だった。
「へぇ~リコさんって意外と抜けてるとこあるんですね」
ひかるがリコの以外な一面に驚きつつも、まどかと似ていると思っていた。
「うん、杖から落ちたりする以外にもたくさんあったんだ!」
「ちょっとみらい! そこは否定する所でしょ」
「ええ、でも本当のことだよぉ。そういうリコもわたしはいいなぁって思ってるのに」
「そ、そう……じゃなくて。ここはわたしのメンツを保つ場面でしょ!」」
「そっか! みんなリコってね、いろいろ抜けてるとこあるけど、すごいとこいっぱいあるんだよ。わたしの大事なモフルンを助けてくれて、その後もずっとずっとわたしのこと助けてくれたんだ」
みらいがリコをもてはやすのをみて、ゆりとまどかは目をあわせ、
「リコさんさすがです」
「そうね、わたしもさすがだと思うわ」
みらいの言葉に続いてリコをおだてる作戦にでた。このままリコを放置しておいても収集がつかないだけ。それならばこの気にじょうじてみらいに任せてしまおう。それが本物の優等生だからこそとれるしたたかな作戦だった。
「ほら、みんなだってリコのことすごいって言ってるよ」
「ふふん、そんなの当然じゃない。だって魔法学園の校長になるんだもの!」
おだてまくったおかげもあって、リコは胸を張るほど上機嫌になった。
まどかとゆりはそんな姿をみて、すこし変わった優等生だと内心思わずにはいられなかった。
「リコ、一緒にみてまわろうよ」
「もうしょうがないわね」
「あれみてみて、氷の山ではじめておしくらまんじゅうしたよね。すごく楽しかったな」
みらいはリコの腕を組んで展示物をみながら思い出を語りあっていく。どれだけ月日が経とうとも仲の良さというのは変わってはいないようだ。
「なんとかリコさんも落ち着いてくれそうね」
「そのようです」
そっと胸をなでおろす、まどかとゆり。こういった部分まで二人は似ているようだ。
「まどか、ゆりさん、わたし達も一緒にまわりましょう」
「さくらさん、せっかくチーム分けしていただいたのにいいのかしら」
「構いませんよ。だいぶ距離感は近づかれたようですので」
「だって、それじゃあみんなでみて回ろう!」
まどか達はひかる達と合流しそれからは二チームで館内を周り、いろいろなことを語りあっていった。