東方黒鉄伝   作:荒無 時竜

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そして俺は風邪を引く

 

 

晴れ渡る空 白い雲が浮かんでいる

鳥も歌い 獣は大地を駆けぬける

人々は晴天の日に感謝をし、農作物はのびのびと育っていく

すごしやすい気温で湿気もそう高くは無く

蒼真は今日も外で楽しく

―――すごしていたかった

 

自宅の一角 隅の部屋

機獣が心配そうに見る中、俺は布団に寝ていた

黒騎士は桶とタオルを持ってきて、俺の横に置く

 

そのタオルを濡らして絞り、俺の頭 おでこの上に

38度6分 まだまだ免疫が強くない俺は、風邪にかかったようだ

けれども、風邪の症状は悪いようだ

霊夢が家に帰った3日後の朝、発熱をした 37度3分

微熱だと侮ったが最後、一度以上上回ってしまったのだ

 

丸一日以上 一人で頑張ってきたが、さすがに限界を感じる

身体中に痛みが走り、呼吸が荒い

頭はガンガンして、食欲も無い ガチでヤバい

俺は紙とペンをとってこさせる

意外と早く持ってこられた紙に字を書いていく

 

優曇華へ、風邪をひいたから助けてくれ という手紙だ

優曇華が一番信用できる医者だ 医者と呼んでいいかは知らないが、それなりの医学はあるっぽい

 

他に知らせても、ぴーちくぱーちくうるさい 

朱雀の口にそれをくわえさせ、朱雀が飛び立つ

優曇華がつれてきた者以外、絶対に入れるな

そう、機獣全員に言い聞かせて

 「兄貴も大変だなぁ」

黒騎士から声がする

 

なんか、俺の中だと苦しいから出て行ったそうだ

なんという理不尽 不条理

痛みは俺にしかこないのか

俺は紅偽を無視して、そのまま寝た

 

 

「   ―――き 兄貴!!」

紅偽の声が耳に響いて、波紋のように余韻を残しつつ消えていく

目を開くと、永琳と優曇華 妖夢と妹紅がいた

……なぜ? なぜ妖夢と妹紅が居るの?

 

四人はとてもにやついていた 

永琳はしてやったり って顔だ

他の三人は、顔を赤らめて俺の顔を見ている

おべんとさんでもついてるのかな? なんて思ったが、今日はまだ飯を食べていなかった

 

「まったく、せっかく来てあげたのに 寝てるなんてねぇ」

永琳がにやにやしながら言ってくる

「起きてっと辛いんだよ」

やっと口に出てきた反論 喉が痛い

 

「はいはい、腕だして 注射、平気だよね?」

俺は変にからかわれながらも腕を伸ばす

昔の予防注射の跡がはっきり残っている所に一本

別の所に一本打った

 

「それで、症状はどうかしら?」

「頭痛、筋肉痛、咳に高熱 こんなところだ」

「風邪かしら いえ、ウイルス性の可能性もあるわね」

医者らしい解説 病人相手だと対応が違うのかしら?

「とりあえず、口は生意気だから安心したわ」

違った 俺には酷い対応 見たいなのが相場らしい

 

他三人は固まったまま 微かに流れた血を見ている

俺は殺されるのだろうか? などとくだらないことを考えつつ、目を永琳にもどす

「そーねー とりあえず酷い事を想定しましょう」

そういって永琳はカバンから薬ビンをいくつか出す

なかには色とりどりの錠剤が入っている なかには、危ない博士のような緑と紫のカプセルもあった

コーラのペットボトルに薬は入れないで欲しいものです

 

「薬は、食べてからのほうがいいわよね 優曇華、お粥つくってきて」

「はい!!」

嬉しそうに優曇華が返事をする

料理は好きなのだろうか? やけにルンルンしながら歩いていく

その後ろをついていく妹紅と妖夢

手伝いかな? わかんないや

 

「それじゃあ、症状について話して」

「そうだなぁ 一日前?昨日の朝に発熱したな 初めは微熱だったけど、悪化して今は38度くらいだな」

「貴方、馬鹿?」

「うるさい えーと 最初は軽い咳だな 次に頭痛 今日になって筋肉痛が来たな」

「なら風邪(酷いVer)って所かしら 薬はコレと、コレと」

酷いVerってなんなんだよ と突っ込みたいのを抑えて、俺は薬を見る

比較的一般的な感じのものが幾つか

 

もちろん、緑と紫のカプセルはない 繰り返す、緑と紫のカプセルはない

カチャ と、ビンを開けて数種類の錠剤をとりだす

全部で3粒 3つは大きさも形も違っていた

「食べ終わったらコレね 貴方ならすぐ治るわ とりあえず一週間分 三食ね」

空き瓶にそれぞれ少しずつ移していく 大体20ずつ位だろうか

ビンが三つ、並べて置かれた

「右から痛み止め、後は……まぁ、薬の名前をいってもわからなそうだし いいわ」

なら、なぜ言ったし

俺は、そう思いつつも ビンを持ち上げて薬を見る

楕円形、円錐、三角錐 そんな感じに3つ

どれも白く、前者2つには筋が一本はいっていた

 

「ししょー できました」

「持ってきて頂戴」

「はーい」

とんとん と足音が三人分

鮮明に聞こえるようになるにつれて、良い匂いがあたりに立ち込める

俺の目の前に並んだそれは、なんと言えばいいだろう

米が原型をとどめていなかった

野菜も同様で、ぐったりしている

 

お粥はそんなものだった気がするが、目の前のものと違うのはあきらかだった

「美味しそうじゃない、貴方 こんな幸せないわよ 三人の美人の手作りよ」

本来ならありがたく受け取るし、においも良い 

でも、生理的にちょっと……

俺は、我慢してスプーンを取る

すくって口に運ぶ 形状しがたいはぐれたメタルのような白いお粥 は、舌に味を感じさせること無く、喉に流れていく

つまりアレだ、噛まなくても食えるのだ

 

俺は、はぐれお粥をどんどん胃に流す

結局、味を感じずに とはいかなかったが、問題はなかった

味は、強烈な塩とよくわかんない草の味だった

こんな状況でも食い物を当てられる胃は、凄いものだと思う

だって、そうだろ?

俺は、妖夢から水を受け取って 薬を飲み干した

途端に眠気が襲ってくる

 

くらくらしてきた

「寝るのが一番よ 貴方、隈がすごかったから ごめんなさいね」

痛み止めとウイルスへの薬の他に、睡眠薬を少々 盛られたようだ

一錠でもすぐ効く長く持つ永琳製薬は、すごいな

1杯食わされて、1杯のまされた俺は薬に抗うことなどできない

むしろ、身体は寝ようとどんどん重くなる

 

俺の意識は沈んでいく

深い深い眠りへと

 

「しばらく、居てあげなさい」

「「「いいのかなぁ」」」

「病人だし、そ・れ・に」

「「「それに?」」」

「あなたたち、蒼真が好きなんでしょう?」

わざとらしく焦らした永琳は、驚愕の声でうるさい家を後にして

一人、永遠亭へととんでいった

 

 

 




これからテスト期間なのできついです
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