バカとテストと召喚獣<神と仮面と先導者>-Remake-   作:Nirkxi

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Episode3「戦争前、思考と契約」

演説後、光輝は自らDクラスへ向かい、今日の午後に試召戦争を申し込んだ。Fクラスには仮所属の俺たちが居て、特定の科目なら戦える奴らもいるが、あの時の光輝の笑み、何か引っかかる…

「光輝、お前は何を企んでいる」

「明久?何のことだ?」

「普段のお前らしくないからな」

宣戦布告の後、昼食のために屋上へ向かい、その後二人でくつろいでいる中、俺はあの時の笑みに何かあるのか確かめるため、話題を吹っ掛けた。光輝はいつも冷静かつ確実に作戦を練り上げ、それらを完璧に遂行する。こんな勝つ可能性が低いギャンブルに近い戦いは好まない。

「・・・・・・・・・フッ、やっぱ解っちまうか」

「3年間お前の背中を見てきたからな」

やっぱり、何か企んでいみたいだな。

「さっき、俺達もVクラスだって言ったよな」

「あぁ」

「俺はVクラスの代表でな、先にクラス全員の名前とかのデータがメールで送られたんだ」

光輝がVクラスの代表なのか、まぁ中学でも3年間学年主席だったし、戦略を作るのもこいつが一番強そうだからな。にしてもメールでクラスのメンツ全員送られたのか。

「Vクラスは俺たち、”神の先導者”に選ばれた生徒しか所属できない、特別クラスなんだ」

「さっきも言ったが、その神の先導者って何だ」

「あぁそれな。お前さぁ、ヴァンガードやっているだろ」

「まぁ、偶にだけどな」

俺は中学の時、こいつに進められて『カードファイト!!ヴァンガード』っていうカードゲームをやり始めた。最初は暇つぶしのつもりだったが、日を重ねる毎に熱中していき、今ではショップ大会で優勝する実力まで上がっていった。

「そのヴァンガードで、各クラン毎に選ばれた特別な存在。それが神の先導者らしい」

「それが俺達ってことか」

あまり実感がない。

「お前は確か、エトランジェだな」

「またなんとも微妙なところだな」

「あの頃から1種類しかない『ブラスター・ケロロ』を愛用していたからな、お前」

確かに、フィニッシャーとして愛用していたが、たったそれだけで俺が神の先導者になれるのか?

「ちなみに、お前を含めた皆は」

「俺は『ロイヤルパラディン』、潤は『シャドウパラディン』で、歌憐は『バミューダ△』、皐は『オラクルシンクタンク』な」

まぁ知ってたが、自分の十八番ユニットが居るクランのようだな。

「ただ普通にプレイヤーとしてやっていただけなんだが、なんで…」

「わからない、ただ―――」

光輝が何かを言おうとした瞬間だった…

 

 

 

突然俺の視界が、あの夢と同じブラックライトの部屋に変わった。

「また会ったわね」

「あんたは」

そこには、あの夢と同じ女性が座っていた。

「吉井明久、あなたの力はまだ小さい。ですが、貴方と同じ力を持つ者との関わりを持つことです」

俺と同じ力を持つ者?

「そうすれば、貴方は誰にも負けない強さを持つでしょう」

そう言って女は、光の球を俺の前に飛ばした。やがて光の球は弾け、出てきたのは“白い石にドミノマスクが書かれたカード”の紋章が刻まれた指輪だ。

「これは」

「さぁ、見せてもらいますよ、エトランジェの神の先導者」

 

 

 

「おーい、明久ぁー」

「・・・・・・・・・あぁ?」

いつの間にか、俺は大の字で寝ていた。

「どうした」

「なんか、変な夢を見た気がして・・・・・・・・・なんだ?」

起きようとしたら、右手に違和感を持った。握っていた拳を開いてみると、そこにはあの時渡された指輪があった。それを見た瞬間、光輝の目は作戦を指示する時と同じ目をした。

「“契約の指輪”、俺達神の先導者の証でもある。」

「ってことは、光輝も」

「あぁ、ほら」

そういって、光輝はポケットから、“黄色の石に左斜め下に刺さっているレイピア”の紋章が刻まれた指輪だ。

「俺のとは石の色が違うんだな」

「おそらく国家ごとに分かれているんだろ。潤と皐も黄色で、歌憐は青だったし」

確かに国家ごとに違うな、俺のエトランジェは白だから、そういうことか…

「話を戻すぞ、神の先導者は俺らを含めて現状18人、それぞれA,B,D,Fの4クラスに配属されたんだ」

「AとBならわかるが、なんでDとFなんだ」

「まぁ簡単なことだ、Fの代表は絶対にクラス設備に不満を持つ、だからAクラスに対して下克上を狙う。Eは1つ上だからおそらく飛ばされDを狙う。そしてAクラス戦の前哨戦としてBを狙うだろうと思ったのさ。あの赤毛男は俺の思考通りに動いてくれた」

光輝、生徒会の時から思っていたが、その思考力どうなっているんだよ…もはや恐怖を覚えるぞ…ん?

「待てよ、てことはこの試召戦争は」

「Fクラスの下克上を利用した、Vクラスの召喚獣戦闘訓練ってやつだな」

マジかよ…ホント恐ろしいなおい。

「明久、この試召戦争協力してくれるよな」

「フッ、当たり前だろ」

そういって、互いに手を交し合った。




次回ついに戦闘回、リメイク前では一番誤字が多かったので、細心の注意を払っていきます。

誤字などがありましたら報告お願いします。

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