え?一夏4年生まで篠ノ之流習ってたのはわかるけど裏奥義を4年生に教えるってなんぞ?それとも交流が最近再興したのか?
と思いましたー。雪音さんです。
今回はちょっとちーちゃんに負担被ってもらいます。頑張って立ち直るんじゃぞ。
〜束side〜
ルクーゼンブルグ公国の国王に会って1ヶ月。ようやく出来た……。
「ここが……私の研究所だー!」
私の、私だけの研究所。桜叶さんからの報酬とルクーゼンブルグ公国からの報酬。その両方を活用した。
「おー、いいねぇ。」
「桜叶さん、色々とありがとうございました!」
「いやいや。報酬としてはPCと資材だからいいんだけど……本当にコレだけでいいの?」
「私が創りたいモノはきっと会社じゃできないので。」
「キッパリ言ってくれるね。ま、束ちゃんなら大丈夫だと思うけど生活には気をつけなよ。」
「はい!」
生活サイクルは犠牲にしない。コレは桜叶さんの会社で手伝わせてもらっていた時に口酸っぱく言われた社訓。ここまで来たのもイレギュラーを認めてくれた桜叶さんがいたから。だから絶対にコレは守らないといけない。
「では、桜叶社長。コレまでお世話になりました!」
「篠ノ之束さん。今後の貴女の発展、ご活躍を期待してます。」
〜天斗side〜
「天斗、今日はどうする?無手か?剣か?」
「今日は……無手で。」
「分かった。」
いつも通り千冬と稽古をする。無手ということで向かい合って構える。千冬の隙はない。から一つ仕掛ける。
「ふっ。」
軽く息を吐くとともに膝を抜いて滑り込むように千冬の懐を目指す。当然のように迎撃してくる千冬。その手を掴み力の流れを変える。
「っ!」
千冬は顔色を変えつつも変えられた力に逆らわず動く。そのせいでこっちの狙った突きは外れる。
攻められた千冬も体勢を立て直して突きを出す。これを流しつつ距離を一度取る。
膠着状態になり互いに隙を伺う。フェイント、ジャブ、移動。ジリジリとした感覚が焦ったい。千冬が一歩動こうとする。そこで出すのは
「零拍子!」
相手の一拍目の前に動く篠ノ之流古武術の裏奥義『零拍子』。実際には一拍になりそうな挙動を見てから動いてるから正しいかと言われると微妙だけど、今はコレが限界値。
零拍子で近づいて繰り出すのは前に出したままの左手での直線的な突き。自分も動こうとした千冬はギョッとして左に回避しようとする。重心が左によった瞬間に出すのは左突きで開いた身体を閉じるように出した右のミドルキック。ローでは跳ばれるハイでは屈まれる。そう思って出したミドルだけど……
「はっ!」
前に出られて威力を潰された。それだけじゃなく太ももを掴まれた。急いで右脚を脱力。重さを千冬に預けるように左脚からも力を抜く。そして千冬の動きが止まった時点で
「……参った。」
千冬の顔の前へ寸止めの突きを出す。
最近剣では負けるけど無手では勝ててる。大体交互にやってるから勝率としては半々。そんなことを続けている。
「やはり無手では天斗に勝てないか……。」
「僕も剣では千冬に勝てないしね。得意不得意がもろに出てる感じがする。」
「それは……そうだな。」
「じゃあ今度は私と剣で勝負しようよちーちゃん!」
「そうだn……束!?」
「稽古に顔出すのはだいぶ久しぶりだね、束。」
「だね。研究がひと段落したから来たんだー。で、どう?ちーちゃん。」
「私は構わないが鈍ってても手加減はしないからな。」
「もちろん!来てなくても素振りや型はずっとやってたからね!」
そう言って束と千冬は手合わせを始めた。
〜千冬side〜
「ただいまー。」
「お邪魔します。」
「天斗、千冬ちゃん、おかえり。」
今日は2人とも仕事だから一夏と一緒に星宮家でお世話になる。明日は日曜だしこのまま泊まっていっていいと言われてしまった。
「あ、千冬ちゃん、テレビのリモコン取ってくれる?」
「何チャンネルですか?」
「ありがとう。3チャンネルお願いできる?」
「わかりました。」
「〜〜織斑秀十さんと織斑恵理さんの計5名と連絡がつかない状態となっており、研究所内の消火が急がれます。」
「……?……えっ?」
「天斗、お父さんに電話して!私は恵理さんにかけるから!」
「父さんと……母さんは……仕事で……研究所に行ってて……」
「とりあえず父さんに電話してる!……あ、父さん?ニュースt……」
「千冬ちゃん?大丈夫?。まd……」
天斗と由華さんが何か言ってる……。なんだろう……。すごい心配そうな顔してる……。心配かけちゃったかな……。まずは謝らn
〜由華side〜
ニュースによると千冬ちゃんのご両親の職場で火事が発生して5人が安否不明。秀十さん、恵理さんとも連絡がつかない状態とのこと。私から恵理さんに電話をかけるものの電波が繋がらないと言う。
そしてニュースを見てから千冬ちゃんの様子がおかしい。汗も多いし目の焦点が合ってない。
「恵理s……」
千冬ちゃんは何かを言いかけて気を失ってしまった。幸い頭を打つことはなかったけどこの出来事はショックが大きすぎるよね……。
「千冬!?」
「天斗、今はしばらくこのまま静かにさせてあげて。それから、目が覚めても火事のことは一旦伏せておいて。」
「わかった。」
千冬ちゃんにかかった心理的負担は計り知れない。起きた時に少しでも落ち着いてるといいけど……。
〜Out side〜
「火事にする必要はあったのかしら?」
「逆にどうしろと?電気系統のトラブルで発火、延焼。よくありがちなものじゃないか。」
「織斑秀十以外の人間まで巻き込んで……」
女は男に喰いかかる。そもそも織斑秀十を消すこと自体疑問を感じていた女は止まらない。
「そもそも本当に消す必要はあったのかしら?たかが1人の研究員よ。消すにあたって動いた人員、発覚のリスク。それに見合うほどのものなのかしら?」
「うるさいなぁ。今更善人面しないでよ。まぁそうだなぁ……消す必要があるかと言えばあるし、見合うかと言えば見合う。」
「……は?」
女は予想外の答えが返ってきて呆ける。1人の人間を消すのに使ったリスク、人員が妥当だと言われた。なぜだ。コレまで研究所の破壊などはあった。が、人1人消すのは今回が初めてだ。
「アイツはね。生きてちゃいけないんだ。だってムカつくし。」
「っ……!」
「なんて嘘嘘。だけどまぁ消すのが妥当というのは本当だよ。まぁ他の人にも被害があったのはコラテラルダメージってことで。」
どこまでが本当か未だ女にはわからなかった。
頑張れちーちゃん。君にはISの試作機に乗ってもらわないといけないんだ!(クズ)
束はこのままIS作れ。天斗は……千冬の支えにでもなってもろて。
14話目「夢への一歩」を読んだ方へ質問です。今回視点切り替えの数が多いかなと思ったのですが皆さんからしたらどうでしたか?
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多くて読みにくい。
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多いけど読める。
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ちょうどいい。
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少ない。