泣き顔の復讐者【のんびり更新】   作:沙香月 雪音

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シングルヘルの鈴が鳴る。メリークリスマス。
因みに「すず」です。「りん」ではないし「すぶた」でもないです。
さて、そんなことは置いといて今回は相方と2人して「視点切り替え多いな」と意見が一致しながら直せませんでした(反省)
まぁ少なければ良いもんでもないけど増えると読みにくい。でも時間進めるのに便利。そんな感覚で視点切り替えてるのも原因なんでしょうね。
あんまグダグダ前置きしても仕方ないので第14話目よろしくお願いします。


夢への一歩

~束side~

「こんにちはー。」

 

返ってきたメールの通りにいつものように工場ではなく会社のほうに来てみたけど…。

 

「なにあの機械達…。」

 

受付の人に案内されて会議室に向かう途中にチラッと見えた多くの機械。なにかの計測のものなのかな。

 

「っと、ごめんね束ちゃん。待たせちゃったね。」

「私が来るのが早かっただけなので大丈夫ですよ。」

 

待ったと言ってもほんの1、2分。それに約束の時間より5分早い。むしろ早く来すぎちゃったかな。

 

「今日来てもらった理由なんだけどね。」

「人と会うんですよね…?」

「うん、そう。ある人と会ってもらいたいんだ。」

 

でもその前に。と、桜叶さんが前置きをする。

 

「篠ノ之束さん。貴女にお願いがあります。」

 

あー…なにか騙されたかもしれない。社長モードの桜叶さんだ。

 

 

 

~アレスside~

星宮社長が入っていった会議室にの扉の前でミナモトさんと2人で待ってるが…。

 

「…ミナモトさんはなにをしてるんですか。」

「なにって見りゃ分かんだろうよ…。盗み聞きだ。」

「盗み聞きって…。」

 

この人はなにを堂々と言っているんだ…。

 

「社長さんから許可は取ってあるし録音もされてるはずだ。まぁまだ嬢ちゃんには伝えてねぇがな。」

「…している事はわかりました。でもなぜそんなことを…?」

「後々必要になってくるからよ。」

「必要に…?」

 

一体何が?

 

「お、そろそろ話も終わるみたいだな。準備しといてもらおうか。」

「え、あぁ、分かりました。」

 

ココの人たちは皆自由すぎないか…?

 

 

 

~桜叶side~

…ちゃんと言いたい事は理解してくれたようだね。それに束ちゃんの夢と結びつきそうなのはワクワクするね。

 

「よし、とりあえず聞かれたくない話はココで終わります。じゃあ会ってもらおうかな。」

「は、はい。」

 

束ちゃんの声はどこか緊張している。会う理由を知ってしまえばこうなるのは当然だろう。

 

「アレスさん、お待たせしました。もう入ってもらって大丈夫ですよ。」

「失礼します。初めまして、シノノノタバネさん。」

「は、初めまして!え、えっと…。」

「あぁ、これは失礼しました。私はアレス・ハスターと言います。」

「えと…初めまして、ハスターさん。篠ノ之束です。よろしくお願いします。」

 

相手が自分の名前を知っててもちゃんと名乗るのは柳韻さんの影響かな。あの人そういうとこ厳しいし。

 

「こちらこそよろしくお願いします。」

「…ん?アレスさん、ゲンさん…源さんはどうしたんですか?」

「ミナモトさんならさっき工場の方に行きましたよ。なんでも『嬢ちゃんギャフンと言わせたる!』とかなんとか。」

「私を…?」

「何するか大体予想つくけど…とりあえず休憩室でも行きましょうか。なにもこんなとこでお喋りしなくたっていいんだし。」

 

2人して『じゃあなんでココに呼んだんだ』って顔してるなぁ…。あ、束ちゃんは気付いたね。

 

 

 

~千冬side~

「千冬ちゃんちょっと。」

「…?なんですか?」

 

道場に着いて素振りをしていると夏子さんに呼ばれた。

 

「さっき恵理さんから電話があって急な仕事で今日は2人とも遅くなるから一夏くんと星宮さんの家で待っててって。」

「分かりました…。一夏は私が迎えに行けばいいですか?」

「私も箒ちゃん迎えに行くからそのとき一緒に行きましょう?」

「分かりました。」

5時半(17:30)に出るからまたその時呼ぶね。」

「はい。」

 

確か家族じゃないと迎えに行けないんだったな…。後で天斗に伝えないとな。

 

 

 

~アレスside~

「し、信じられない…。本当に…こんな子どもが…。」

 

