「そんなお誘いいつ以来だ?」
俺は自宅への訪問者と、その用件を聞いてそういった
霊夢、魔理沙、咲夜、妖夢、早苗……有名どころの人間味が強い5人
そういっても過言ではないだろう、そう思う
その主人公勢が、バグキャラである俺に「弾幕ゴッコ」がしたい。そう持ちかけてきたのだ
理由は単純明快。力試しである
「で、どうなのよ?受けるの、受けないの?」
そう言う霊夢に向かって俺は「わかった、5対1でいいぜ」と舐めきったような顔をした
向こうの5人があからさまに機嫌が悪くなる、バカにしたんだからしょうがないけどね
庭から少し飛んだあたり、人里も離れ周りに被害はほぼ出ない
「さてと、バカにした罪は重いわよ?」
「いっちょ、やってやるぜ」
「抵抗なんてする前に沈めます」
「失礼ながら、今回だけは引きません」
「全力で行きますよ」
なんて、5人それぞれが言ってくる
無論弱い俺が5人同時なんて、無理に決まってるだろ?
俺の知能は小学生並だからなぁ、穴を掻い潜るんだよ
「じゃあ、始めようか」
なんて言って俺は早速一枚、カードを引き抜いた
「「「「「行きます!!」」」」」
クールな咲夜、真面目な妖夢までもが叫んだ瞬間、俺は速攻でスペルカードを発動した
「七宝~七色の獣~」
白、赤、黄、緑、青、紫、黒の7色の光りが放たれる
そう、式神 八雲藍と同じように『機獣召喚スペル」だ
空翔る炎の朱雀、うねりを上げる水の青龍
大気さえ凍らせる氷の白虎、閃光と雷撃の麒麟
一陣の風の緑狼、構える事山の如しの玄武
全てを溶かしつくす紫熊と、七匹の獣が目の前に出現した
げっ!と言う声があちら側から聞こえる
「ちょっと!5対1でしょ!!」なんて言う霊夢に
「獣は1人って数えないだろ?」とガキみたいに笑ってやった
大丈夫だ、お前は俺が相手してやるからさ
行け!と言った瞬間、俺も走った
真っ先に霊夢の正面へ滑り込み、初手弾幕
無論、密度は薄くあっさりとかわされる
「随分と卑怯な事してくれるじゃない」
「電車だしたり藍出す様な先駆者(紫)にまず言ってこい」
俺はそういいながら両手で大量に弾を放つ
流石に手数が多いと、掠りはするのだが致命傷には至らない
決定的な一手は、やはり尽く交わされるのだ
「フン、地底のカラスや最近の妖怪に比べたら楽なほうよ!」
「それを、機獣相手に行ってみろってんだ。俺でさえ苦戦するぞ」
そういいつつも弾を放つが、向こうの応戦が始まり少しよける事にも頭を使わなくてはいけなくなった
右へ左へ、ステップを刻みながら弾幕を放つ
しかし、ゲームのときとは違い3D用は縦があるのだ
相手の動きを先読みし放てない限り、決めは入らないだろう
退路を塞ぎ、一方しか逃げ道が無くなった……!
その先に向かって勢い良く弾幕を放った直後
ーーー霊夢が俺の前まで迫っていた
「霊符『夢想封印』」
霊夢の宣言が入り虹色の球体が俺に襲い掛かった刹那、全被弾を覚悟して霊夢の腹に弾を決め込んだ
スペルブレイクが先か、被弾が先か……
左から弾の鈍い衝撃が走る、俺の手からますます弾が放たれる
霊夢がその弾から逃れようとするが、被弾の衝撃で動きが遅く、被弾が重なる
右……真後ろ……そして、残るは前だけになった時
霊夢が流石に降参した
「うっ、痛いわね。まさか避けずに近距離を利用するなんて思って無かったわ」
「こっちも痛かったわ」なんて俺も言い返して、2人で他方を見送った
「よりによって二匹かよ」
私の目の前には麒麟と緑狼が迫る
どちらもスピードが早いだけに、容易な被弾は予想できなかった
それでも、パワーで、押しきるっ!!
星型の弾幕が二匹に向かって勢い良く放たれた
散会するかのように左右に別れ、どちらへも目の離せない状態になる
箒で動きながら、二匹を視界に入れて弾幕である程度の逃げ道を操作していく
そのまま暫く避けられつつ、黄と緑の弾を避けつつ渡り合う
そして、狙っていた一瞬が来た
避けるのに夢中で二匹がまた近づく一瞬
其処に向かって私はマスタースパークを全力で放った!
溢れんばかりの極太ビームが二匹を飲み込みかけた
しかし、紙一重。狙いから左右にずれておりマスパは当たらなかった
だが、回り込むようにはなっていた通常弾が数発、あるいは数十発。
二匹の身体にヒットした
「よっしゃ!」なんて少し当たった事に嬉しがると、報復の時は直に訪れた
二匹の上空に黒い乱雲が雪崩れ込み、突風が吹き雷が鳴る
ーー星の少女よ、その光りは美しかった
ーーだが、空を遮ればそれは映らない
ーー私たちへ逆らった罰を受けよ
『風雷 荒れる大空』
そんな声が聞こえた気がした
渦巻くような風と、鳴り響く雷が二匹に集まり
マスパを越えるような捻れる、極太ビームとなって発射された
その速さは私の早さなど遥かに越えていて
凄まじい風で動く事もままならず
恐ろしい程あっけなく、私は被弾した
「まったく、めんどくさそうね」
目の前に佇む鳥と亀。
そいつらは巧みに二色の弾幕を散らしてくる
時間を止めれば避ける事自体は楽なのだが、それは能力に頼らなければよけられない事を意味する
そんな屈辱は嫌、私は全てを紙一重ながらも避ける
そして、奴らに向かってナイフを投げるのだが、其れは届く前に溶かされてしまう
「随分と厄介ね」私はそう呟いた
時間を止める……奴らの目の前に向かって三重、四重にもナイフを浴びせて時を戻す
しかし、それらもまた、亀の強固な岩によって弾かれてしまうのだ
なにより被弾した所で、ダメージが通るかどうかが怪しい
本当に面倒臭い奴らだ、なんて思いながら私は考える
ただひたすらにナイフを投げて隙を計るか?
