トンネルの向こうで   作:おは

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遅れてすみません


森の中の出来事

ウラジミールが目を覚ますと其処には薄暗い森の中だった

その景色を見ながら、これは幻影なのかそれとも、あの声が

「あなたは私達の世界とあなた達の世界を結ぶ者」という

理由で別の世界に飛ばされたのかぁそれに俺はどうやって

世界をつなげるんだよと考えていた

 

幻影だったら物の輪郭がぼやけているはずだし

時間も短いはずだ

それに地面の感覚もコンクリートの感触なはずなのに

今俺が体験している出来事は物ははっきり見えている上に

30分以上の時間がたっているのに直っていない

その上俺が触れている地面の感覚は土の感覚だと考えると

息を深く吸い込んで

あぁ、俺は別の世界にきてしまったのか

俺が元の世界に帰れる望みがひとつ有るとすれば

あの声の主探すことだけだろうだろうなぁ

それじゃあ始めにこの森からいるかどうか探してみようかと

考えるとウラジミールは体を起こし

 

森に生えているの植物達はウラジミールにとって見たこともない植物で

薄暗い森の雰囲気に合った陰気な植物であったが

核戦争後変異した観葉植物の末路「緑」の毒々しさに比べれば

美しく思えた

 

その森の木々を見て回りながら

何か目ぼしいものを見つけようと歩きつづけたが

トンネル生活の影響で長い距離を歩いたのは久しぶりだったので

体が疲れたのであまり陰気そうじゃない木を見つけて

その木陰の中で休憩をした

 

休憩までの道のりは

森の湿った落ち葉と懐中電灯の明かりだけを頼りにしていたため

に足をとられて転んだりしたりしながらも

見つけたものはといえば

前に進むために20メートルも横に進まなくてはいけない

巨木の朽木に顔のような穴がある木だけだったという

体をくたびれさせるだけの道のりだった

 

 

核戦争以前の普通の人間なら怒りの叫び声も

あげる状況の中ウラジミールは怒りを感じているどころか

この状況を楽しんでいた

それは、彼自身の性格も影響しているが

それ以上に核戦争後20年間も荒廃した世界を

見つづけた者には陰気で見たこともない植物だとしても

戦争以前に見た景色に少しでも似ていたからだろう

 

こうして、この状況を楽しみながら目ぼしいものを

探すために休憩を終えるとふたたび歩き始めたが

目に入る物は休憩前と変わらず巨木と

顔のような穴が歩きだけだった

そのためウラジミールの少しずつ楽しみは少しずつ

消えてなくなり怒りへと変わっていた

 

怒りが大きくなっていく中落ち着くためにふたたび休憩に

入ろうかと考えていると

自分の足音ではない足音が聞こえ始めてきた

ウラジミールはすぐに木の陰に隠れて足音の正体が何か探ろうとした

そしてその正体が自分に危害を加えるのに備えて

持っている銃に弾を込めていた

 

足音はだんだんと近づくと

目の前に現れたのは

赤いライオンの顔にコウモリのような羽にサソリの尻尾を

生やした生き物が我が物顔で森の中を進んでいる姿だった

 

その姿を見たウラジミールは昔聞いた御伽噺に出てきた

怪物マンティコアの姿にそっくりな生き物をみながら

まさか、御伽噺に出てくる怪物にこうして出会えるとはなぁ

俺が生きてメトロに帰ってきたらこの話をしておくかな

そのためには生きる必要があるけどなと考えながら

マンティコアの行動を観察していた

 

ウラジミールが行動の観察をしていると

マンティコアはその体を木の近くに持って来ると

その赤い大きな前足のつめを研ぎだした

マンティコアがつめを研ぐごとにそのつめでとがれる

木はバリバリと音を立てながら幹に深い傷跡を残していった

 

その光景を見ながらウラジミールは

いやぁ、すごい野郎だ

あんなつめで襲い掛かられたら

大抵の生き物はただじゃすまないだろうなと

考えていた

 

またウラジミールはマンティコアが自分を

襲うことはないだろうと確信していた

それはもしも襲うつもりなら自分の匂いがするぐらいに

近くにきたときに襲ってきただろうと思っているからだ

 

その予想は当たった様でマンティコアはつめを研ぐのを

やめるとウラジミールが様子を見ている木から少しずつ

遠ざかって行った

 

ウラジミールはマンティコアの足音が聞こえなくなると

やっと行ってくれたかこれでまた探索ができるな

それとこの森は危険な生き物が

木の影から出て目ぼしいものを探し始めた

 

再び歩き始めると石造りの城が見えてきた

その城を見ながらウラジミールは

昔はここもかつてのモスクワと同じように人があふれていた時代があったんだろうな

そしてそのモスクワと同じようにここも誰もいなくなって

怪物どもの住処となっただろうかと思いながら歩いていた

 

さらに歩くと森の木の種類が変わり

どこからか河の水が流れる音が聞こえてきた

音が聞こえた場所からすぐ近くに

幅の広い河がゆったりと流れていた

河の水は河底が見えるぐらいに透き通っていた

 