不躾なのは分かっていたがシノノノさんには星宮社長が前に解かせたと言うテストに近い問題を幾つか出して解いてもらった。流石に目の前で起こった事実だ。間違いなくこの少女は天才だと突きつけられた。

 

「なんで桜叶さんがドヤ顔してるんですか。」

「ん?なんとなく。」

「えぇ…。」

「嬢ちゃんこれでどうだ?今加工してきたが…。」

「55.0006 mm。」

「またダメか。」

 

…マイクロメーターより下の桁言い放つってなんなんだ…。普通セーフだろ。しかもその精度で満足してないミナモトさんは一体…。

 

「さて、アレスさんそろそろ信じて頂けましたか?」

「目の前で見せられてしまいましたから…。解析への参加を…こちらからお願いいたします。」

 

これで加わってもいいだなんて傲慢だ。シノノノさんはそれだけの頭脳を持ってる。

 

「ということで束ちゃん。今話題の新鉱石の解析班へようこそ!」

「え?えっと…はい?」

「社長さん…嬢ちゃん困惑してんじゃねぇか。ちゃんと伝えたのか?」

「手伝って欲しいことがあってそれに参加できるかどうか決めるためにアレスさんに会えとは言われましたけど…。」

「あ、あれー?そうだっけー?」

「目が泳いでるぞ。」

「泳いでますね。」

「人の目って泳げるんですか!?」

 

クロールか平泳ぎかバタフライか…背泳ぎ?背中どっちだ…?

 

「あー…動揺してるってことだ。」

「あぁ、なるほど。」

 

日本語って独特だな。

 

「ま、まぁ…明後日からよろしくね、束ちゃん。」

「…あ、はい。」

 

あ、強引に逃げたな。

 

 

 

~天斗side~

「千冬ー。そろそろ時間なんじゃない?」

 

そろそろ5時25分(17:25)になる。一夏君を迎えに行かないといけないらしいし準備のことも考えるともう終わったほうがいいだろう。

 

「あぁ、そうだな。ありがとう。」

「あ、そうだ。僕も行っていい?」

 

一夏君と箒ちゃんにも会いたいしね。

 

「多分大丈夫だと思うが…。」

「あぁ、天斗君ちょっといいかな?無手について少し話があるんだが…。」

「え?あ、わかりました。じゃあ千冬またあとでね。」

「あぁ、わかった。」

 

ちょっと残念だけど篠ノ之流のことなら断然そっちが優先だよね。

 

 

 

〜千冬side〜

「箒ちゃーん、帰るよー。」

「一夏、迎えに来たぞ。」

 

呼ばれた2人は勢いよく振り向く。保育士さんも気付いたようでこっちにやって来た。

 

「篠ノ之さん、お迎えですね。それから…織斑さん…でいいのかな?」

「はい、一夏の姉の織斑千冬です。両親が忙しいため迎えに来ました。確認するなら保険証があります。」

「…はい、では確認させてもらいますね。」

 

…今の間は子供が迎えに来たこととその理由に余りいい感情を持たなかったからだろうな。

 

「ちゃんと保険証持って来てるなんて用意がいいのね。」

「2人とも忙しいから大きな怪我やなにかあった時のために必ず持ち歩けと言われてまして。それに連絡先もあるからと。」

 

だから落とさないように気をつけろとも言われたな。

 

 

 

〜束side〜

「ただいまー。」

 

桜叶さんの会社の人に車で送ってもらって帰ってきたけど…。

 

「お母さんいないのかな?」

 

箒ちゃんも居ないみたいだしお買い物…でも炊飯器は動いてるし違うかな。とりあえず道場行ってみよっかな。ちーちゃんとあーくんにも会えるしお父さんなら何か知ってるでしょ。

 

 

 

〜千冬side〜

「どうしてお姉ちゃんがむかえにきたの?」

 

夏子さんと一夏と箒ちゃんと4人で歩いていると一夏が尋ねてきた。

 

「そういえばまだ言ってなかったな…。今日母さんも父さんも忙しくなったから迎えに行ってくれと言われたんだ。」

「ふーん。」

「だからまず道場に行って稽古が終わったら星宮家で夕飯を食べさせてもらって母さんが迎えにくるまでそのまま星宮家だ。」

 

私の時は独りで留守番だったからな…。一夏が寂しい思いをしないのは桜叶さんと由華さんに感謝しないといけないな。

 

「いちかもうちにくるの…?」

「あぁ、もし良かったら一緒に遊んであげてくれないか?」

「うん!」

「あそぶ!」

「あ、でもみんな一生懸命お稽古してるから邪魔はしちゃダメよ?」

「「はーい。」」

 

