「はい、今日もやっていきましょう、天河ラジオ!」
「この放送もなんだかんだ人気が出てきてうれしーぞ!」
「だな、文もにとりも大分板についてきて、始めは色々戸惑ったけどな」
もう見慣れたスタジオの雰囲気を肌で感じながら俺は言う
ガラス越しに見る河童達や、警備の白狼天狗もトークが始まるとしばし手を止めた
「いやぁ、記者の私は全然平気でしたけどネ!」
「おいおい、第一回でテンションあげすぎて大波乱になったの、覚えてないのか?」
「しーっ!それは言わない約束ですって」
この2人は中々相性が良い
本来なら俺の席ははたてや椛っ子をいれて山ガール(本物)でやって行けば決行良いと思うのだが
まぁ、その組み合わせも収録場で良く見るようになったからいいか
「まぁーま、にとりさん落ち着いて」
「落ち着けるかー!なんで私がお前の舎弟なんだよ!」
「いやー。私天狗ですし?」
「意味がわからーーん!」
2人のやりとり見ていて思わず笑う
文の切り返しと、にとりのツッコミの応酬は多分このラジオ一番の売りだろう
俺はマイクをつーっと自分の方に引き寄せて、話す
「えー、皆さん少々漫才タイムにしておきます?」
「だーれが好きで漫才やるかー!!」
「そーですよ、にとりさん。ツッコまないでください!」
「お前の暴走を止めてやろうとしてるのに、なんで私が咎められるんだよ!」
「気づけ2人とも、それが既に漫才だ」
この2人は熱中すると、完璧ダメだろ
記者も科学者も専門家は一つの事への熱意が激しいと思うんだが、この2人の場合底が知れない
「ごほん、まぁオープニング漫才は置いておいて、お便りコーナーに行きましょう」
「私は突っ込まないからな……」
「お便りコーナーは、皆さんから寄せられた質問に対して考えたり答えたりするコーナーです。
では、一通目行きましょう。」
俺は内容的にNGでは無かったと判断された葉書を一つ手に取る
「えー、ラジオ大好きさんからのお便り
文さん、にとりさん、蒼真さんこんにちはー」
「「「こんにちはー」」」
「蒼真さんに質問なのですが、外の世界とは一体どんな所なのですか?」
「おっ、やっぱりこのお便りは多いよね」
「外の世界からラジオを持ってきちゃいましたからねぇ、幻想ラジオ生みの親ですよ」
知らなかった、ラジオにそんな大層な名前が付いているなんて
なんだよ、幻想ラジオって凄そうじゃねぇじゃねぇか
「で、今の外の世界ってどんな感じなんですか」
「多分、野良妖怪よりもよっぽどタチ悪い奴が山ほど居るぞ
でも、素敵な人は居るしスポーツや遊びが凄く発展してる
その内幾つか見せてやりたいもんだ」
「へぇー、私達の居た時代から随分たってそんなに変わったんですね」
「なぁなぁ、どんな機械があるんだ!」
「そーだな、めちゃくちゃ離れてても話せる機械とかな」
おおっ!!とガラス越しの河童が一斉に立ち上がった
正直、幻想郷の文明発展は期待してないんだけどなぁ
「悪いものを言ったら、妖怪の山10個ぐらいを一瞬で吹き飛ばせるような物とか
家一つ跡形も無く焼き尽くすような物もあるけどな」
7gで広島ヤバかったから、100gあれば幻想郷は軽いだろ
きっと冥界や旧地獄あたりも吹き飛ばせる
「じゃあまぁ、次のお便り行きましょう
えと、米農家さんからの質問です
いままでに聞いた話で面白かったのは、どんな話ですか?だそうです」
「私は、コイツの頭の中事態が面白いと思うぞ」
「機械の色々な所を弄くりまくってるにとりさんの方が面白そうですけどね」
「いやいや、文に比べたら」
「なんのなんの、にとりに比べたら」
「「ぐぬぬぬ、蒼真さんっ!」」
「はい、なんでしょう」
「「私とコイツ(アイツ)どっちが面白いっ!!」」
お笑い対決のグランプリ争いみたいになっとる
なんだ、面白いと賞でももらえるのか?
てか、正直さ
「お前ら二人そろって面白いぞ」
結構マジメに俺思うぞ?
きっと組めばいけるって、月のM-1グランプリいけるって
「「ちょちょちょ!!なんでコイツ(アイツ)と!」」
俺は慌て始めた2人をビシッと指差して
「そう言う所だって」
「「う……」」
2人とも、唸りながら華麗に固まる
俺はマイクで少し過去の面白い話を話してから、次の葉書に移る事にした
「「うぅ」」
「お前ら、いつまで落ち込んでんだ?いいじゃねぇか愉快で」
「だって、ラジオでわざわざ断言されたんですよ」
「しかも、MCだから毎回出なきゃいけないし、一生痛い子だよぉ」
なんか、ネガティブ過ぎね?
すげぇよ、なんで其処まで見通して考えられるんだよ
俺は頭を少し掻いた。
そして、少し気を引き締めて
2人を強く抱き締めた
「「……ふぇ?」」
「お前らはラジオの大切なヒロインだぜ?笑われたって良いじゃねぇか
楽しく面白く、コレが天河のモットーだ」
俺は短くそろった二色の髪の毛を撫でる
ほんのりと良い香りが鼻腔をくすぐってくる
「だから、気にすんな。お前らは最高だからさ」
自分でも励ましになったかわかんねぇ言葉だ
でも、本心だ
俺は落ち込んでいた2人の顔が少しはれるまで、それ以降は黙って
ただただ頭を撫でた