まぁここであれこれ話しても仕方ないので第15話、よろしくお願いします。
~桜叶side~
束ちゃんが解析班に加わって10日。最初は面白そうにしていたが。
「違う…これも違う…これも合わない…ここもズレる…。違う…違う違う違う!」
ここ5日ほどは荒れている。
「嬢ちゃんも荒れてんなぁ。」
「多分ここまで何かに苦戦すること自体久しぶりでしょうしね。」
「だな。」
束ちゃんは9聞いて10理解して15に拡張するタイプだからなぁ…。
「そういやゲンさん束ちゃんに現状の説明したんですか?」
「ん?あー、伝えてねぇな。嬢ちゃんがいらないとよ。」
「いらないって…。これでも一応国からの要請なんですが…。」
「あぁ、それは伝えてあるよ。」
「その上で束ちゃんが要らないと言ったなら何か考えてると思いますよ。」
大方先入観の排除とかかな。
「でもまぁ一息入れてもらわなきゃねぇ。」
とその前に電話電話…。携帯どこにしまったっけ…
「お、桜叶さん…?何かのサインですか…?」
「サイン…?あぁ、ありゃ携帯探してるだけだ。」
「あったあった。」
~束side~
違う…これもダメ…。毎度毎度機械から出る予測から逃げるように結果が食い違う。
「よーし束ちゃん、一度お昼にしよう。」
「…はい。」
桜叶さんに声をかけられて作業をやめる。学校のことを考えると今日みたいな土曜日に糸口を見つけて日曜日も使って掘り進めたいけど仕方ない。
「行き詰まってるよね?」
「…はい。」
誰が見ても分かる事を桜叶さんから聞かれる。
「最近ちゃんとご飯食べてるかい?」
「食べてますよ…。『ヒトという生き物としてのサイクルを亡くさない』社訓だからって最初に教えられましたから。」
本来居られない場所に居させてもらう以上社訓は守らないといけない。守って当たり前。
「そっかそっか。あ、何か食べたいものある?」
「アレルギーとかはないですしなんでも大丈夫です。」
生き物としてのサイクルを守りながら食事時間が短い方が解析に長い時間がかけられるから。
「なんでも大丈夫かぁ…。今これが食べたい!ってモノは?」
「特には。」
お腹が空いてないわけじゃないけど特に食べたいものもない。
「えー…じゃあ食べたくないものは?」
「特にないです。」
嫌いなものはないし食べれないものもない。
「じゃあなんでもいいかい?」
「はい。」
前に使わせてもらった社員食堂のものでハズレがない事は社員さんの反応から分かってる。
「よし、じゃあ焼肉行こ焼肉!」
「分かりました。」
…ん?社員食堂に焼肉定食はあったけど『焼肉に行く』ってどういう…。
「よし、じゃあ一回着替えておいで。匂いついたら面倒でしょ?」
「え、ちょっと待ってください!焼肉って食堂の焼肉定食とかじゃないんですか!?」
「ん?違うよ?焼肉。あ、ちゃんとご飯とか野菜も食べていいから安心して?」
「いや、そうじゃなくて…!そんな時間がかかるものを」
「でも束ちゃん何でもいいか聞いたら『はい』って言ったべ?」
「確かに言いましたけど…」
「嬢ちゃん諦めな。普段の嬢ちゃんなら気づいたと思うんだがなぁ…。」
「ゲンさん…。」
「社長さんの服を見てみな…。」
「スーツじゃない…。」
「つまり焼肉に行く気まんまんだったわけだ。」
「さー行こう!美味しいお肉が待っている!」
この人たち解析する気あるのかな…。
~桜叶side~
「そういやアレスさんは宗教的に食べれないものありましたっけ?」
「そうですね…。しいて言えばタコとかイカを食べる習慣がないですね。」
「なら肉や野菜でダメなもんはないんだな。」
「えぇ、大丈夫です。」
こんな会話をしている間も束ちゃんは何かを考えているようだ。まぁ十中八九解析のことだろうなぁ…。いややっぱ焼き肉のことに違いない!
