東方黒鉄伝   作:荒無 時竜

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紅魔館
発見 紅い館


何時間か経った

 

どの位なのかは分からないが、とにかく夜から朝になるくらいの時間がたった

鳥が囀り始め、寝れなかった俺には疲労感と脱力感が生まれる

 

頭がガンガンする いい加減に寝たいのだが隣に寝ている不老不死の方が俺の手をぎゅっと抱きしめているため、頭が高潮して眠れない

ようやく日が昇ってきた 待ちに待った日の出だ

 

「ん んーー」

妹紅がもうそろそろ起きそうだ 少し妹紅をゆすって無理やり起こす

「ふぁー おはよう  早いな? まだ日が昇ったばかりじゃないか」

「誰のせいで眠れなかったと思ってるんだ? ほら、おきろ」

私はぐっすり寝れたけどなぁ とか言ってる妹紅を叩き起して、布団の中で丸くなる

 

「妹紅 飯できたら起こして」

そういってそのまま寝る体勢にはいる

しかし、起こされた側は黙っちゃいないようで

 

ずいずいと距離を詰めてきて、布団の中にガバッと潜り込んできた

もちろん、そんなことは許さないので布団の中の妹紅をひっぱるあげる

妹紅の顔が布団の中からひょこっとでてきた

 

寝た体勢のままなので向かい合った添い寝みたいな格好になる

恥ずかしいが、寒いからでたくはないし説教もしたいので、この格好が合理的なのだ

 

「妹紅、いいか 俺はなぁ……」

パシャリ  シャッター音

窓から覗く黒翼 キラリと光る一眼レフ 手には手帳とペンがしっかり握られている

幻想郷のブン屋は、逃がしてくれる気は無いらしい

 

パシャパシャと、シャッターを切りまくる

フラッシュがたかれているため、視界が悪い

そのまま良いおみあげを携えて、一目散に飛んでいった

 

「あの野郎、何回締めればいいんだか なぁ、妹紅?」

妹紅も被害者だ 一緒に文をとっ捕まえよう そんな風に思い聞いたのだが

妹紅は顔を真っ赤に染め上げて、抱きついてきた

 

「は? 妹紅?」

「蒼真、どうしてくれるんだ もう 責任、とってくれるよな」

駄目だ 妹紅がいかれた

 

妹紅をほっといて俺は起き上がる

起きたくないし 眠いんだが コレばっかりはもうしょうがない

頬に手を当てて転げまわる妹紅を後にして、俺は文をとっちめに村の方までいく

 

全速力で走ったのだが、さすがブン屋といったところで 号外としてほとんどの家庭に配られていた

 

村の人たちは 式はいつあげるんだい? とか いやぁ寒い時期にお暑いねぇと冷やかしてくる(慧音がからかうように呼びかけているのだが)

内容を知らない俺は一人から新聞を奪い取って目を通す

……なにが清く正しいだ畜生、子供に見せられねえじゃねえか

 

「文、ふざけんなよおおおおおおおおお」

背中にジェットポットを作成 そのほか、偵察機を幾つか作って色々な方向に飛ばす

飛ばしたうちの一つが空に煙を放った

俺は正真正銘の全速力でそちらにとんでいく

 

―――すぐ見つかった 昨日行った永遠亭だ

優曇華に新聞を渡そうとしている 

俺は瞬時にジェットポットをブーツにする 

そのまま、どこぞのライダーキックで文にめがけて急降下

 

優曇華の手に渡ったかどうかの時に文の頭に勢いよく踵が命中した

一瞬のことで声も上げられず気絶した文

驚きとまどっている優曇華の手から新聞を奪うと文の口に丸めて詰めて、そのまま首をもって飛ぶ

 

さてどうしてやるかな なんて考えながら上昇していくと

高度何メートルだろうか 少し高い所にいくと うっすらと慧音がみえる

いいところにいるな

 

少々慧音にも鬱憤があるので 手に持っているブン屋をおもいっきり投げる

気絶しているため抵抗も無く、今のところほぼ狙い通り

文は弧を描きながら落ちていく 慧音は村人と話しているようで動かない

そのまま文は慧音の頭にぶつかった  どこぞの蟻のように

ほら、皆昔は歌ったろ? あーりさんとあーりさんがごっつんこーー のち意識不明の重体 って

 

