令和記念 映画 プリキュア ガーディアンメモリーズ ~時空を超える奇跡の絆~ 作:うさペン
「わぁああ、宇宙船、宇宙船だよ、ララちゃん」
「わかってる、わかってるから、揺らさないで欲しいルン」
ひかるはこれから乗る宇宙船をみて興奮し、手近にいたララの肩を勢いよく揺らしていた。あまりの興奮に体を動かしたすぎてしまったようだ。
「リコ、この宇宙船鳥さんみたいでかわいいね」
「これが宇宙船……大きいです」
みらいやまどか、その他大勢の人が宇宙船に驚き、魅了される。
今回プリキュアのために手配された宇宙船はスタートゥインクルプリキュアのロケットよりも数倍大きく、鳥の形をしていた。軍艦というよりかはおとぎ話にでてくるような空の方舟といったイメージだ。
「プリキュアの皆よ、全員揃ってるホ~」
船内にプリキュア達が入船すると、ピトンの星の大統領が宇宙船の艦長席に座っていた。
その隣には宇宙警備隊隊長のヤコン、ミラクルライトの職人ピトンが立っており、さらに艦内にはピトンの星にいた多くの者たちが待機をしていた。
「あれ! 大統領達がどうしてここに」
「プリキュアを送る役目を引き受けたからに決まってるほ~」
「闇の力に乗っとられていたとはいえ、この前はプリキュア達を傷つけるようなことをしてしまった。その償いをさせてくれ」
「そういうことピト」
ミラクルライトをつくってきた星の人々の力を再び借りることができる。それはプリキュア達にとって心強いものだった。
「よろしく頼むね、大統領達」
「任せるほ~宇宙ミラクル警備隊ホーホー号、発艦ホ~」
”ホ~”
大統領のホ~という口癖が艦から響くと、ホーホー号の翼が展開し願いの雫の力が吹き出した。
艦はまたたく間に星を何個も超えて願いの大樹へと接近していく。
「さくらさんは艦のサポートをしてくださるためにここにいるのでしょうか」
「いいえ、わたしはプリキュアの皆様方と同行いたします。メモリーストーンを正しい手順で解放する必要がありますので」
まどかの質問にさくらは答える。メモリーストーン、その扱いはプリキュア達はしらず、さくらが同行してくれるのは心強いことだろう。
「願いの大樹に着く前にもう一度だけ今回の目的を整理しておきましょう。えりか、今回の目的はなんだったかしら」
「はいはい! メモリーストーンを手に入れることです」
「それだけ?」
じろりとゆりはえりかのこと見て問いただす。
「え? まだなんかあるんですか」
上目つかいでキョロキョロと目が動いていくえりか。相手がゆりだけにまずいとは思っているようだが、適当な答えもいえない以上はこうするしかなかった。
「手に入れたメモリーストーンを封印の祭壇に届け、キュアメモリーを復活させ、願いの大樹に潜む闇を消滅させる。それが今回の目的よ」
「うんうん、わたしもそう言いたかったのですよ」
「素直に気が緩んでいていて忘れてましたといえばいいものを」
すぐに得意げに語るえりかに、つぼみは横目で苦言をていしていた。
「えりかもようやく目的がはっきりと飲みこめたところで、じゃあ具体的になにをするのかということを確認していきましょうか。わたし達は昨日別れたチームごとにこれから願いの大樹へと赴きます。願いの大樹は大きく道もうねって迷いやすくなっている、そのためさくらさんからあるものが進呈されることになりました」
さくらが前にでて、腕時計くらい小さな機械をかかげる。
「これはキュアコンタクト。願いの大樹での通信手段、封印の間や祭壇のある場所、それぞれのプリキュアの現在地の確認を行うことができます」
「おお、これは確かに便利ですね」
「他にもいろいろな機能がありますが、メインは場所の確認と通信手段、各自その方法などは今のうちに確認しておいてください」
時計のような形をしているキュアコンタクトがプリキュア達に手渡され、それぞれ装着する。
「ララチャン、コチラヒカル、オウトウセヨ」
「なんでそんな声だしてるルン」
「宇宙ぽいかなぁと思って」
「よく解らないルンね」
宇宙が大好きすぎるゆえに宇宙ごっこをかねて、ひかるはさっそくキュアコンタクトの通信機能をつかって話をしていた。
「キュアチャンネルもみられるんだね」
「あ、本当だ。っていうか、配信されてないわたし達」
「はぁ~なにこれすごい!」
