バカとテストと召喚獣<神と仮面と先導者>-Remake- 作:Nirkxi
「久しぶりだな、明久」
「変わってないね」
「へ、お前らもな」
突然の再会に興奮した俺は、4人のいる教卓の近くまで駆け寄った。この4人が集まるのは中学の卒業式以来久しぶりだ。
「吉井君の笑顔を見るの、始めてかも知れませんね」
「あっ、すいません、取り乱しました」
「あなたが取り乱すなんて、珍しいわね」
確かにここ最近、こんなに興奮するようなことは無かった。まるで中学時代に戻ったみたいに興奮している。
『諸君、ここはドコだ?』
『『『最後の裁きを下す法廷!!』』』
『異端者には?』
『『『死の鉄槌を!!』』』
『男とは?』
『『『愛を捨て哀に生きるもの』』』
『よろしい、これより異端審問会を開廷する』
突然何だ!?大声で騒ぎやがって…
『被告、吉井明久、汝は我ら異端審問会の掟に背き、女子との交流を持ち』
『つまり』
『女子の友達を持って羨ましいであります!!』
『よし、すごく解りやすい理由だ』
確かに解りやすい、そんでもってとてつもなく、くだらなくて理不尽な理由だな。
「吉井、覚悟は出来てるわよね?」
「明久君?少しO・HA・NA・SIしましょうか?」
暴動に触発されて、女子2人まで暴れ始めやがった。
「明久・潤、戦闘用意」
「「了解!!」」
懐かしい、あの頃と同じだ。あの頃も暴動が起きたときは、光輝が命令し、俺と潤で実行する。俺たち5人でいたあの頃と同じだ。
しばらくお待ちください
「ふぅ、お掃除完了っと」
「ったく、嫉妬で襲うとか常識ねぇだろ」
「だから馬鹿なんでしょ」
約40人の暴走人間を捌いた俺たちは、息を吐くと同時に、微かに微笑を交わした。
「えー、替えを持ってきますので自習をしていてください」
そう言って教師が教室を後にした。そういえば、さっきの暴動で教卓ふっ飛ばしちまったんだよな…後で謝っておくか。
「おい明久、ちょ・・・・・・・・・」
「明久、ちょっといいか」
「何だ」
悪鬼羅刹が何か言おうとしていたが、それを光輝が遮った。
「大事な話がある、ちょっと廊下に出よう」
「?あぁ」
「あ、おい」
悪鬼羅刹を無視し、俺たち5は廊下に出た。
「話って何だ、光輝」
「あぁ、お前のことなんだけどさ」
俺の事?何が言いたいんだ。
「お前さ、Vクラスだろ」
「!?」
いきなり過ぎてビックリした、何で光輝は俺がVクラスだって知っているんだ。
「俺たちもVクラスなんだよ」
「あぁ、そういう事」
同じクラスなのか、だったら納得するな。
「あなた、最近変な夢を見なかった?」
「変な夢?」
「ブラックライトがかかっていた部屋にいた夢なんだが」
「あぁ、あれか」
皐と潤が言ったのはおそらく、今朝見た夢のことだろう。
「やっぱり、明久君も神の先導者なんだ」
「そういえば、あの人も言っていたな、“神の先導者”って」
「あぁ、それはな」
『俺たちFクラスは、Aクラスに“試験召喚戦争”を仕掛けようと思う』
光輝の説明は、あの悪鬼羅刹によって遮られた、だが…
「・・・・・・・・・フッ」
一瞬だけ、光輝の顔がニヤリとした。
こりゃ、何か企んでいるな…
SIDE CHANGE
「勝てるわけが無い」
「これ以上設備が落とされるなんて嫌だ!!」
「姫路さんが居れば何もいらない」
最下位が最上位への戦争。それはすなわち、奴隷が皇帝に戦争を仕掛けるような無謀な戦い、当然反対者もいる。
「そんなことは無い、俺が勝たせてやる」
