俺は家の淵からただ宴会を眺めていた
博霊神社のまわりはこれでもかと言うほど明るく、よーく見えた
ぐいっ と、一息にコーヒーを飲む
次は密度の変化、西瓜かな?
はぁ、鬼かぁ めんど
「あなたはこないのかしら?」
紫がひょこっと顔を見せる
「おらぁいいや 大人しく眺めてるほうが似合うしよ」
「俺、大食い勝負したい」
おい、紅偽 後で苦しくなるのは俺なんだぞ
やめてくれよ、まったく
「賛否両論ね ふふ」
まったく、紫も紅偽も世話するのが大変なんだよなぁ
「にしてもなぁ、夜から次の夜までってなー」
この世界の宴会はどうやら夜始めて、一日騒ぎまくるらしい
あんなのに付き合ってたらそれこそ死ぬぞ イッキ飲みで
「宴会の話し声でも入れてあげるわよ」
紫が俺の耳の脇にスキマを開く
それぞれ場所が違うようで、聞こえる声が違う
「妖夢、無理しちゃ駄目よ」
「幽々子さまぁ アイツ強すぎますよ てか、あの獣なんですか あんな偉そうに」
幽々子と妖夢か
「ほんっとに朱雀、強かったわよね」
「あれチートだよな おかしいぜ」
これは霊夢と魔理沙だな
「はぁ、ナイフがぼろぼろ」
「蒼真に直してもらえば良いじゃない」
パチュリーと咲夜か
って、俺への文句多くね?
ひどいやひどいや
俺、結構頑張ってんのに
「ほんとに人気者ね、蒼真」
「兄貴の話が多いね」
「やめてくれよ、俺だって傷つくんだぞ」
「「ほんとか(しら)(なぁ)」」
ほんとだよ
あ、そうだ ちゃんと言っておかないとね
「紫、次のヒント 今回は前面紅偽にまかせる」
「……てことは、格闘するのかしら」
「ご名答 んじゃ、ヒント」
――――第三の異変は密度の変化
犯した者は霧も血も濃く
「ふーん 大分慣れてきたわ」
「だろうね つくりは簡単だもん」
一行目にどんな異変かを入れる
二行目は犯人や場所、もしくは異変の内容をくわしく いわば修飾をほどこす
ただこれだけだ
今回の場合は、犯人が特定しやすい感じにしあげてある
まぁ、それでも 血の気が多いから鬼まで連想できるかは知らないけど
「まぁ、異変は少し先でしょう それまではお互いのんびりかしらね」
「そういうワケにも行かない気がするんだなぁ」
俺は、勘違いで起こる異変 まぁ、ゲームで言えば永夜抄は潰そうかなと、考えている
一部の人の(主に引きこもりニート)にたぶらかされたくはないからね
注告したりしていれば、日付なんて風のように過ぎていくからね
「そうなの? 貴方もたいへんねぇ」
「俺の苦労をねぎらってくれる気があるんなら、一つお願いがあるんだが」
「?? なにかしら?」
俺が一番頼みたかったことは……
「CD,取りに家に帰らせてくんね?」
久しぶりに原曲が聞きたかった
「駄目ね 取ってきてはあげられるけど そのまま帰られたりしたら色々困るわ」
「んじゃ、手だけ 手だけでいいから」
「もう、しょうがないわね」
OKキター やったね
俺の目の前に広がるスキマ
ソーラーパネル付きのCDプレイヤーと、東方原曲CD30枚くらいをがさっと掴んで引き上げる
そのままスキマは閉じられて、愛しのCDたちが手元に残る
「それで、これはなんなのかしら?」
「えーっとね 音楽が聴けるものだよ 一つ聞いてみ」
俺はそう言うとイヤホンを紫の耳にあてる
流す曲はもちろん ネクロファンタジア
曲が流れ始める
すると、紫がビックリする
「この曲 どこかで……なんだろう 不思議な感じ」
そりゃ、テーマが自分だとは知らずに効いてるわけだからね
そりゃ不思議に思うわ
演奏時間およそ5分
最初は普通に聞くだけだったが、次第にテンポにのってくる
曲が終わる頃にはすでに口ずさんでいた
「懐かしい感じがしたわ なんていうのかしら?」
「ネクロファンタジア いい曲だろ?」
「他にはないのかしら?」
うーん 他といったらアレじゃない?
不動の人気のあの曲!!
亡き王女の為のセプテット
流し始める
ゆったりした感じがまた印象的だ
「……レミリア?」
おい、やばいぞ如何するんだ
コイツ 他の曲聞かしていったら大変なことに……ならないか、うん
ひょいっと、イヤホンを外して家に持ち帰る
玄関を開けると中には紫
机でお茶を飲んでいた
「図々し過ぎるぞ、迷い家があるだろ?」
「いいじゃない 藍、お茶おかわり」
すると、台所から藍がでてくる
此処はお前んちじゃねぇよ
お茶を注ぐと自分の湯飲みまで出してきやがる
ずずず 二人は飲んで ほっと一息
「ねぇ、お菓子は?」
「図々し過ぎるぞ オイ!!」
「まぁまぁ、落ち着いて」
「ふざけんな でてけよ」
紫、リアルにしめるぞコラ
「まぁ、お茶でも飲んで」
「あ、うん」
藍がお茶を注いでくれる
あったかいなぁ
ほっと一息
「してる場合かーーーーーーーーー!!」
「「落ち着きなさい、うるさいわ」」
あーくそー
なんなんだよこいつら
ホントになんなんだよ
「あ、紫さま おせんべいがありましたよ」
「本当? 今すぐ出して頂戴」
人の家の物、無断で食ってんじゃねぇ
お前らそれでも古参妖怪かよ
まるでマナーがなってねぇぞコラ
そんなこんなで、結局最後まで追い出せなかった
俺は気づかなかった
CDのすぐ近くにあった家族写真
俺のとなりには、人など写っていなかったということ
けれども、人一人分 確かに間があいていたということ
永遠亭の皆さんには、大結界のことを話します
あれ、知り合いと戦わせられないので
行き当たりばったりですいません