慧音は頭の上にそれはそれは綺麗な軌道を描くアヒル(あれ?ヒヨコ?)をぴよぴよとならせながらふらふらと立ち回りして倒れた

「慧音様!!慧音様!!」

 

ざまぁ と心の中でつぶやく

いや、ホントは近くまで行って足蹴にしてやりたいのはやまやまなのだが

村人の顰蹙をかうのはやめたい 主に団子屋、餅屋、漬物屋、八百屋……あとで大根買いに行こう

 

まぁ、とにかく困るからやめとく  米とか味噌とか無いのは考えたくない 考えるだけで死ねる

え?なにパン派? 麺類? よーしちょっと表でろ

さてと、とりあえず家に帰ろうか

 

一日帰らないだけで久しぶり感がある気がする

つーっと辺りを見回すが 家……まぁツリーハウスだが それは見えない

仕方が無いが今視認できる所、天狗の屋敷に向けて飛ぶ

視界の端には ぽけーーっとしながら俺を見ている優曇華が写った

 

「そこの奴、とまーーーって蒼真さんじゃないですか」

屋敷に近づくと誰かしらの天狗から声がかかる 今回は椛だ

「久しぶり 椛」

「久しぶりです お風呂沸いてますから入ってきたらどうですか」

「そうだな……ってまて なぜ沸いてる なぜ薦めた」

「私は仮にも狼ですよ 嗅覚は鋭いんです  たとえば、今日はいつもより女の匂いが」

「はい、ストップ」

俺は椛の口に手を当てて言葉をさえぎる 

 

その後、椛のおでこにかっるーーーーーーーいデコピンをして屋敷に入る

ガラッと開けて、玄関先を右へ その突き当たりを左に行ってまっすぐ

 

この屋敷の風呂である

家の風呂でもいいのだが 昼間は入りづらい  てか、一回目撃されてる 赤面されてる

もう、同じ過ちは繰り返さない

 

浴槽手前の脱衣所 浴槽には誰もいないことを確認してから服を脱ぐ

結構汚れているし、所々破れている  けれど愛着のある代物だ

少し、来た時 椿を思い出す

ズキン 

頭に痛みが走る あの喋り方 今更だがデジャブを感じる

どこかで聞いた声だった気がする

 

まぁいいや と気を持ち直し風呂に入る

銭湯張り広さを誇る風呂 薬草の匂いが鼻をくすぐってくる

お湯に足を着ける お湯には、うんたらかんたらが含まれているとかで

 

色が少し青緑 言うなればターコイズブルー 

体をつける 暖かさが体の疲れを癒し

波紋が、ちょこちょこと肌を刺激する

 

カポーン と鳴るのではないか? てか、あの音は何なんだろう

そんなことを考えて苦笑する 独り言は俺の風呂では定番なのである

そのままぼけーっと数時間 気が付くと日は傾いていた

なんてこったい 一日無駄にしたよ

 

こんこん

ノック音 反響の仕方から脱衣所と浴槽をつなげる間の戸だ

「はいってまーす」

俺の声が響く

 

「しってますよ、私を投げ飛ばしてくれた蒼真さん」

なんだ 文か

「んで、最速のブン屋が何のようだ?」

文が俺の元に進んでやってくるのは ネタ探してかネタ伝えにか

二つに一つ つまり宣伝のたぐい 悪徳セールスマンよりあざとい

「実はですねぇ 湖の近くに館ができまして」

「それは紅い館か?」

「あやや?もうしってたのですか?」

 

俺は浴槽から立ち上がると、文を出て行かせて風呂から上がった

元俺の部屋 今も俺の私物があるが まぁ元だ

お茶を2つ いや3つにしよう

注いで待つ これからくる隙間のお方のためだ

天狗も近づかないように言って置く 文とはたてにはそれなりの殺気が必要だったが否めないよな?

 

座布団に座ると向かいの空間が割れる

うおおぉぉぉん

奇妙珍妙な音を鳴らして

紫と藍が姿を現した

二人の顔は険しい 青筋が見て取れる

「さぁ、話してもらいましょう」

 

俺は誰もがおぞましく思うような顔でーーー笑った

 

 

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