キュアチャンネルがみられることにきずくと、ゆりの視線がさくらさんをとらえる。
「さくらさん、これはどういうことかしら」
「プリキュアの活動記録を残す、それがプリキュア博物館の使命。ということで今回は前例のない生中継に挑戦をしてみようかと。キュアチャンネルをみてるみなさん、今回はなんとプリキュア達を生応援できますよ! 応援のほどよろしくお願いします!」
「うぉおおおおお」
「プリキュアアアア」
さくらさんが先導し、キュアチャンネルをみている人の声が滝のように流れている。
映画館でこの生中継をみようとしているキュアチャンネルファンの声、その声も配信されているからだ。
これをみてゆりは悟りをひらき、諦めたかのようにため息をひとつついた。
「どうやってこんな撮影をしてるんですか!」
「企業秘密ですのでお答えすることはできませんね」
みらいの質問ににっこりと営業スマイルをさくらは返した。
「わたしえりか。覚えてるかな~みんな!」
「覚えるてるよ~」
えりかはこめかめに指をあててポーズをとりながら、キュアチャンネルを観ているみんなに呼びかけた。
「いやぁ嬉しいね、つぼみ」
「ちょ、ちょっとまってください。人にみられるなんて心の準備が」
「なにいってるのよ、こういうのは堂々としてたほうが楽しいよ」
「それはえりかだけですよ」
「え~それはないよ、だって」
えりかの視線の先には
「みんな、は~ちゃんだよぉおお」
「は~ちゃん」
キュアコンタクトで個別配信映像を流しているはーちゃんがいて、他のプリキュアたちも配信に対してそれぞれ対応をしている。
「みんなみてみて、これがわたしの大切にしているモフルン」
「モフ~」
「かわいいよね~」
「かわいいよ~」
みらいは配信をつかってモフルンのかわいさを、
「みんなわたしのことは先生と呼びなさい。あの頃とは違うだから」
リコは先生だということをアピールしている。
「わたし星奈ひかる。宇宙と正座が大好きな中学二年生、宇宙の平和を守るため、プリンセススターカラーペンをさがして、フワといっしょに東へ西へ、遠くは宇宙まで、プリキュア頑張ってるんだ。宇宙人さん見てみて、わたしキュアスターなんだよ!」
「ララルン……みんなはしゃぎすぎルン」
「ひかるちゃんの明るい対応も、ララちゃんの冷たい態度もかわいいよ~」
照れてる姿をみて応援生上映会に来ていたプリキュアファンが叫んでいた。
「かわいいとか、そんな褒めてもしかたないルンよ」
「えへへ、ララ照れてるんだ」
「照れてないルン」
かわいいと褒められるララのほっぺを、ひかるはツンツンしていた。
「へぇ本当に配信されてるんだ」
「えれなは冷静だねぇ」
「さんざん博物館でわたし達のこと観られてるって自覚はあるわけだし、いまさらでしょ」
「そ、そうでしょうか。わたくしは恥ずかしくて」
えれなといつきは冷静に配信されている状況をとらえ、まどかは恥ずかしくて顔を隠している。
それぞれの生の顔がみられる配信というだけあって、注目度もうなぎのぼりだ。
「イレギュラーなことはありましたが、そろそろ本題に戻ってもいいかしら」
配信に気をとられているプリキュア達はゆりの言葉を聞くと、徐々にだが真剣な顔つきに戻っていく。
「みなさんがさきほどからつかっているこのキュアコンタクトを使い、封印の扉までいってもらいます。そして試練を超えてまたさくらさんの所へ戻ってくる。おおまかな概要は以上ね。他になにか今のうちに質問しておきたいことがあれば言っておいて欲しい」
ゆりがプリキュア達を見回していく中で、さくらが手をあげた。
「わたしから言っておきたいことが」
「さくらさん、ではお願いします」
「あなた達はプリキュアです。たとえどんなことがあったとしてもプリキュアとしての使命だけは忘れないでください」
「それはこれから先、プリキュアとしての使命をおびやかすようなことがあるってことですか」「それはまだ言えません。あなた達なら乗り越えられると信じています」
プリキュアの使命を守る、さくらの言っていることはプリキュアとして当たり前のことを言っているようにも聞こえるが、その声色や顔つきはプリキュア博物館として多くのプリキュアをみてきてからこその威厳や重みがあった。
「さくらさん、場を引き締めるお言葉ありがとうございます」
