バカとテストと召喚獣<神と仮面と先導者>-Remake-   作:Nirkxi

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長期間の放置すいません。
資格試験が重なってなかなか投稿できませんでした。

またマイペースに投稿していくので、お許しください。


Episode6「力の破片 絆の始まり」

「絆………か」

昨日言われたあの言葉、自分は切り札ともいえる存在であり,俺が強くなるには他者との絆が必要………か、今まで関わりを避けていた俺にとっては皮肉な話だ。

「明久、どうしたの?」

「歌憐か、なんでもない」

登校中、歌憐とバッタリ会った………あれ?

「光輝はどうした」

「今日は先に行くって」

「そっか」

そんな他愛も無い会話をしながら俺たちは学校に向かった。しかし、光輝が歌憐を置いて先に行くなんて珍しいな。

 

 

 

SIDE CHANGE

 

 

 

「予想通り、Fクラスは上位クラスに対して、下剋上を行う意思がありました」

「先日のFクラス対Dクラスの試験召喚戦争から、大体は理解しているが、あんたの想定通りに動いているってわけね」

「えぇ、『最下位クラスは、クラス毎の差別で反感が強い』、これをうまく利用すれば、Vクラス全員の戦闘力アップにつながると思いましたから、ここまでは完璧です」

ここは文月学園学園長室、文月学園学園長である藤堂カヲルと、Vクラス代表の真藤光輝が対談を行っていた。

「それでVクラス教室の方は」

「もうじきってところさね、完成次第呼び出すよ」

「わかりました、ではよろしくお願いします」

完成まであと少しのVクラス教室、その報告を聞いてから学園長室を出た真藤光輝は、ニヤリとした口をしていた。

 

 

 

SIDE CHANGE

 

 

 

「ったく、いい加減学習しろ」

「それが出来ないからFクラスなんでしょ」

「まぁ、そうだな」

4時間目の補充試験が終了した途端、今朝俺と歌憐が一緒に登校していたことに逆上したFクラスの馬鹿どもが襲い掛かってきた。今日は1時間目から補充試験の連続で、終わるたびに難癖付けて襲い掛かってきた、襲い掛かるたび返り討ちをするがいい加減疲れる。

「だがまぁ、これじゃあゆっくり昼食を食べれないな」

「なら屋上に行きましょう。午後から戦争だし、気分転換になるでしょう」

「そうだな」

教室でぶっ倒れている馬鹿共を放置して、俺たちは屋上へ向かった。何事もなく屋上についた俺らは、皐が持参してきたレジャーシートを広げ、俺が持参した重箱を囲うように座り、各々おかずを取って昼食を開始した。

「相変わらず、お前の飯は美味いな」

「ホント、この味変わってないわね」

「まぁな、お前らならこの味好きだろ」

「うん!ありがとう」

こいつらに弁当を作るのは中学の大型イベントの時以来だな、潤や歌憐の薄味好きも昔から変わってなくてよかった。

「ん?おぬしらもここに居ったか」

今の声、木下秀吉か…

「お前らもメシか?」

「あぁ、教室じゃ薄汚いからな」

俺らと同じ理由か、しかしまぁめんどくせえ連中が来たな。

「あ、美味しそう。誰作ったの?」

「俺だ」

「嘘ね」「嘘ですね」

「んだとてめぇ」

勝手に嘘と決めつけた島田と姫路を睨みつける。この程度でビクつくくせに、相変わらず口だけは一丁前だな。

 

 

 

「なんか………臭うな」

「確かに、ちょっと臭いね」

俺たちとは離れて食うあいつらの方向から悪臭が漂う。これは、化学室とかで使う化学薬品独特臭いだな。

「怪しいのは、あそこの弁当箱ね」

「あそこって確か、姫路しか弁当箱出してないよな」

よりによってアイツか、あんまり関わりたくはないんだが…

「ちょっと待っていろ、行ってくる」

そういって潤が立ち上がった、説教しに行くのか?

「姫路、その弁当美味そうだな、一ついいか?」

「えっ、はい、どうぞ」

アイツ、自分で危険だって言った物に手をかけやがった

「はむ、………ブゥゥゥゥゥ!!」

玉子焼きが盛大に吐き出されたぞ!?

「てめぇ、料理に何入れやがった!!」

「ひっ!?」

離れているこっちまで声が聞こえてきた。

「潤、完全にキレたな」

「ほっとけ、あぁなったアイツはもう止められない」

 

 

 

「ほらよ」

「サンキュー」

後々わかったが、あの弁当には“王水”が入っていることがわかった、そりゃ異臭がするわけだ。説教後にお茶を飲ませて、九死に一生を得た表情をしている潤を含め。俺たち5人は、これから行われるBクラス戦の作戦会議をしていた。

「Dクラス戦では固まって戦闘を行っていたが、Bクラス戦は2人1組を維持する形で戦闘を行う」

「2人1組でか?」

「あぁ、おそらくDクラス戦で俺たちの実力が他クラスに伝わっている。そして、それらに対応できるように、高得点所持者である俺たち神の先導者をぶつける可能性が高い」

「それを狙って、2対1になるようにするってことね」

そういうことか、確かにいい作戦だ

「じゃあ、久しぶりにあれやろうぜ」

「いいわね、久しぶりに5人そろっているし」

「懐かしいな、この感じ」

そう言いながら俺たち5人は円陣を組み、互いに右手を円陣の中心に持っていき合わせる。

「AreYouReady!」

「「「「Yes!!GO!!」」」」

光輝の掛け声で、俺たちは互いに声を上げ、手を少し下げた後に上へ上げる。これは俺たちが生徒会として活動していた頃から、気合を入れるために行っていた。これをやると、自然と昔のように力が入ってくる気がするんだよな。

 

 

『汝、吉井明久よ…

汝に秘められし、新たなる力の鍵の覚醒を感じたり…

その鍵は汝の力となりうる、新たなる汝の仮面…

鍵の名は“愚者”、己の覚悟を示し時、新たなる鍵の名叫べ。』

 

 

 

 

SIDE CHANGE

 

 

 

「AreYouReady!」

「「「「Yes!!GO!!」」」」

彼ら5人が円陣を組み、互いに士気を高めているその頃…

「なんで…ですか」

ある1人の少女が呟いていた。

「何で私じゃだめなんですか」

まるで口癖のように、何度も何度も呟く…

「認めません、私以外の誰かと仲良くなろうなんて許しません」

その少女は、強い独占欲を持っているらしい。

「認めない、ミトメナイ、ミトメナイ!!!!」

狂ったように呟く少女、その瞳は元々青色のはずが、黒く濁っていた


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