いや、否!
私はナイフを数十本と投げた
亀と鳥がそちらへ向けて能力を行使する寸前、私は時間を止めた
全速力で後ろに回りこみ、何重にもナイフを張り巡らせた
そして、時は動き出す
結論から言えば、確かに後ろからのナイフは全て命中した
しかし、そこにあった思わぬ誤算は「奴らが私が居ない事に直気づいた事」
後ろに向けて放たれた土煙と、燃える羽
その煙の所作で私は咳き込んだ
その一瞬に声が聞こえた
ーー我らの後ろを取るとは見上げた根性よ
ーーだが、それも時を駆けるからこそ
ーー動けなくなれば、どうと言う事は無い
『焦土 燃える大地』
亀の出す土が唸りをあげる生物のようになる
其れが炎により溶かされ……そう
溶岩のような、燃える土
ほぼ液状とでもいえるそれと、下から込み上げる火柱
視界を遮る土煙が、一斉に私を襲った
弾幕の所作、一種のビームではあるのだが想像以上に熱く
敵の攻撃も煙で見えず、時を止める暇も余裕も無く
そのまま私は被弾した
「くっ!」
勢い良く切りかかるが、それはあの爪によって全て弾かれる
どころか、あの爪に長く触れていると煙を立てて剣が変形してしまうのだ
弾幕を放ちながら、私は接近を試みるも
結局はあの武道家のような動きにより全て弾かれてしまう
この熊の様な獣、かつてに戦った虎よりも相性が悪い
そう深く実感した
が、同時に巫女のような素手で戦う場合がある者よりかは危険が少ないと安心できた
あの爪からリアルに伝わってくる『死』のイメージ
私はその雰囲気が嫌で、掻き消すように弾幕を放った
その陰に隠れて近づき、剣を振るう
弾幕を弾き、一瞬だがボディが空いた!
そこに潜り込んで私は剣を付きたてた!
しかし、普通ならないような誤算が其処には含まれていた
生物の場合、それは確実に突き刺さる
しかし、金属の場合は削りはするが「弾かれる」
思えば機獣であること、弾幕を大した傷も無く弾けるのであるから分かるはずだった
けれど、弾かれ体勢を崩した
前に何度も受けたような感じの光りが広がる
白ではなく、紫色の光り
ーーもう少し冷静になるべきだ
ーー此れを気に、その身へ刻め
『紫印 錯乱之猛毒』
紫色のビームが、崩れ落ちる私の身体をしっかりと捕らえていった
「嫌ですね」
私はお払い棒を片手に虎と龍に退治していた
昔から虎と龍は仲が悪いみたいな事を言うが、まったくそんな感じはしない
やはり、常識にとらわれてはいけないのだ
できることをやるだけ、そう思いながら私は弾幕を放つ
しかし、うねる様に動く龍の軌道はまったく分からないし
そちらばかり注意していると、白い弾幕が周りを多い尽くしている
おまけに、私の周りは異様に温度が低くなっているのだ
白い霧も出始める、これは虎の所作と考えていいだろう
まだ微かに捉えられる二つのシルエットに、私は弾幕を放った
その刹那、後ろから唸り声がした
振り向かずにそのまま離れる
丁度さっき居た所の真後ろ、そこに龍が佇んでいるのだ
しかし、振り返ると其処にはシルエットが確かに浮かんでいる
私は弾幕を無差別に起こし、霧を一時的に掻き消した
……水だ、水が形を取っていたのだ
ならば、あのシルエットはもう当てにならない
直感だけを信じて、私は弾幕を放った
霧に消えると同時に唸り声が聞こえた
威嚇とは違う、苦しむような感じ
私はそちらへ有無をも言わず、ひたすらに弾幕を放った
しかし、もうその声は聞こえずシルエットだけが……!
ーーその感は天性ではなく、一つの奇跡
ーー運が見方であることは頼もしい事だが
ーー実力の前には無力
『氷水 凍る大海』
後ろからとてつもない勢いで水が吹き付けられた
その中の無数の氷塊が、身体に当たって砕けていく
その冷たさと痛みに、私は倒れるしかなかった
「「「「「蒼真サイテー」」」」」
「何度でも言えよ、俺は一人で戦うとは言ってないし」
「ふーん、そう言う事言うんだ」
「痛かったし、約束破られたし。私は団子20串で我慢してやる」
「はぁ!!」
俺は思わず叫んだ、急に食いモン集り始めやがった
「なら私は黄粉もちとあんこもち~」
「なら、私は餡蜜を頂きましょう」
「抹茶~」
「ちょっ!お前ら!」
必死に反抗するも、本当の5対1は絶望的なほど分が悪く
結局、全員におごる事となった