ウラジミールは河の水を見ながら

この水は見た目は綺麗だが別の世界の水を

俺は飲むべきか飲まざるべきか悩むな

そういえば、あの声は俺のことを「あなたは私達の世界とあなた達の世界を結ぶ者」

とか言っているんだからこの水を飲んで命を落とす状態でこの世界に送ることはしないだろう

と思うと空の水筒や水も容器がいっぱいになるほど汲みだした

汲みだした水でいっぱいになった水筒などを持つとその重さを感じるほどだった

 

ウラジミールは水を手に入れたので河のそばから離れようとすると

河の水が突如として波立ち水しぶきがあがると目の前に突如としてひげを生やした大蛇が現れた

その大蛇の体の長さは15メートルでその長さに似合う胴体の太さを併せ持っていた

そしてもっとも印象的なのは、鼻のしたから生やしている茶色のひげだった

 

ウラジミールにとってみれば突然大蛇が現れたのに衝撃を受け

さらにその大蛇がひげを生やしているのはそれ以上の衝撃だったが

それ以上のことが引き起こされた

 

それは大蛇がウラジミールに向かって

「わーお、こんな奇妙な姿の生き物を見たのは

生まれて初めてだ」と言ったことだった

その言葉を聞いたウラジミールはあまりの衝撃に

頭の中が混乱し始めた

 

ウラジミールが頭の中が混乱から

回復すると目の前の大蛇がこちらに向かって

「おーいおーい、大丈夫かぁ少し変な顔だったぞぉ」

それを聞いたウラジミールは「ああ少し驚いただけだから気にするな」

と言うと「そうかぁそれならいいだぁ、ところでおまえはどこからきたんだぁ

こんな姿をした生き物ははじめてだぁ」と聴かれると

ウラジミールは「俺が住んでいた場所はモスクワと言う知名だ知っているか」

と言うと「いいやぁそんなとこは知らないな」と答えた

その答えは聞いたウラジミールは「そうか、わかったよ、ではまた会えたら

また会おう」というと

ウラジミールは河に現れた大蛇に別れを告げ再び歩き始めた

 

ウラジミールは森を歩きながら

自分が出会った奇妙な生き物達のことを考えていた

ひとつは伝説の存在とされているマンティコア

もうひとつはひげを生やしたしゃべる大蛇

ひとつはある程度納得できるがもうひとつはウラジミールの常識では

信じられない動物だった

 

核戦争後放射能影響で変異した動物達によって

少しは見方が変わっているが

それでもその変異した生き物達には知能がなく

本能の命じるままに行動をしていた

それはこの世界で最初に見たマンティコアも同様で

知性がない動物だったが

ひげの生えた大蛇だけはウラジミールの意味のある言葉で

質問しウラジミールの質問にも答えた

それは生物学的な知性なのかまた別の力なのかは

ウラジミールには分からないことである

 

大蛇のことをことを考えながら歩いていると

再び森の置くから足音が聞こえ始めた

ウラジミールはまたマンティコアかと思ったが足音が

軽い音だったのに気づき別の種類の生き物だと言うことに

気が付いた

足跡の数が少しずつ増えてきて最終的には

どの数は12頭を数えるようになった

 

ウラジミールはその生き物備えるために銃の銃身を足音のほうに向けた

しばらくするとその足音の正体が姿をあらわした

その体はさまざまな大きさの木が集まって狼の形をした

生き物らしきものだった

その姿を見たウラジミールは頭が再び混乱し始めたが

大蛇が敵だったら食われていたと思いながら、木の狼たちの

対処を考え始めた

 

木の狼たちはウラジミールを緑色の目で

にらみながら唸り声を上げながらすぐにでも飛び掛る体勢を

とっていた

その姿を見たウラジミールはこの生き物が自分に襲い掛かることを

直感すると握っていた銃を木の狼たちに向けて発射した

 

銃から出た弾丸は襲い掛かろうとした木の狼たちの不意をついて

8頭の木の狼の体を引き裂いてただの木屑に変えた

木の狼たちは仲間が一蹴にして木屑になったのを見て混乱し始めた

ウラジミールはその姿を見て距離を取るために一目散に逃げ始めた

木の狼たちは少ししてからウラジミールを追いかけ始めた

 

ウラジミールは逃げながら銃の装填を済ませると立ち止まって

自分を追ってきている木の狼に向けて銃を発射した

弾丸はさらに3頭の木の狼たちの体を切り裂いたが

残り1頭は銃弾を掻い潜りウラジミールに飛び掛ってきた

ウラジミールは飛び掛ってきた木の狼に地面に倒されると

顔に食いかかろうと襲い掛かってきた

 

ウラジミールは顔に喰らい衝こうとする木の狼の

顔に力いっぱいの拳で殴りつけた

ウラジミールの拳を受けた木の狼の頭は拳によって

顔の反対側まで拳が突き抜け

緑色の目が輝きがうすれ

ただの木屑となった

 

死闘を制したウラジミールの目の前には

小さな村の姿が映っていた

その姿を見たウラジミールは

感動しながらその村までの道のりを歩こうと決意した

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