東方黒鉄伝   作:荒無 時竜

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夏期講習、修学旅行が終わりやっと執筆モードに入りました(遅くてスイマセン


世間話

ふぅん……、中々に面白い

静かな一人部屋、そこにはベットと小さな机、そしてその上に山積みの本とライト

ただそれしかない、本当にくつろぐためだけの部屋である

先日藍が「読み終わったので」と、一気に本を貸してくれたので

読書の秋を兼ね、パチュリーの本と平行して消化しているのだ

今呼んでいるのは、オタクの青髪少女と、双子の巫女、頭のいい眼鏡っ子の四人が繰り広げていく四コマ漫画である

藍は、このオタク文化に少し足先を入れてしまったらしく、読み振るした政治論の本などを後回しにして

楽しい娯楽本へと、ちゃくちゃくと歩み寄っているらしい

藍が「橙萌え~」とか言い出したらどうしよう……

 

トントン……

ノックの音が聞こえた

俺は近場にあるしおりを手にとってページに挟むと、ぼさぼさの髪と寝巻き姿で部屋を出た

少しお待ちくださーいと、一言いってから奥の部屋で私服をを手に取る

上下真っ黒と言うセンスだが、どうせ上から鎧を着るのだし心配は無いだろう

正直、鎧の方が職務質問を受けてしまいそうだが

俺は鎧を指パッチンで纏いながら思う、本日の来訪者は誰だろうと

断った後、一向にノックが無いのでさぞ常識人だろう

……まったく見当が付かず、鎧も着終わってしまったので玄関を開ける

 

「久しぶりっ」

「寺子屋が休みなので遊びに来たよ」

一方は燃える様な赤。男勝りな特徴が強い蓬莱人

もう一方は水のような青。冷静沈着な村の守護者

もっとも、妹紅と慧音であることは言うまでも無い事実だ

「良く来たな、疲れただろ?」

なんて言うと、お前の標高高いだのどうせなら村に住めと言われた

それに苦笑しながら中へ案内すると、キツイ目で睨まれた、強ち本気なのだろう

俺は、めったに使わない和室へと2人を案内した

障子の先に8畳間の部屋が広がっている

卓袱台を囲んで3つの座布団があるのは、この部屋に妹紅と慧音、この2人しか案内していない事を表している

2人を座らせると一度部屋を出て、棚を見る

そこで飲みやすい温度のお茶を沸かし、茶団子を皿に6串乗っけて俺は和室へと戻った

 

「おまたせ」

「なぁに、大した時間じゃ無いよ」

「おっ、茶団子か。美味しいんだよな」

2人はそれぞれ串を手に取った

俺も手に取り、緑色のそれを頬張ると甘さが口いっぱいに広がった

うん、旨い

「それで、今日の用事は?」

「暇だったからかな?」

妹紅が串を皿に戻して答える

忙しなく口を動かす慧音は首を縦に振った

「そうかー、何しよう?」

「普通に、食べながら話す。それで幸せじゃないか?」

守護者様は、相変わらず良いことを言ってくださる

俺も妹紅も賛成と言うことで、今日は話し明かすことにしよう

「まぁ、定番として……慧音、寺子屋の様子はどうだい?」

「おいおい、義理とて先生なんだから見に来てくれよ……

皆元気だよ、ただ『蒼真先生は?』と待っている生徒は多いぞ?」

「悪い悪い、今は読書の秋でさ。妹紅は相変わらず輝夜と喧嘩腰か?」

「んー、まぁ最近は少しずつ収まってるかな?」

「おっ、進展があったか?」

「……っていうか、輝夜が『ごめんなさい、今はエピ4の渚ちゃんルートだから』って」

「あぁ~、輝夜が等々外室を妹紅相手でも渋り始めたか」

流石に苦笑するしかなかった

「家に居っぱなしだと、身体は壊すし良いこと無いのだろ?」

「其処は永遠亭だから永琳が居るだろ」

「私としては、読書ならまだ良いと思うが……流石に永琳が外に出させないと駄目だと思うな」

「せやな」

俺は素直に納得した。永琳も甘すぎるんやな

茶団子齧ってお茶飲んで、ふぅと一息つく

 

「そういや、蒼真はラジオ?だっけやってたけど……あれ、人気あるのか?」

「少なくとも、生徒達は皆休み時間に聞きに行くな……旬の話が多いから聞いてて飽きないしな」

「里で起こったことなら皆知ってそうだけど、まぁ新聞記者とエンジニアだからな」

この2人なら情報は早くて当然だろう

と、言うか二人のトーク力が上がってるからな……

最初の漫才も、今では円満円滑に進んでいくから俺もアドリブが楽で良い

「文とにとりだっけ?妖怪の山の天狗と河童でしょ?」

「妹紅は基本竹林方面だから、分かり辛いのか」

「そうだなぁ、竹林にもラジオがあれば聞けるけどなぁ」

「なら、今聞いてみるか?」

俺は自室のラジオを持ってくると、窓を開けてコードをつなげる

家の屋根はもう完全にソーラーパネル化してるZE

ダイヤルを捻って音が一番鮮明に聞こえる所を探していく

今は丁度昼時なので、威勢の良い声が響いて来た

 

『いやぁ、今日は蒼真さんは何やってるんでしょうね?にとりさん』

『そうだなぁ、やっぱり聞いててくれると嬉しいよな』

まさに、狙ったような話だった

おまいらすげえよ、ホントに

「ふぅ~ん、こんな鉄の塊から音が出るなんて不思議だな」

『まぁ、聞いててくれると信じてお便り行きましょう!

本日のお便りは即☆断☆罪さんからの質問です!

え~と、なになに……

幻想郷に置いて文明発達は素晴らしいものですが、それは同時に自然に身をゆだね人妖共存のルールにおいてその崩壊への危惧を少なからず含んでいると思います

それは、外の世界を見ても明らか。と言うことから考えてラジオは原則黒であると思うのですが、情報伝達の豊かさ。また電気と言う効率的エネルギーを使用するという有利性と便利性において白ともいえると思うのです

そこで、お2人にはラジオの長所短所を挙げていただきたく思います……との事なんですが』

間違いなくハズレ引いたよな

絶対幼女体系つるぺた説教閻魔様やないですか

もう、慧音も妹紅も苦笑してるし

「……蒼真、慧音。あんなお便りが届くのか?」

「「あれはハズレ」」

声が重なっても可笑しくないほどだった

「だよな、あれが珍しいんだよな」

ラジオなんて知らない蓬莱人が、直に納得できるほど明確なものだった

もう、苦笑しか出来ないのでラジオをゆっくりと落とす

……最後に聞こえたのは、「嘘はいけないですね……」というトラウマになりそうな一言だった

 

 

 

「もう、こんな時間か……」

夕暮れ時、3つ4つと烏が寝床へ飛び急ぐ

その哀れなる姿を見つめ、憂うような目で慧音が呟いた

妹紅はそれに頷き座布団を立つ

「じゃあ、そろそろ帰るよ」

「だな、私も採点があるし」

「それなら送ってくよ」

俺は立ち上がって、戸を引いた

廊下の先の玄関を開けると、秋らしい冷たい風が吹き付けた

昼が暖かかったので、薄着の2人にコートを無理やり着せて外に出る

だぼっとした2人を抱えて、俺はオレンジに染まる薄暗い空へ跳ねた

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