「こんにちわー」
「また来たの!?」
「いやぁ、前来た時に桃食うの忘れたなぁと思ってさ」
天界、そこの一流貴族のお嬢様
そこに軽く通されるようになった事が、多分一番の天界武勇伝なんじゃないかな?と、一人でかるく思う
そして、それを見透かしたように呆れ顔をする天子がさらりと中に通してくれた
もう、すっかり顔見知りだ
説教された天人達は、天界の中でも下の方で
特に居なくても問題ないらしく、ただそいつ等を倒した俺への畏怖の感情から此処まで通してもらえてる
ただ、それが続きすぎて、少し顔見知りが増えちゃったぜ!みたいな感じだ
「適当に座ってて、今持ってこさせるわ」
そういって天子は座布団を投げてよこす
それをおぼつかない手付きで上手くキャッチすると、机の前にあぐらをかいた
「つったく、なんでそんなにも優々と来れるのよ」
「いや、だって貴族で寂しかったから異変起こしたんだろ?」
「いや、まぁ。そうなんだけどさ」
「ならいいじゃないか、俺と天子は友達って事でさ」
「でも、何か気に食わないのよっ!」
と、天子は机を叩いていった
なんか、地味に鬱憤が多いらしい
俺にぶつけられても正直困るんだけどなぁ
「何が気に食わないのさ?」
「アンタが此処に慣れすぎなのよ!
アレでしょ、アンタ地上の妖怪でしょ!
なんでさらっと来れるのよ!大体私の計画ぶち壊ししといて、なんでそうサラッとしてるのよ!」
「いや、ほら言うじゃん?
幻想郷では常識にとらわれてはいけないってさ」
「始めて聞いたわよ!なにそれ、そんな言葉が幻想郷に出回ってるの!!
危なっかしすぎるでしょ幻想郷、管理者の頭どうかしてるんじゃない!?」
「いやぁ、人間と妖怪の平等を掲げた時点でわかるだろ」
「……それもそうね」
と、まぁ会話が落ち着いてから入りづらそうだった使いの衣玖が入ってきて桃を置く
これはまた、随分と綺麗な桃で
「なにこれ、年中生えてんの?」
「まぁ、そんな感じね」
ふーん。と俺は返事をしてから爪楊枝で一切れ刺すと
そのままぱくりと口に含んだ
うん、久しぶりに食べたからか美味しいぜ
「結構美味しかった」
「それはまぁ、一番美味しい所が謙譲されるからね
でも、不味い奴はホント不味いわよ、効果も薄いし」
「あぁ、そういや身体強化の効果があるんだっけ?」
俺はそういいながら幽々子の三分の一のペースで食べ続ける
それでも、天子から言わせれば早いらしいけど
「……それでさ、本当に桃くいに来ただけなの?」
「ん?なになに、天子ちゃんに逢いに来たとか言って欲しいの?」
「言って欲しいわけじゃないけど、言われたら嬉しいわね」
そうか、今度はその名目で来ようかな?
いや……まてよ
「ん~、なぁ天子?」
「なによ、どうかしたの?」
「今度幻想郷で花見が大きくあると思うんだ
それに来てみるかい?」
「え、いいの?」
「もちろん、俺が良いと思うから良いんだよ
それとも、やっぱり天界がいいか?」
「いえ、行きたいわ。
異変以来まったく会っていないし、できれば弾幕ゴッコもしたいし」
「OK,じゃあ決まりだな。
今度花見の日時が決まったら、真っ先に立ち寄るよ」
「そう言うことだったら、今はたっぷりもてなしてあげようかしら
衣玖、少し早めの夕飯を準備させてくれるかしら?」
「いいんですか、家に上げるのでも反発する輩が居そうなのに
ましてや夕飯をもてなして?」
「いざとなれば蒼真が食欲でどうにかしてくれるわ」
「自分で言うのもなんだが、それは一理ある」
俺と天子の押しで、衣玖はそのまま下がり
5時45分くらいかな、7時に食べる俺としては相当早い夕飯が仕立てあがった
お嬢様だけあってかなり豪華なのだが
なんせ初天界料理で、なにがどれだかわからねぇ
美鈴に中国料理を、咲夜さんに西洋料理をつくって貰うのとは訳がちがったぜ
「さぁ、食べなさい!」
「いっ、頂きます」
まずサラダっぽいのを食って、魚っぽいのを食ってと、一通り全部食っていく
が、ハズレは無いらしい。むしろ何時も食ってるのよりは豪華感が滲み出ている
後、米が何時も食っている米と大差が無いのが、唯一の救いだった
「どっ、どう?美味しいかしら?」
「ああ、普通に上手いと思う
どれがどれだかさっぱりわかんねぇのが残念だが」
「多分、名前を言っても食べる気が失せるだけだと思うわ」
「なら、聞かないよ」
そういって、少し雑談を交えながら夕飯を美味しく頂いた
天子について色々知る事が出来たし、こういう機会も偶にはいいかな
なんて、そう思ったよ