東方黒鉄伝   作:荒無 時竜

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肩ってこりますよね

昨日は投稿できなくてすいません、書けませんでしたww


肩痛い

「マスター、いつもの」

「はい」

俺はカウンター越しに言うと、見越していたかのようにコーヒーが出てくる

人里の一角、一見するとただの団子屋……なのだが

実は常連さんにだけ入る事を許された地下がある

薄暗い室内、オレンジの光りが綺麗な此処

茶色と黒の暗い雰囲気がまた良い感じをかもし出している

白いカップを口に運び、何時もどおりの苦さに安堵を覚えた

ふぅ……と、俺は一口飲み終えため息をついた

「それで、今日はどうされました?」

「上で見ただろ?集られてすっからかんさ」

「そうですね、女性とは恐ろしいものです」

下を向いてカップを洗い始めるが、耳はしっかりこっちに向いている

辛い日や、愚痴がたまった日は此処で飲むのが日課だ

マスターの八神さんは外来人の子らしく、外の話もある程度理解してもらえるので、話しやすいのだ

 

「はぁ、体がもう持たなくなってきてさ」

「蒼真さんはあちらこちらへと、体がいくつあっても足りないでしょう」

悟ったように、落ち着いて語る八神さん

歳はもう48と、少しばかり老いていてその分大人の魅力というか、話していると自分の幼さを感じさせられる

「そう……ですね、マッサージ店ぐらい出来てくれるといいんですけど」

「蒼真さんは、毎回同じ事を言いますね」

「昔から肩がこるんですよ」

俺は少し肩を叩いてからコーヒーを飲んだ

苦味が舌を刺激し、今日の辛さを分かってくれるような

飲食物に心の拠り所を求めるというのも変な話だが、この辛さは異常だ

「実はですね、今度紅魔館の方々と永遠亭の方々が共同でマッサージ店をやるらしいんですよ」

「どこ情報だよ、それ」

俺が疑うような目線を八神に送ると、一枚のビラを見せてくれた

そこには確かにマッサージ店と書いてあるが……

「常夜之安息館」って、永遠亭無視してレミリアがはりきりまくってるじゃん

「どこにあるの、コレ?」

「確か、湖の畔です。9時開店らしいので行ってみては?」

「ありがとう、行ってみるよ」

俺は席を立ち、何時もどおり銀色の高価を一枚机に置いた

そのまま階段を上がって、『苦団子』と書かれた看板をくぐる

 

 

「上手い具合に働くわねぇ」

「蒼真さんは常連ですからね、迷惑にならない範囲ならご協力致しますよ」

八神の隣、其処に紫が現れる

紫は八神へ色々な人妖の情報を流し、また得るというサイクルを回している

其れを蒼真にぶつけるというのは、一種の情報屋

そこには蒼真へ向けた手紙や、話も舞い込むので依頼カウンターのような役目でもある

「協力してくれたし、マスター蒼真と同じものを」

紫は向かいに移動し、渡されたコーヒーを受け取る

「ふふふ、優しい苦さ。そんな感じがするわ」

「蒼真さんが最初に飲んだ時、同じ事を言っていましたよ」

八神は懐かしそうに微笑んだ

 

 

 

「本当にあったよ」

如何にも痛い看板が泉の畔、人里側に立っている

その向こうには紅と黒が混じった西洋風の屋敷のような店が広がっている

月の科学力なのか、ネオンライトが眩しい

絶賛開店中の様だが、この時間は外に出るのが厳しい

つまり……

「妖怪専用か?」

俺はそう呟いた

まぁ、ともかく中に入ってみる事にする

ガチャリとノブを捻り戸を開ける

「いらっしゃいま……って、蒼真さん?」

目の前に浴衣の美鈴が立っていた

反射的に自分の鼻を全力で押さえる

なにやら赤いものが飛び出しそうだ

いや、飛び出しはしなかったが、それほどの魅力がある

「バーの八神さんに聞いてさ」

「あー、妖怪の方が行く事の多いという「苦団子」ですか」

いいですねぇ、行って見たいなんていいながら俺を奥に通してくれた

中は白色蛍光灯が光っている、何処かで大規模な発電が行われているのだろう

 

……兎や妖精を用いた

自分の考えに苦笑いを覚え、美鈴に声を掛けられながら奥のドアを開けた

其の奥には、美人浴衣の揃い踏み

まず惹かれたのは輝夜、長い黒髪が本当に綺麗だ

「誰かと思ったら、蒼真じゃない」

別方向から声が掛かり、振り向くとそこにはレミリアが居た

「貴方も、日ごろに疲れたのかしら?」

「肩がこりまくってね、噂を聞いたから来てみたのさ」

そう、それは丁度良かったわ。とレミリアは言い、ベットへ案内される

下の籠に上を脱いで入れ、寝そべる

周りからの視線が凄く熱く、恥ずかしいわ

「あっ!お姉さまずるい!」

突如、奥から浴衣のフランが現れる

その向こうから歩いてくる咲夜は申し訳無さそうにしている

「ずるくないわ、まだやっていないもの」

「そう?ならいいわ」

といって2人は俺の左右へ別々に立った

細く、滑らかな20の指が肩に触れた

一番硬くなる部分、其処に親指の腹が当たり

少し力が……ーーー

 

「あがああああああっ!!!!」

俺は勢い良く仰け反った

肩に、首に尋常じゃない程の痛みが走ったからだ

明らかに肩をこり過ぎた、其れが痛いほど認識できた

実際に痛かったし

「「だっ、大丈夫?」」

「あっ、ああ。こりすぎたらしい」

そう言うと、美鈴が近づいてくる

俺の肩に、さっきよりも優しく撫でる様に触れた

「あー、コレは駄目ですね。

今日ある程度直さないと……永琳さんも触ってみてください」

そう言われて、隅に座っていた永琳が腰を上げ、さっきの十倍ぐらいの強さで思い切り押す

もはや、仰け反る事も叶わず視界が一斉に潤んだ

「完全に駄目ね、今日はお泊りコース」

 

次の朝、蒼真は語る

お前らが傍観したら『リア充氏ね』とか言うかもしれない

実際、俺なら言うよ

けどな、この硬さを持ってやって貰うといい

彼女達の笑顔が、トラウマ以外の何者でもなくなると

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