しかし唯1人、坂本雄二だけが違っていた。絶対に勝てる勝算が、この者の思考回路にあるように。
「このクラスには勝てる要因が…」
「お前には無理だ」
「!?」
しかし、坂本雄二の演説を遮ったのは、真藤光輝だった。
「悪鬼羅刹に陥った、元神童のお前には」
彼の目は、自己紹介や明久達と話していた時の優しい目ではなく。何かの物事を指揮する者の鋭い目に変わっていた。
「お前には、出来る証拠があるのか」
「あるさ、俺を誰だと思っている」
坂本雄二の質問に、自身満々に答える真藤光輝、そして彼は…
「長月中学校生徒会会長、『未來視の軍師』真藤光輝だぜ」
自分が中学時代に語られた二つ名を口に出した。
SIDE CHANGE
「長月中学校生徒会・・・・・・・・・会長」
「未來視の軍師」
「三手先を読み勝ち続け、教師ですら思いつかない策で支持を」
光輝が自分の二つ名を言った瞬間、教室内に動揺が起きた。
「改めて自己紹介しよう。長月中学校生徒会会長、『未來視の軍師』真藤光輝」
「同じく長月中学校生徒会会計、『天性の計算師』水城歌憐」
「長月中学校生徒会副会長、『狂騒の断罪者』影月潤」
「長月中学校生徒会書記、『冷徹な情報屋』軌条皐」
長月中学校生徒会。俺たち5人のみで結成された生徒会だが、数多くの仕事をこなすだけでなく、多くの生徒から支持されて、一部の生徒からは恐怖の対象となっている小規模な組織で、俺たちの代では、最強の5人衆とも言われてきた。
「明久、あなたも言いなさい」
「…長月中学校生徒会庶務、『無慈悲な凶気』吉井明久」
「吉井も・・・・・・・・・生徒会」
「無慈悲な凶気ってあの」
「敵と認識した者は徹底的に潰す、あの」
まぁ、想像通りの反応だな。
「脱線したな、とにかくお前じゃ戦争を勝ち進むことは出来ない」
「何を根拠に」
「学力が全てではない、だっけ」
「!?」
あからさまに悪鬼羅刹が動揺した。
「確かに物事全てが学力を必須とはしない、だがこの場においては学力主義だ。たとえ他クラスを狙うにしても、Aクラス相手だとしたら、どうあがいても学力に頼るしかない」
「そ、それは」
段々と光輝の圧に押されているな、所詮元神童、その頭脳も劣化したみたいだな。
「まぁ、見ていな、俺が本当の戦術を見せてやるよ」
そういって、悪鬼羅刹を押しのけ、教卓にたった。
「お前ら、確かにFクラスは最弱の集まりだ。それは変わらない事実だ」
「「「・・・・・・・・・」」」
「だがな、それを覆す事も出来る!!人にはやり直すチャンスがあるからだ!!」
「「「おぉぉぉぉぉ!!!」」」
「今もう一度、本気になってみろ!!そうすれば、必ず勝ちの希望が見える!!」
「「「オォォォォォ!!」」」
さすが会長、演説はお手の物だな。だが、アイツのあのニヤリとした顔。あいつ、何を企んでいるな。
詳細:長月中学生徒会について
真藤光輝が発足した委員会。仕事内容としては、行事の司会進行や準備がほとんどで、翌日生徒に配布する手紙の分配などが該当する。
表向きは先生の手助けだが、裏活動でいじめなどの問題事を秘密裏に処理していて、その指揮をしていたのが真藤光輝。
光輝・明久の二つ名の由来は本編で出た通りだが、他3人は以下の通り
・水城歌憐「天性の計算師」
部活内の部費等、金銭面でのトラブルを主に処理していた
・影月潤「狂騒の断罪者」
他学校絡みの問題を処理、1人で20人近くの他学校生徒を処理した
・軌条皐「冷徹な情報屋」
クラスでの不審な動きをキャッチし、問題の原因を探る役割