東方黒鉄伝   作:荒無 時竜

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魔界行

「アーリースちゅぁーーーーーん」

「うわぁ!!」

玄関を開けて勢い良く中に入る

中にいた金髪美少女は、これまた勢い良くのけぞり大声をあげた

 

「だっ、誰?」

「ほら、あの前の異変の時の……」

「あぁ、……今度こそ覚悟しなさい!!」

「ちょっ、待て 頼むから」

「――咒詛 首吊り蓬莱人形」

5体の人形から鮮やかな弾幕が出た瞬間

ソードビットで全て叩き、弾いて消した

――スペルブレイク

 

「なっ……」

「な、勝てないからさ お話をしにきたんだ」

「……話だけは聞いてあげるわ」

上海がいつの間にか目の前でお茶を持っていた

アリスなんか既に飲んでる

 

「その前に一つ コレ、もらっていきたい」

「ダメ」

ですよね 可愛いなぁ 上海

シャンハーイ って言って欲しい

蓬莱も居る、いいなぁ

「魔界につれてってよ」

「はぁ!!」

がしゃん

アリスが机に手をたたきつけた調子に、カップが割れた

 

しかし、アリスは割れたカップのことなど気にしていないようで、ただこちらを見ていた

上海や蓬莱の動きものろく、魔力供給や操ることもおろそかにされていることが目に見えてわかる

落ち着きが無い、此処だけ見たら間違いなく誰もがそう思うような青ざめた顔

額から落ちる汗が、アリスの焦りを表していた

「なぜ、私が魔界出身だと?」

「なんでだろうね」

あくまで肝心のところはシラをきる

ここから変な考察をされても困る、一番危険の無いことは「知っている」という事実を表に出さないこと

But、それでは面白みのカケラもない

だからはぐらかすのが一番なのだ

 

「案内くらいならしてあげるわ」

「一番の危険地帯に行ってみたくてね」

アリスは扉を開けて外へ出る

俺もその後ろに続いて空を飛んだ

青い青いこの空、白い白いこの雲

快晴には及ばない晴れの中、進む方角は博霊神社方面

 

ふと、横目でアリスを見るが人形の様子は家とは違った

圧倒的な重量感、フル装備といえばいいだろうか

たとえるならラスボスに挑みに行く勇者御一行みたいな感じだ

アリスはため息を何度もつく、そして時々こちらを睨んではまたため息

空気が重いです

そんな沈黙の中を数分――体験時間としては相当長かったのだが  で、裏山についた

のほほんとお茶を飲む霊夢は、こちらを見るなり急いで中にかけていったがどうせついてこれないだろう

 

アリスに案内されるがまま、ついていくと暗い洞窟のなか?

そこには、活気が満ち溢れていた 鬼みたいなやつとか、魔界人とでも言うべき者たちがわいわいとやっていた

その上を通るが、建物が見えない

城みたいなところに住んでるんじゃなかったっけ? 神綺って

みえないよー、めっちゃくちゃ遠いよー

なんて思っていたのだが

 

「アリスちゃ―――――――――――――――ん」

マッハ2ぐらいは軽く出ていそうな勢いで突っ込んでくる一人の女性

いや、もっと出ているかもしれない 俊足をはいても勝て無そうだ

白銀のロングヘアー、ちょこんとのったサイドテール

赤い服装に、小柄な身体 年齢も考えると圧倒的な合法ロリといえるだろう

いや、幻想郷には合法ロリばかりだから珍しくも無いのだが

 

「お母さん、ちょっ やめて」

勢い良く抱きつかれるアリス 安っぽいドラマの親子、感動の再会 みたいなのを連想させるような感じだが、体格の関係で立場が逆に見える

コレはコレで面白いものである

一通りアリスの身体をこねくり回すと、神綺はようやく落ち着いた(紳士の皆、座れ)

 

「それで、そちらの方は?」

「知らない、連れてきただけ」

「そんな、アリス そんな言い方は無いだろ! あの日のことを忘れたのかい?」

「いつの事よ!!!」

「アリスちゃん、大人になったのね」

「お母さんもやめてよ、勘違いさせないで!!」

「初めまして、お義母さん」

「ふざけないで!!」

   はい、スイマセン

コホンと咳払いして、改めて自己紹介を始める

 

「はじめまして 荒無 蒼真と申します 以後よろしく」

「魔界神の神綺よ、はじめまして」

「立ち話もなんだし、とりあえず行きましょう?」

その一言で、神綺が手をあげ いつの間にかお城の中だった

すげぇ、ルーラより便利じゃん 

「神綺様、勝手な外出は慎んでください」

「いいじゃない、夢子 あっ、ご来客よ お茶でも出してあげて」

「……わかりました」

どこの従者も苦労しているようだ

夢子ちゃんが奥に消えると、ちょっとした部屋に案内される

コト、っと置かれたお茶を飲んだ後、神綺が口を開いた

 

「それで蒼真君……だっけ」

「はい、なんでしょう」

「“もう一人の名前はなんていうのかしら?”」

ぞくっ!! 思わず鳥肌がたった

さすが魔界神、その名は伊達じゃないってか

 「紅偽です、よろしく!!」

軽いノリで紅偽が自己紹介をする

しかし夢子とアリスはポカーンとしたままだった

それを見て笑う神綺、人は見かけじゃ判断できないが妖怪もその範疇らしい

 

「今日は少し、お願いがあってきたんです」

「あら、なにかしら」

「……“貴女には、何に見えますか?”」

俺は一切ぶれない冷徹な口調で、重く放った

ふーむ と、頭を抱える神綺

アリスと夢子は既に別の話をしていた ついてくるのをあきらめたのだろう

 

「そうねぇ、しいて言うなら“オルトロス” といったところかしらね」

「そうですか、それが幻想入りの原因ですかねぇ」

「あら? “記憶が消されている”のにわかるのかしら」

「いえいえ、現状況からの考察にすぎません」

「そう、頑張りなさい 真実は残酷なものよ」

少し、幻想入りの原因がわかった気がした

 

しかし、まだまだ不明瞭な部分が多い 核心にまではいたらないだろう

いつになったら、記憶は戻ってくるのだろうか

ヤマザナドゥなら、少しは話してくれるだろうか

「……、いっておくけれど龍神ちゃんをとっ捕まえて話してみないと、私も良くはわからないわよ」

「神が匙を投げるのでしたら、首謀者以外にはわからなそうですな」

「首謀者も神、だけれどね」

そんな会話をした後、昼食夕飯をご馳走してもらい自宅に送ってもらったのだった

 

 

 「兄貴も気になってたのか」

「ああ、皮肉だよな 両親も嘆いただろうな」

 「にしても……」

「「オルトロス、か……」」

 

 

 

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