バカとテストと召喚獣<神と仮面と先導者>-Remake- 作:Nirkxi
Episode1「会いたくない者と懐かしき再開」
「桜か」
俺は吉井明久、特殊技術を導入した進学校『文月学園』に通う高校2年生だ。
桜は春の訪れを意味し、恋や新たな仲間と出会う季節、そして…
「あいつら、元気にやってるかな」
別れの季節である。俺にとって唯一の仲間と思える奴らと別れてしまった日、そして今日みたいに桜が舞い散る日に限っては、あいつを思い出す。
「小枝…」
あいつ、桜が好きだったよな。そして、今みたいに桜が舞い散っていた日に俺の方から告白した。あいつ、今どうしているかな…
「吉井、おはよう」
「おはようございます、西村先生」
いつの間にか校門前についていた俺を迎えたのは、補習担当の西村先生だ、他の連中は鉄人と呼ぶが、俺はいい先生だと思う。
「ほら、お前の結果通知だ」
「どーも」
ここ文月学園は学力第一の進学校で、1年の最後に行われる『振り分け試験』によって、成績上位から順にA、B、C、D、E、Fの6クラスに分けられる。
「随分回りくどいやり方ですね。速達便やメールでも良かったのに」
「そう言うな、この学園は周りの評価に影響しやすいから、下手なことは出来ん」
「まぁそうでしょうね」
俺は封筒を千切り、中に入っていた紙を取り出す。今回の試験は本気を出した、だからAクラスで間違いないはず、だが…
『吉井明久 Vクラス※教室完成まで“Fクラス”』
紙に書かれたのは謎のクラス名だった。
「Vクラス?」
「あぁ、学園長が急遽このクラスを設立すると言ったが、肝心の教室が出来ていないみたいでな」
学園長、詳しくは知らんが、この学園のシステムを作った張本人だという認識でしかない。それにしても本当に急な思い付きだったのか、春休みがあったのに教室が完成していないとはな、しかしなぜFクラスなんかに配属されるのか意味が分からない。
「はぁ」
「うわぁ」
Fクラス前に来て、中を覗いたが、もはや廃墟に等しい設備だった。
振り分け試験の結果でクラスが決まり、それと同時に設備のランクも決まる。最上位のAクラスには、システムディスク・ノートパソコン支給・ドリンクバーと、高級ホテルの様な待遇を受けるが、最下位のFクラスは、足の折れた卓袱台、綿が殆ど無い座布団、ボロボロのガラス窓と、まさに雲泥の差だ。
「住めば都と言うが・・・・・・・・・まあいい、どうせ少しの辛抱だ」
そういって俺は扉を開ける、まぁ今は我慢するしかないか。
ガラガラ
「早く座れ、この蛆虫野郎」
・・・・・・・・・めんどくせぇ。
「聞こえないのか?アァ?」
「聞く耳持つ気も起きないな、貴様の命令など」
「ふん、どのみち俺がクラス代表だ、いずれ命令を聞いてもらうからな」
「どうでもいい、俺が貴様の指図を簡単に受けると思っているのか、しょせんその程度の頭脳だな、悪鬼羅刹」
「て、テメェ」
「フン」
俺はアイツ、坂本雄二が気にいらねぇ。元神童だろうが、悪鬼羅刹に堕ちるまで喧嘩に明け暮れた、どういった事情でああなったかは知らないが、所詮その程度の器だったってことだ。
「明久よ、いくらなんでも言い過ぎではないかのう」
「気安く俺の名前を呼ぶな」
「全く、お主も変わらんのう」
こんな奴らとの関わりなど持つ気も起きない。
「えー、今日からこのクラスの担任の福原です。よろしくお願いします」
このクラスにはチョークが無いようだ、まぁこのクラスのアホ共が真面目に勉強するとは到底思えない。
「それでは、廊下側から自己紹介をしてください」
自己紹介か、少ししかこのクラスに居ないだろうが、しょうがねぇか。
「木下秀吉じゃ。演劇部に所属しておる」
あぁ、バカな弟の方か。あの木下秀吉には木下優子という姉がいる、こいつとは正反対の優等生、たいしてこっちは部活に熱を入れている。他人の目標に茶々入れる気はないが、せめて両立ぐらいはしておけと思っている。
「あと言っておくが、わしは男じゃ」
「「「なん・・・・・・・・・だと!?」」」
驚くことでもねぇだろ、男子制服着ているんだし。
「・・・・・・・・・・・・・・・土屋康太」
こいつは土屋康太。ムッツリ商会と言う女子の写真を撮っては売り捌いている、小規模な商売と思えば社会勉強の一環と思えるが、無許可で撮影しているらしく、明らかに犯罪じみたことをやっている。
「です、海外育ちで日本語は会話できますけど」
この声…あいつか
「趣味は吉井明久を殴る事です♪」
めんどくさい奴と同じクラスになってしまったな。
「ハロハロー」
「・・・・・・・・・チッ」
アイツは島田美波。ドイツからの帰国子女で、1年の頃孤立していたから話し相手をしてやったが、それ以来何かと俺に絡んでくる。自分で蒔いた種だが、俺が何かしようとすると関節技をかけようとするから、はっきり言ってウザイ。
「・・・・・・・・・です。よろしく」
おっと、いつの間にか俺の番か………
「吉井明久、以上」
まぁこんぐらいでいいだろう。
ガラガラ
「あの、遅れて、すいま、せん」
「「「え?」」」
この声、何で…
「ちょうどよかったです。自己紹介中なので、姫路さんもお願いします」
何でお前が居るんだ!
「は、はい!あの、姫路瑞希と言います。よろしくお願いします」
姫路・・・・・・・・・瑞希ぃ!!
アイツは姫路瑞希。俺と同じ小学校で、この学園ではトップクラスの成績を持つ。正直同じ学園に居たことに気づいたのは、1年次に行った試験召喚体験授業の時だ、それ以来ストーカーのようについてくるようになったが、俺はアイツが気に食わない、アイツのせいで…
「・・・・・・・・・なんで俺の隣に座る」
「だって、クラスメイトですし」
こいつが近くに座ったことで、周りからの視線が痛い、畜生が…
「言っておくが、俺は許した覚えは無い」
「えっ?」
この女、シラを切りやがって…
「お前のせいで、アイツは」
「・・・・・・・・・・・・・・・」
そう、俺はこいつのせいで大切な者との関係を失いかけた。こいつのせいで・・・・・・・・・こいつのせいでアイツは、小枝は!!
「あ、そうだ、今日は転校生を紹介します」
「「「女子ですかっ!!!」」」
「4人のうち2人が男子で」
「「「チッ」」」
「あと2人が女子ですね」
「「「よっしゃぁぁぁ!!」」」
騒々しい、しかし転校生か…こんなクソクラスに配属されて、さぞかわいそうなこった。
「では、入ってきてください」
ガラガラ
嘘・・・・・・・・・だろ。
「真藤光輝、よろしくな」
「「「美形は帰れ!!」」」
何で、あいつらが…
「水城歌憐です、光輝と付き合っています」
「「「なにぃぃぃ!!」」」
何でここに…
「影月潤、俺のダチに手ぇ出したらぶっ殺すからよろしく」
「「「は、はい」」」
何でここ居るんだよ!!
「軌条皐、うるさい人は嫌いだから、よろしく」
「「「はい」」」
俺が友達だと思えた中学の親友達が…
「光輝!!歌憐!!潤!!皐!!」
今日ここに集まった。
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