東方黒鉄伝   作:荒無 時竜

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「昔話をしてやろう」

そう響いた声は俺を必然的に過去へと引きずる

もう何年も前とは思わせぬ鮮明さで、母親の顔が映し出された

「昔、俺はこの宙とか言うやつを一刺しにして殺してやった。それが大体三十年前の話さ

この頃コイツは勉学と言うものがまるで駄目だったが、俺がやってやると全てが楽。

そんな中媒介になりやすい器を見つけた、それがお前の母親さ」

俺は唇を深く噛み締めた

話の内容は直にでも理解できた

なぜなら、幻想入りする方法は二つしかないのだから

 

「お前の周りは直にお前を特別視した、なぜならただならない畏怖を感じるから

お前が仲良く出来てきたのは、紅偽のお陰だ

なんてことはない、紅偽はアレが通常なのだ……シャムの双生児。それさえ俺の仕組んだ事よ」

ギリリッと一層歯が軋む音を立てる

悔しかった

「お前の力が大分つき、一人で生きていける精神状態になった瞬間

ーーー母親を殺して、幻想入りさせた」

つまり、『人間として見らなくなった……視認されなくなった』

忘れ去られたのだ、人間としてまた生物としても

「ふざけんなっ!!」

俺は怒りをぶつけるようにして、ソードビットを向かわせた

だが、それは何時かの首なし剣士に弾かれた

太刀筋が変だった、まるで紅偽みたいだった

「さて、名も無き剣士よ……我の忠誠として、あの者の手中に」

「「御意」」

紅偽の声が、重なって聞こえたーーー

ふっ、と懐に入ったそいつの黒い剣を俺は椿で受けた

 

しかし、流しの要領で力は拡散されいとも簡単に椿を外された

脇は上がり、ボディはがら空き。

紫に輝くように、その黒剣はそこを一払いにして紅のアーチを描いた

散った血花が消える前に、その太刀は俺の首下一センチへと正確に当てられた

「「さぁ、降参しなさい」」

俺は目から零しかけたものがある

が、それはいとも簡単に拭われた

「マスタースパアアアアアアアアク!!」

突然の光のレーザー。

それから逃げるようにして、鎧は俺を突き飛ばして回避した

「こっちよ、馬鹿『夢想亜空穴』」

素早い蹴りが鎧の腰にヒットした

立て続けに四方から弾幕が押し寄せた

ガガガガガガガガ!!と、多段ヒットするような音が響き煙を巻き上げた

「「ゆるさねぇ…」」

そう声がした

見ると鎧に少し傷がついただけ、それも怒って手がつけられなさそうで

「「ゆるさねぇぞおおおおおお!!」

「こっちのセリフです」

瞬間に銀のナイフが鎧の周りを無尽蔵に覆う

咥えて反射するようなナイフが無数に注がれていった

「ルミネスリコシェ……どうでしょうか?」

気がつくと隣に銀髪のメイドが立っていた

その清楚さといい、可憐さと良い、紅魔館のメイド

 

「咲夜か……?」

「お嬢様のご命令でして……「蒼真を助けよ」と」

俺ははっと息を吐いた

やっぱり、お嬢様には頭が上がらないよ

咲夜の見つめる先、ナイフは全て鎧に当たり、はじけていった

銀のナイフは全て金属部分が曲がり、ダメージはないように思えたが、傷が深くなっているのはしっかり見て取れた

「追撃って云うのは華がありますよねっ!」

カキイイッ!と軽やかな斬撃音

白髪の少女は、キンッ!と鞘に刀を収めて行く末を見た

バキッと一つ重々しい音を立てて、鎧の右腕に大きな亀裂が入ったのが見える

それはダメージの蓄積を表していた

「「ウグゥゥッ」」と、少し思い響が聞こえる

顔のない鎧だが、睨みつけられているような気がした

 

「駄目でしょう、止めはしっかりと『四重結界』」

「『フジヤマヴォルケイノ』焔で燃え尽きてしまえ!」

「『グングニル』咲夜、主を置いて行かないの」

「『パーフェクトフリーズ』あたいったら最強ね!」

一瞬目を疑った

突然折り重なったまったく見栄えしない大量の弾幕

それは絵面的にはどうなのかと言えるが、考えてみてはどうか?

これ程の人が助けに来てくれたと……

まったく関わりのなさそうな四人が、一度にヤツへと攻撃したのだ

右腕は貫く槍によって粉砕され、左腕は重なり合う四つの紋様で消し飛ばされた

右足と左足にはまったく反対の現象が起き、熱気で融解し冷気でぐしゃぐしゃに潰れていった

「絵にならない面子ねぇ」

「蒼真がそれほど、いろんな人と仲良くしてきたって事でしょう?」

「私みたいな蓬莱人から、妖精までつれてくるんだから違いないな」

「へっへん、後でお菓子だからねっ!」

華麗に舞い降りた四人は口々にそう言った

綺麗に敵は散ったかに思える

だが、心臓部が残っている!

胴の中から一際どす黒い波動が放たれ、なくなった手足を揺らめく炎が形成していく

どす黒い闇の炎だった

誰もが息を呑む威圧感

 

しかしそれは無邪気なエンジニアの一言で消される

「やっぱり、科学は強いよね!此処まで来てばれないなんてさ」

「そうですね!安心して発動できるってもんですよ!あやややっと『天孫降臨の道しるべ』!」

局地的竜巻が盛大に巻き起こった!

身体は一瞬で安定感を無くし、空に舞い上がる

紫は魔理沙と顔を合わせて、重なる二重奏で高らかに

「「マスタースパァァク」」!!

傘と八卦炉から同時にビームが放たれ、DNAの螺旋のように交差し

鋭くも一撃で、その胸の焔を消し飛ばした

それをみた創造者は、等々怒りを見せる……

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