令和記念 映画 プリキュア ガーディアンメモリーズ ~時空を超える奇跡の絆~ 作:うさペン
博物館内をまわっていたプリキュア達は再びロビーにあつまり、さくらさんの案内のもと、レストランで食事を食べ明日にそなえることになった。
食事を終え、みながそれぞれくつろぎはじめると、ひかるは足早にプリキュア博物館の天文台に行き宇宙をみあげていた。
「あれが願いの大樹か。星が大きな大樹の形をしているなんてキラやば~☆」
星そのものが大樹の形をしており、巨大な葉っぱから光輝く雫が無数に落ちていく。
どうやってこの星はできたのか、あの雫はやはり願いが形になったものだろう。なにも知らないからこそ、ひかるはその姿から様々な創造を膨らせていく。
「うわぁこの時空の宇宙ってやっぱり全然違うな」
願いの大樹だけではなくひかるの好奇心はこの時空の宇宙へも向けられていく。無限に広がり膨張し続ける宇宙。この世界ではどのような星があってどんな星座を描こうか。
創造の海へひかるが沈んでいこうとした時、
「すごいですよね、本当に」
つぼみがひかるに声をかけた。
「つぼみも宇宙をみにきたんですか」
「はい、この時空の宇宙のことを知りたくなったので」
「つぼみの夢は宇宙飛行士なんだよね。どうしてなりたいって思ったんですか?」
わたしと同じように宇宙に興味があるプリキュア、その胸の内に秘めた宇宙への想いを聞きたくてひかるはつぼみに質問をした。
つぼみは無限に広がり続ける宇宙をみあげながら語りはじめる。
「もともとひかるのように宇宙への憧れがあるというわけではありませんでした。わたしお花がすごい好きで将来は植物学者さんになるってずっと思っていたんです。けれどプリキュアとして砂漠の使徒と戦ったことで、草も花がない場所に花を咲かせたい、そう思えるようになったんです」
「宇宙に花を、わたしそんなこと創造もしなかった……星空をみながらお花見したり、無重力でふわふわ花びらが舞ったり……すごい、それってすごいキラやば~☆です!」
目を閉じ、宇宙にたくさんの花が咲いている姿をひかるは創造していった。
「そうですね、そんな風にできたら素敵ですね。ひかるは宇宙のどんな所が好きなんですか」
「星も、星座も、ロケットも、無限に広がる宇宙のことが全部好き!」
「全部ですか……ひかるって宇宙みたいですね」
「宇宙みたい?」
「はい、だって宇宙みたいに無限ともおもえる好奇心を持ってます。わたしはまだそこまで思えていません。むしろ宇宙って創造以上に自分の力でいくのは難しいなぁて毎日感じてます。ロケットを作る人、宇宙ステーションでクルーを支援する人、共に飛び立つクルー、宇宙へ行くのも多くの人の協力があってこそ成り立つものですから」
夢を叶えるための一歩を進みはじめたつぼみは現実的な考え方で宇宙と向き合いはじめている。それはつぼみが夢へと進みはじめたことの証だ。
「あ、つぼみ達だ。お~い」
「ここに二人もおられたのですね」
つぼみとひかる、二人で宇宙について語っているとみらいとさくらさん天文台に現れた。
「みらいとさくらさんも星を観にきたんですか?」
「より正確にいえば願いの大樹のことをもっと詳しく教えて欲しいと、みらいに言われましたので」
「星なのに木なんてすごいわくわくもんですから」
「わたしも知りた~い! 願いの大樹のこと」
「教えてください」
みらいと同じようにひかるもつぼみも願いの大樹に好奇心を向けた。
「願いの大樹はプリキュア達の願いが集まり生まれたもの。プリキュアが誕生した時から共に存在し、最初は隕石と同じくらいの大きさだと記録には残っています。そこから願いの大樹は成長を続け、願いの大樹を守るために古代のプリキュア達の手によってプリキュア博物館が創られました。今のような形ではなく、つぼみ達の世界にあるプリキュアパレスのように遺跡という形で過去のプリキュアを継承するというものでしたけれどね」
プリキュアパレスとはつぼみ達の世界に存在している古代遺跡。こころの大樹を守ってきたプリキュアが祀られ、プリキュア達のさらなる力を与える試練を受ける場所でもある。
