東方黒鉄伝   作:荒無 時竜

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書き溜めでの3話目投稿です


血に染まる手 と 鮎

屋敷に住まわせてもらって3ヶ月がたとうとしていた

 

屋敷の天狗も顔を覚えてくれたようだ

 

変わったことは幾つかあるが一番驚かれたのはもう一つの能力の覚醒だった

「拒絶する程度の能力」

金属は純ではないと誤差が出てしまう事

この能力の意味はそんな感じだと思う

 

交わることを許さない力

 

この能力を手に入れた日に俺は人間であることを拒絶した

 

そしてそれと同時に死も拒絶することによって

 

俺は妖怪になった

天狗の皆は目が丸くなり、天魔に激情されたが

 

謝り倒して許してもらっている

人であったときよりも皆の力になれ、個人的には嬉しい

 

もう一つ驚いたことがある、まだ紅魔館がないのである

ということは、東方シリーズの少し前

異変を全て体験できるのだから自分は幸せである

なんて思っていると……

 

「妖怪がでt――――――」

そんな叫び声がした

仲間の白狼天狗からだ

「まってろよ」

俺は走った

 

ついてみると3mはあろう妖怪が一匹の白狼天狗を締めている

怪鳥、そんな言葉がお似合いのソイツ

右手に赤い流血を滴らせながらソイツはこっちを御満悦の様子で見てきた

 

「そこのーお前もーうまそうだな、あひゃひゃ」

 

気色悪い声でのけぞるように笑っている

仲間の肌が少し青い、流血のせいだろう

怒りが湧き上がってくる

 

「なぁ、そこの 仲間を放しちゃくれないか?」

怒りを抑えて、なるべく仲間を傷つけないようにする……が

 

「あひゃひゃ、コイツは俺の飯だ、大丈夫 てめぇも食ってやるからさ」

あひゃひゃと笑う妖怪

楽しそうに右手に力を込めている

 

ブチッ

頭の中の何かが切れた音がした

あーあ コイツは生かしておけねぇな

「そうかーーー交渉決裂だな」

 

地面から金属が這い出てきて自分の周りを取り囲む

そのままとぐろを巻くように「鋼鉄の鎧」へと変化していく

 

その鎧の手の横から肩、脛から太もも、踵には強大な刃が付いており、攻撃されても傷つけられる

一見滑らかな表面も、しっかりと棘が付いている

まさに怒りが具現化したものと言える

 

鎧ができるのにはコンマ数秒とかからない

完成直後、ありったけの力で地面をけって

相手の足に蹴りをお見舞いする

反応は遅いようでそのままクリーンヒット

しかし、骨が折れたような、そんな手ごたえはなかった

 

「がっ、てめぇ」

妖怪は仲間を後ろへ放り投げ鋭い爪を俺に向けて付きたてようとする

その爪があたる寸前に体を1回転、その一瞬のスピードでその爪をはじく

わずかに散った火花で少し相手が仰け反った

コレを逃すわけにはいかない

そのまま足の刃で相手の両足を切断

 

ズシュ ズシャ

気持ちのいいくらい軽快な音を鳴らして、元足は宙を舞う

「あがっっっつううぁああああああ」

苦し紛れに叫び、口から赤々とした炎が昇る

息を吸い込み、大きく口を開けた……しかし

俺はその炎が吐き出される瞬間に上に跳び顎へ向けて膝蹴りをかました

ジュッという音をたててその顎が蒸発

 

俺はそのまま落下と同時に頭をつかみ、地面にねじふせて

……頭部を地面から生えた無数のニードルで砕いた

 

「仲間に手を出すな」

そうはき捨てた瞬間視界が薄暗くなった

そのまま上空をみあげる

そこにはたくさんの天狗がいた

 

一人一人が驚愕の眼差しを自分へと向けてくる

中には涙目なもの、気分が悪そうにしているものも居た

 

「聞き分けが無いから殺しちまった、向こうに一人怪我人が居るはずだから手当てしてやってくれ」

すすーっと俺を見ていた天狗が解散していく

数人は反対方向へ、探しにいったのだろう

 

しかし、確実に天狗たちの目が変わったような気がした

血の匂いがするのでさっさと立ち去ることにする

俺は鎧を土の中に戻すと、そそくさと部屋へと戻って着替え、部屋を後にした

 

幻想郷に来たのは大体夏頃

そんな夏ごろから作っていたものがある

 

自宅である

個人的には昔からアウトドア系のものに憧れていたため

「ツリーハウス」にしてみた

もちろんベッドや机、風呂は露天である

ベランダからは山を一望したり、釣りもできる

 

そんな自宅だ

 

ツリーハウスだけあって最初はかなり不安だったり、広さ問題もあったが慣れれば問題はなかった

「♪」

そう音符をだしながら自宅へと向かい釣り道具を持つ

ベランダに出ると冷えた風が家の中を吹き抜ける

 

今はちょうど秋

川にはお楽しみの「奴ら」がぴちぴちと泳いでいる

鮎である

 

何もつけていない針をひょいっとまわし入れて、くいっと引くと

丸々太った奴が張り先で元気に跳ねている

今は絶好の季節のようで、エサつけずとも引っかかる

 

釣りとしてはどうかとは思うが

食糧確保としては嬉しい限りである

 

血生臭い事をした後は必ずここへ来ている

今までに何匹かと戦ったが大抵、腕一本とると謝り倒してきて一件落着が多かったのだが

今日ほどの戦闘はしていなかった

 

なんて事を考えている間に十五匹目の鮎が針にかかった

ぴょっと引いて鮎をつかむとバケツに入れた

大量で嬉しくなりながら

また屋敷へと向かった

「あの子、大事じゃないといいな」

そう口に出しながら

 

 




サブタイは遊び心です
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