2人とも素直で可愛いな。…この足音は。

 

 

 

〜束side〜

お父さんとあーくんが話し込んでたから他の門下生の人に聞いたらちーちゃんとお母さんの2人で箒ちゃんといっくんを迎えに行ったみたいだね。

 

「…あ、みんなみっけ。」

 

この距離ならもうちーちゃんも気付いてるだろうし…ちょっと悪戯してみよっかな。

踏み込むと同時にちーちゃんが少し3人から離れる。

 

「ちーちゃーん!」

 

ちーちゃん目がけて勢いそのままに飛び付く。

 

「はぁ…。」

 

え?今ため息ついた?ついたよね?

ちーちゃんが振り向いて…両手を広げて…

 

「…残念だったな。無理だ。」

「…へ?」

 

そのまま横にズレた…。

 

「そこは受け止めてよ!」

 

仕方ないから身体捻って〜着地!10点!

 

「避けられてから着地する余裕がある高さだぞ!?せめてもう少し高さを考えろ!」

「高さ考えたら受け止めてくれるんだね!」

 

ちーちゃんがしまったって顔してる。でもそういうことだよね。

 

「束、あまり危ないことしたら…ね?」

「は、はい!」

 

お母さんを怒らせてはいけない。普段優しいけど怒ると怖いんだよねぇ。

 

「そ、そんなことよりどうしたんだ?道場で待っていれば会えるのに。」

「あ、そうだった。」

 

もちろん今すぐにではないだろうけど…。

 

「まだしばらくかかると思うんだけどね?ちーちゃんに協力して欲しい事があるんだ。」

「協力?」

「うん、協力。だいぶ前だけどさ、私の言った夢覚えてる?」

「もちろんだ。『誰もが宇宙に行けるものを造る。それでみんなで宇宙に行く。』だろう?」

「大正解!それでさ、今ぶつかってる問題が解決したら原型が造れるんだよね。」

 

新鉱石のことは秘密にしてくれって言われたからまだ言えない。でも解決したら空も飛べるだろうし障害物や放射線から身を守るバリアの分のエネルギーだって賄えるかもしれない。もちろん時間はかかるかもしれないけど今の内に頼んでも損はないよね。

 

「その原型に乗ってくれと?」

「そゆこと!」

「分かった。乗ろう。」

「うん、ありがとう!」

 

これで一安心だね。

 

「盛り上がってるとこ悪いんだけど…私じゃ何をするかは良くわからないけど2人ともあまり危ない事はダメよ?」

「うん、分かってるよ。みんなで楽しむためのもの造るんだ。危なくないように気をつけるよ。」

「私も束の夢は楽しみですから。大怪我して途中で終わるなんて事ならないように頑張ります。」

「ならよし!」

「お姉ちゃんうちゆう行っちゃうの…?」

「2人とも…?」

「私とちーちゃんだけじゃないよー。箒ちゃんもいっくんもあーくんもお父さんもお母さんもみんなで行くんだよ!」

 

宇宙飛行士のような特別な訓練じゃない。慣れてもらって使いこなせるようになる訓練で行ける宇宙。

 

「…うん、決めた。」

「ん?どうしたんだ?」

「これから造るものの名前だよ。完成まで何年かかるか分からないけどさ。理論上だけど自由に飛び回れる。障害物にはバリアも張れる。人が宇宙で自由に動くための翼になり得るもの。その名も…」

 

きっとそれは人々に宇宙が近付く…ううん、地球(成層圏)を広げる為のものになる。

 

インフィニット・ストラトス (無限の成層圏)!」

 

だったらどこまでも行ける名前にしたいよね!

 

「…そういえば天斗には言ったのか?」

「あーくんには完成してからかな。驚かせたいし。」

 

あーくんロボットとか好きだしきっと驚くだろうなぁ。




最近情緒不安定そして今回視点切り替えの多いこと多いこと。
そんなことはさておき14話目いかがだったでしょうか。
ちょっと実験がてらアンケート機能を使ってみようと思うのでもし良かったらお答えください。
書くことも浮かばないので今回はこの辺で
また次回、よろしくお願いします。

すいません、追記です。
詳しくは活動報告に載せましたが少しの間更新が止まります。元々遅いだろという言葉は呑み込みつつよろしくお願いします。

14話目「夢への一歩」を読んだ方へ質問です。今回視点切り替えの数が多いかなと思ったのですが皆さんからしたらどうでしたか?

  • 多くて読みにくい。
  • 多いけど読める。
  • ちょうどいい。
  • 少ない。

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