「いえ、ゆりさんのほうがその役目を果たしていますよ」
お互いにお互いのことを謙遜しあう。ゆりもさくらも、本質的な部分では似ているのかもしれない。
「他に質問は……ないようですので、願いの大樹に到着するまでは各自待機。戦いに備えるように」
ゆりの言葉の後、それぞれのチームに分かれて宇宙船の中ですごす。願いの大樹、そのまばゆい光の輝きに引き寄せられながら。
「到着ホ~」
艦長である大統領の声が響くと同時に、体を休めていたプリキュア達が立ち上がった。
「みんな~これからプリキュアが生変身をするよ。盛り上がっていきましょう!」
「うぉおおおおおお」
さくらさんが明るい声で先導し、プリキュア達がこれから変身することに活気づく。
特に小さなお子さんたちはわくわくしすぎて、椅子の上でパンパンとはねてしまうほどだった。
その歓声に驚くプリキュア達であったが、悪い気はしなかった。
「プリキュア・オープンマイハート」
つぼみ達はココロパフュームにプリキュアの種を
「キュアップ・ラパパ! ダイヤ! ミラクル・マジカルジュエリーレ」
リコとみらいはモフルンと手をつなぎ
「フェリーチェ・ファンファン・フラワーレ」
リンクルスマホンにエメラルドをセットし、
「スターカラーペンダント! カラーチャージ!」
ひかる達はスターカラーペンをスターカラーペンダントにセットして変身をはじめていく。
プリキュアの変身は光輝くドレス姿を基本としてはじまる。それはどのプリキュアも同じだ。
そこからはそれぞれの変身アイテムや、手振りなどによって違ってくる。
プリキュアに変身する彼女達はなにも自分で決めてこの変身スタイルをとっているわけではない。プリキュアになった時からそれは変わらず、こころのときめきやありようが変身のスタイルを決めている。
かっこよく、かわいく、誰かと手をつなぎ、それぞれの個性を輝かせながらプリキュアに変身することは、大人な女性になるためのおしゃれの一貫でもあり、友達と心を通わせる行為でもあり、自分の中にある大切な思いを輝かせることでもある。それがプリキュアの変身だ。
個性豊かな変身をそれぞれ終えると、
「大地に咲く一輪の花、キュアブロッサム!」
つぼみはキュアブロッサムに
「海風に揺れる一輪の花、キュアマリン!」
えりかはキュアマリンに
「陽の光浴びる 一輪の花、キュアサンシャイン!」
いつきはキュアサンシャインに
「月光に冴える一輪の花、キュアムーンライト!!」
ゆりはキュアムーンライトに変身し
「ハートキャッチプリキュア!」
ハートキャッチプリキュアとして変身後のポーズをそれぞれ決めた。
続けて
「ふたりの奇跡! キュアミラクル!」
みらいはキュアミラクルに
「ふたりの魔法! キュアマジカル!」
リコはキュアマジカルに
「あまねく生命に祝福を、キュアフェリーチェ!」
はーちゃんはフェリーチェに変身し
「魔法使いプリキュア!」
魔法使いプリキュアとして変身後のポーズをそれぞれ決めた。
そして最後に
「空に輝くキラキラ星、キュアスター!」
ひかるはキュアスターに
「天にあまねくミルキーウェイ、キュアミルキー!」
ララはキュアミルキーに
「宇宙を照らす灼熱の煌めき、キュアソレイユ!」
えれなはキュアソレイユに
「夜空に輝く神秘の月明かり、キュアセレーネ!」
まどかはキュアセレーネに変身し、
「スタートゥインクルプリキュア」
スタートゥインクルプリキュアとして変身後のポーズをそれぞれ決めた。
「プリキュアアアアアアア」
キュアチャンネル応援会場席は大盛り上がり。生変身配信は時空を越えてまたたくまに話題になりアクセス数も急上昇した。
そんな外野の反応は特にきにせず、
「ブロッサム、ミラクル、さくらさん、いきますよ」
「さくらさんはしっかりとつかまっていてくださいね」
「よろしくお願いします」
スター達はさくらさんを連れて宇宙船から降下、
「ミルキー、フェリーチェ、わたし達の活躍をみせつけちゃうよ!」
「まかせるルン」
「ではいきましょう」
それに続いてミルキー達も
「ソレイユ、いこうか」
「ああ」
ソレイユ達も
「わたし達もいきましょうか」
「ええ」
「はい」
セレーネ達も降下し封印の間がある封印の扉を目指す。プリキュアとしての使命を果たすために。