プリキュア博物館は過去のプリキュアを祀るというものなかったが、プリキュア達の歴史を守るために多くのプリキュア文化財が保管されている。
「それから幾千の時が流れ、願いの大樹が大きくなっていく中で、プリキュア達は多くの世界を救ってきました。プリキュア達の活躍を記録し多くの人に伝えたい、時空を越えることができる力をもった人々はより多くの人にプリキュアの活動を伝えるために博物館をリニューアルし、キュアチャンネルも創設されました。ちょうどキュアブラック、キュアホワイト、ふたりでプリキュアするものたちが誕生した時でもありました」
時空を超えられる人々同士が結集していくことで、プリキュア博物館も成長を遂げていくことができた。プリキュアの歩みと共にそれを支える人々も寄り添っていく。プリキュアもプリキュアだけでは存在はできない。多くの人の助けがあってこそ存在ができるのだ。
「キュアチャンネルが創出をされると、プリキュアによって世界を救われたことのない時空の人々にもキュアチャンの活動が配信され、多くの方が来館し、博物館もそれに合わせて今の形になっていきます。そして人々の願いをさらに受けた願いの大樹は、プリキュアを応援したいという願いを形にしたミラクルライトを生み出しました」
「今、ミラクルライトを生み出しっていいました! 願いの大樹ってつえの木みたいだよ」
「つえの木?」
「えっとね、わたしってもともとは魔法のつえをもってなくて魔法がつかえなかったの。けどねつえの木がわたしの願いに応えてつえを授けてくれた。願いの大樹もそんなつえの木のように願いがきっかけになったんだと想うと嬉しくて。だってわたしと同じようにミラクルライトを受け取った人も嬉しいって思ってるはずですから」
みらいがミラクルライトに共感できる部分があるから嬉しく思えている。誰かと一緒の気持ちを共有できる、それはつながりが生んだ奇跡ともよべるものなのかもしれない。
「ミラクルライトは願いの大樹で生み出さた……じゃあなんでピトン達はミラクルライトを工場でつくっているんでしょうか?」
ピトン達の星では願いの大樹の様々な土、幹、枝、葉、花、いろいろな部位を原料としてミラクルライトはつくられている。しかし願いの大樹自身がミラクルライトを生み出すことができるのなら必要ないとひかるには思えたのだ。
「願いの力が強くなればなるほどプリキュアの力は強くなる、より多くの時空の人たちの願いを集めるためにミラクルライトの工場はつくられました。願いの大樹に負担をかけさせないようにしたいという側面もありますけれどね」
願いが大きくとも、その器である願いの大樹は成長して大きくなることでそれを受け止めることができる。しかしミラクルライトを生み出すのは願いを消費することによるもの。その消費量を抑えるための施策、それが工場をミラクルライトでつくるというものだった。
「望遠鏡で願いの大樹をのぞいてみてください」
願いの大樹は三六〇度どこからでも幹を伸ばしている。さらにその幹から枝が伸び、その先に巨大な葉がついている。そしてその葉から何度も何度も光の雫が落ちていた。
「流れ星みたいに葉からきらきら落ちてるものがある! きれいだなぁ」
「葉から落ちていく光が願いの雫。プリキュアへの願いが詰まっていて、ミラクルライトにも力を与えています」
「あれが願いの雫、とってもきれいです」
「願いの大樹はとてもきれいで美しいもの、しかしそこにも陰りはあります。中央部をよく観察してみてください。光が届いていない。黒い靄が覆われた場所があると思います」
「あ、本当だ」
「それは願いの大樹が願いを大量に消費したことによって生まれたものだと考えています」
「プリキュアを応援したい、そんな気持ちが大樹に無理をさせてしまうだなんて」
「大丈夫です。今度はそうならないようにもっとミラクルライトを生産して、大樹に負担をかけないようにしていけばきっと黒い霧も生まれてはこないでしょう」
「よーし、そのためにも願いの大樹を輝かせて、黒い霧を消すぞ!」
「「「おぉおおおおお」」」
と声をあわせ、願いの大樹を輝かせる決意をした。