バカとテストと召喚獣<神と仮面と先導者>-Remake- 作:Nirkxi
資格試験が重なってなかなか投稿できませんでした。
またマイペースに投稿していくので、お許しください。
「絆………か」
昨日言われたあの言葉、自分は切り札ともいえる存在であり,俺が強くなるには他者との絆が必要………か、今まで関わりを避けていた俺にとっては皮肉な話だ。
「明久、どうしたの?」
「歌憐か、なんでもない」
登校中、歌憐とバッタリ会った………あれ?
「光輝はどうした」
「今日は先に行くって」
「そっか」
そんな他愛も無い会話をしながら俺たちは学校に向かった。しかし、光輝が歌憐を置いて先に行くなんて珍しいな。
SIDE CHANGE
「予想通り、Fクラスは上位クラスに対して、下剋上を行う意思がありました」
「先日のFクラス対Dクラスの試験召喚戦争から、大体は理解しているが、あんたの想定通りに動いているってわけね」
「えぇ、『最下位クラスは、クラス毎の差別で反感が強い』、これをうまく利用すれば、Vクラス全員の戦闘力アップにつながると思いましたから、ここまでは完璧です」
ここは文月学園学園長室、文月学園学園長である藤堂カヲルと、Vクラス代表の真藤光輝が対談を行っていた。
「それでVクラス教室の方は」
「もうじきってところさね、完成次第呼び出すよ」
「わかりました、ではよろしくお願いします」
完成まであと少しのVクラス教室、その報告を聞いてから学園長室を出た真藤光輝は、ニヤリとした口をしていた。
SIDE CHANGE
「ったく、いい加減学習しろ」
「それが出来ないからFクラスなんでしょ」
「まぁ、そうだな」
4時間目の補充試験が終了した途端、今朝俺と歌憐が一緒に登校していたことに逆上したFクラスの馬鹿どもが襲い掛かってきた。今日は1時間目から補充試験の連続で、終わるたびに難癖付けて襲い掛かってきた、襲い掛かるたび返り討ちをするがいい加減疲れる。
「だがまぁ、これじゃあゆっくり昼食を食べれないな」
「なら屋上に行きましょう。午後から戦争だし、気分転換になるでしょう」
「そうだな」
教室でぶっ倒れている馬鹿共を放置して、俺たちは屋上へ向かった。何事もなく屋上についた俺らは、皐が持参してきたレジャーシートを広げ、俺が持参した重箱を囲うように座り、各々おかずを取って昼食を開始した。
「相変わらず、お前の飯は美味いな」
「ホント、この味変わってないわね」
「まぁな、お前らならこの味好きだろ」
「うん!ありがとう」
こいつらに弁当を作るのは中学の大型イベントの時以来だな、潤や歌憐の薄味好きも昔から変わってなくてよかった。
「ん?おぬしらもここに居ったか」
今の声、木下秀吉か…
「お前らもメシか?」
「あぁ、教室じゃ薄汚いからな」
俺らと同じ理由か、しかしまぁめんどくせえ連中が来たな。
「あ、美味しそう。誰作ったの?」
「俺だ」
「嘘ね」「嘘ですね」
「んだとてめぇ」
勝手に嘘と決めつけた島田と姫路を睨みつける。この程度でビクつくくせに、相変わらず口だけは一丁前だな。
「なんか………臭うな」
「確かに、ちょっと臭いね」
俺たちとは離れて食うあいつらの方向から悪臭が漂う。これは、化学室とかで使う化学薬品独特臭いだな。
「怪しいのは、あそこの弁当箱ね」
「あそこって確か、姫路しか弁当箱出してないよな」
よりによってアイツか、あんまり関わりたくはないんだが…
「ちょっと待っていろ、行ってくる」
そういって潤が立ち上がった、説教しに行くのか?
「姫路、その弁当美味そうだな、一ついいか?」
「えっ、はい、どうぞ」
アイツ、自分で危険だって言った物に手をかけやがった
「はむ、………ブゥゥゥゥゥ!!」
玉子焼きが盛大に吐き出されたぞ!?
「てめぇ、料理に何入れやがった!!」
「ひっ!?」
離れているこっちまで声が聞こえてきた。
「潤、完全にキレたな」
「ほっとけ、あぁなったアイツはもう止められない」
「ほらよ」
「サンキュー」
後々わかったが、あの弁当には“王水”が入っていることがわかった、そりゃ異臭がするわけだ。説教後にお茶を飲ませて、九死に一生を得た表情をしている潤を含め。俺たち5人は、これから行われるBクラス戦の作戦会議をしていた。
「Dクラス戦では固まって戦闘を行っていたが、Bクラス戦は2人1組を維持する形で戦闘を行う」
「2人1組でか?」
「あぁ、おそらくDクラス戦で俺たちの実力が他クラスに伝わっている。そして、それらに対応できるように、高得点所持者である俺たち神の先導者をぶつける可能性が高い」
「それを狙って、2対1になるようにするってことね」
そういうことか、確かにいい作戦だ
「じゃあ、久しぶりにあれやろうぜ」
「いいわね、久しぶりに5人そろっているし」
「懐かしいな、この感じ」
そう言いながら俺たち5人は円陣を組み、互いに右手を円陣の中心に持っていき合わせる。
「AreYouReady!」
「「「「Yes!!GO!!」」」」
光輝の掛け声で、俺たちは互いに声を上げ、手を少し下げた後に上へ上げる。これは俺たちが生徒会として活動していた頃から、気合を入れるために行っていた。これをやると、自然と昔のように力が入ってくる気がするんだよな。
『汝、吉井明久よ…
汝に秘められし、新たなる力の鍵の覚醒を感じたり…
その鍵は汝の力となりうる、新たなる汝の仮面…
鍵の名は“愚者”、己の覚悟を示し時、新たなる鍵の名叫べ。』
SIDE CHANGE
「AreYouReady!」
「「「「Yes!!GO!!」」」」
彼ら5人が円陣を組み、互いに士気を高めているその頃…
「なんで…ですか」
ある1人の少女が呟いていた。
「何で私じゃだめなんですか」
まるで口癖のように、何度も何度も呟く…
「認めません、私以外の誰かと仲良くなろうなんて許しません」
その少女は、強い独占欲を持っているらしい。
「認めない、ミトメナイ、ミトメナイ!!!!」
狂ったように呟く少女、その瞳は元々青色のはずが、黒く濁っていた