「社長さんよ…またなんか変なこと考えてねぇかい?」
「んー?束ちゃんが好きなお肉はなにかなと。」
「その前になんか考えてたろう?」
「ちょっとしたことですよ。」
「ちょっとしたことか。」
間違いではない。束ちゃんについてちょっと考えただけだから。
「さて、着きましたよ。」
「いい匂いですね…。
「自分で肉を焼きながら他人の肉をとってもいいという戦争だから気を付けたほうがいいぞ。」
「日本にある数少ない戦争の場ですからね。」
「日本は平和だと思っていましたがこんなところで戦争が起こるなんて…。」
はぁ…。つっこみ役の束ちゃんが機能しない…。
「なぁ社長さんよ。ほんとにこんなで嬢ちゃんの調子が戻るのかよ?」
「最近食生活がおろそかになってるみたいでして…。まぁしっかりおいしいもの食べながら考えますよ。」
「そうか…。」
解析に気を取られすぎて食事に余裕ができないのは完全に悪循環になっていく。ソースは僕だけど活力やらアイディアなんてそんなもんだ。
「さ、行くぞー、食うぞー、のm」
「わかってるとは思うが呑むなよ?」
「の…呑まないぞー。」
「嬢ちゃんも好きなだけ食えよ?社長さんの奢りだからよ!」
「経費!経費で何とか!」
「あのおっかねぇ会計の姉ちゃんに言ってみな。」
「子どもの成長のために…ふむ通る気がしない。」
「だな。」
「入るなら早くしませんか?」
「ん?あぁ、そうだね」
束ちゃんのツッコミがないからおじさんは悲しいだす。
「すいません、昨日予約した星宮です。」
「昨日!?」
~束side~
桜叶さんの行動は大抵突拍子に見えるけど何か意図がある。それはわかる。今回のこともお母さんから私のことを聞いてやろうと思ったんだと思う…。でもさ
「なんで焼き肉なんですか。」
「ミンナ、ヤキニク、スキ。ヤキニク、オイシイ。」
「はぁ…。」
「ため息吐くと幸せが逃げるぞー。」
「ため息は酸素の取り込みやら自律神経の調整やらしてくれますー。」
自分が食べたかったのか…。
「さ、食べよ食べよ。」
「いろんな種類があるんですね。」
「肉らしい肉から内臓系まであるからなぁ。」
「適当に頼もうか。すいませーん。」
~桜叶side~
「さすがに歳食ったなぁ…。油がキツイ。」
「あはは…。今度はしゃぶしゃぶとかにしますか。」
「今度はってまたこういうことする気なんですか。」
「仕事がちゃんと終わったらね~。」
束ちゃんもそこそこ真面目だねぇ。まぁそれもそうか。
「さて、おなかも膨れたし本題に入ろっか。」
「本題…?」
「いえーす。本題。束ちゃん最近ちゃんとご飯食べてるかい?」
「食べてますよ。」
「ならゆっくり味わってる?」
「それは…。」
「
「…はい。」
自分でも考えてなかった分少しばつが悪いって感じかなぁ…。でも自覚はしてもらわないといけない部分だから仕方ない。
「よし、ならこれから意識しよう。確かに今束ちゃんが解析班に入れらるのは束ちゃんの能力によるものだよ。でもその束ちゃんの生活に関することに関して頑張ってるのは柳韻さんや夏子さんなんだ。」
束ちゃんならこの話は理解してくれるはずだよね?
「さ、そろそろ戻ろっか。ほかの社員に怒られちゃ敵わないからね。」
「そんなこと考えるなら昼休みに焼き肉なんてこねぇだろうよ。」
それもそうだ。
~千冬side~
父さんも母さんも仕事、道場も今日は警察官の指導。おかげで一夏と箒と一緒に星宮家にお世話になっているが…
「千冬ー、ちょっと助けてー。」
「どうした?一夏の相手に忙しいんだが。」
今は一夏のお絵描きを眺めるのに忙しい。天斗よりも優先度が高いことは間違いない。
「箒ちゃんが指握って離してくれない!」
「そうか。」
1歳くらいはそんなものだろう。一夏だってそうだ。
「こんにちはー。」
「あら、束ちゃんいらっしゃい。」
「由華さんこんにちは。」
束も来たらしい。ずっと何かを考えこんでいたようだが最近はだいぶいいみたいだな。
「あ、束おかえりー。」
「あーくんただいまー。…ってただいまっていうのはちょっと変な感じだね。」
「別にいいんじゃないか?私も最近そうだしな。」
一夏が1歳になってしばらくしてから母さんの育児休暇も終わり二人とも遅くなる時や休日にどうしても仕事になったときは星宮家でお世話になっている。感謝してもしきれないが二つ目の家のように思える場所だ。
「ならいっか。さてさて箒ちゃん!お姉ちゃんだよ~。」
「ほーら箒ちゃん僕の指を離してお姉ちゃんのところに行っておいでー。」
なんかちょっとうらやましいな…。
「い、一夏?お姉ちゃんの指は空いてるからな?」
いやぁ…小説書くのって難しいですね。小説家の方々普段何喰ってるんでしょうね。
さて、いかがだったでしょうか第15話。くたばりながらこれ書いてる間にPC買ったりいろいろ変化したものはありますがまぁ活動報告のほうに書くので気が向いた方だけ覗いてください。
それでは次回いつになるかはわかりませんがまた次回よろしくお願いします。
14話目「夢への一歩」を読んだ方へ質問です。今回視点切り替えの数が多いかなと思ったのですが皆さんからしたらどうでしたか?
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多くて読みにくい。
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多いけど読める。
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ちょうどいい。
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少ない。