東方黒鉄伝   作:荒無 時竜

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虹川姉妹宅

手にたくさんの荷物を持って飛ぶ というのはいささか疲れるものである

買いすぎた俺が悪いのだが

 

手にぶら下がった袋には、たくさんのお団子やせんべい その他大量のお菓子が積み込まれていた

一言で言うなれば差し入れである

他にもサクランボなんかもはいっているそれは、すべてプリズムリバー一家にあげるものであった

迷わず魔法の森に入る

 

ちょっと耳をすませるだけで、軽快で壮大な音色が聞こえてくるのがわかる

そちらのほうに足を進めていくと、彼女たちはすぐに見つかった

演奏が終わるまでは声をかけない それがマナーだ

とても楽しそうにそれぞれが、楽器を弾いている

俺も昔、楽器を触ったなぁ と、思い出したり

曲に耳を傾けたりしていると、いつの間にか曲は終わっていた

 

「やっぱりいいな 最高だね」

「「「あ、来たんだ」」」

「そりゃあね 約束したろ?」

うん、決まったな 俺

「全然こないから、死んだのかと」

「そうそう、約束なんて忘れたクズなのかと」

「てっきり 女に鼻の下でも延ばしてるのかと」

……なんだよ、それ

 

グサグサっと刺さった言葉の矢が、心を締め付けてくる

凄い悲しい てか、虚しい

「せっかくお菓子、持ってきたのに いらないか……」

ちょこっと言ってやる

 

すると、三人は

「いらないとは言ってないでしょう?」

「そうそう、仕方ないからもらってあげるわ」

「お家はこっちだよ 早く早く」

甘いものは好きだったようだ

てか、変わり身早い

そのまま、手を引かれて一人では帰れそうも無いくらい奥へ行く

あっちを曲がってこっちを曲がって

あそこはまっすぐ こっちに下る

ぐちゃぐちゃした道を通っていくと、それなりにでかいお家が一軒

白い壁に赤い屋根 良くありそうな感じの家だった

どこか懐かしささえ感じさせる家

ルナサが玄関を開ける

 

「「「ただいまー」」」

「おじゃまします」

一人だけおじゃましますってのはなんなのだろうか?

「おかえりなさい  あら?」

レイラさん?が出迎えてくれる

 

黄髪 白髪 茶髪 からの緑髪は、以外だった

髪の色はもう少し違う色だと思ったが、おしとやかな感じも緑髪もにあっていた

皆に一つ、いいたい

――いらない子なんか、一人も居ない!!!(キリッ

「こんにちは、レイラさん 蒼真と言います」

「こんにちは まぁ、それは?」

「あ、はい ちょっとしたお菓子ですが」

「ありがとう、すぐにお茶を入れるわ」

「すいません」

ちょっとした大人の会話

それを見ていた三人の頬が膨らんでいる

 

「「「私たちには、あんな丁寧な喋り方じゃなかった」」」

「ごめんなさい」

いやね、劇中にはでていないレイラさんですよ?

そりゃもうね 想像が膨らみますよ

俺は頬があいかわらずハムスターのような3人に、机に案内された

椅子は4脚……かと思っていたが、5脚あった

 

「この前、3人が大急ぎで買ってきてね 何でだろうと思っていたのよ」

「そうなのか、三人とも ありがとう」

「「「えへへ///////」」」

照れる3人 可愛いなおい

レイラさんはそんな三人をみて、イジワルな笑みを浮かべると話し始める

「この子達ね、急に部屋を綺麗に片して お茶、いいの買ってきて!! とかね」

ふふふ とレイラさんが笑う

 

「ちょ、ちょっと!! 余計なこと言わないでよ」

「そうだよ、変に思われたくなかっただけだから!!」

「おねぇちゃんだって喜んでたくせに!!」

「はいはい、それより お菓子食べようよ」

はっ と我に返った4人は、恥ずかしそうにしながら手をつけ始める

「「「「美味しい」」」」

「そう、良かった」

嬉しそうに食べてくれる

 

買って来てよかったと思う 買いすぎたせいでお財布が可愛そうなことになってんだけどね

甘いしょっぱい甘いしょっぱい……

魔の連鎖が織り成す食欲増進にはまってしまい手が止まらなくなる

食べながらそれぞれが、色々なことを話し始めた

ルナサ、メルラン、リリカ、レイラ 似ている姉妹だが確かに違いはあった

それでも、お互いが信じあって助け合って、あんな素晴らしい音が生まれているのだ

そりゃ、素晴らしい演奏にもなるだろう

一通り食べ終わった

さっきまで山のようにあったお菓子が、こんな可愛い子たちのお腹に納まっている

この現実は、少々認めがたいことがあった

美味しかったー と4人が言う

 

その後、ルナサのアイディアで、演奏してくれることになった

俺が真っ先にリクエストしたのはベートーベン作曲の有名なアレ

交響曲第九番だった

綺麗な音にあわせて、レイラが唄う

その声は、とても清んでいた

ただ、純粋に美しい

なにがどうこうだから とか、そんな感想はいえなかった

理由なんて無かった

ただ、全てが美しかったのだ

 

バイオリンの奏でる音が

 

トランペットの響く音が

 

キーボードの多彩な音が

 

声帯からでているのか疑わしい 歌声が

 

いろんな曲を弾いてもらううちにすっかり暗くなり

この騒がしい半日は幕を閉じた

暗い夜空を飛んでいく

その空にはさっきの楽しい景色が映る

あんなことも話したな

あんな曲を弾いてくれたな

 

ふと、下を見ると アリくらいの大きさに見える四人が手をふっていた

少し、寂しいような気がするけれど また会える

俺は四人の足元の土を操る

その土で手を作ると、4人に振る

その手を少ししたら崩して、また前を向いた

また遊びにこよう そう、心に留めて

 

「「「「またねー」」」」

四人は手を振った

月明かりで、僅かに見える程度の

小さな、アリのような そんな蒼真に

また遊びにきてね そう、それぞれが呟きながら

 

 

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