鮎がぴちぴちとはねる
うっとうしいので先に台所へ行くことにした
居た天狗は少し俺を避けつつも
鮎を見せると少し笑って
「調理しておきます」
そう言ってくれた
あの子の容態が気になる
少し早足で歩くと目の前の襖を開く
そこには献血を施されているあの子と
天魔様が居た
「蒼真、お主の働きには感謝する この子も助かった」
助かったようだった 良かった
ほっ と胸をなでおろすと
「だがしかし、今回は度が過ぎていたのではないか?」
「まぁ、そうかもしれませんね」
実際、流血する彼女を見てから少し、自分がおかしかった気がする
助けるというよりも
仲間を傷つけた奴を殺す そういう意識だった
「お主の姿で、皆が戸惑っている 敵対心を持った奴も少なくはあるまい」
「そうですね 確かにショックはあったでしょうね」
コクリと、天魔はうなずいた
「わかっているなら話は早い、皆のほとぼりが冷めるまで 10日間ココを離れてほしい」
「そんなに短くて平気ですか?」
「お前との三ヶ月が皆の中にはちゃんとある 大丈夫だ」
わかりました そう返事をして軽く荷物をまとめた
屋敷を出て自宅へ向かう
中に荷物を置いて布団に転がると
今日は意識を手放す
朝起きると自宅……の中に文がいる
「ほー ここが蒼真さんの家ですか それではーー激写」
パシャっとシャッター音
「ちょっとまてええええええええ」
俺は布団から飛び降り
着地のわずかな反動で文の目の前までジャンプし
……頬をつねった
「いふぁい いふぁい」
「あやぁ なんでここに居るんだ? 怒らないから言ってごらん」
絶対許さないオーラをだしつつ言う
皆はもう分かったよな?
「蒼真さんの家を見たくて」
「本当は?」
「新聞のネタに困ってまして」
ふざけんな といいつつ頭に華麗なるチョーップ
ズガッ っという音がきれいに響いて
文の目が潤む
「痛いじゃないですか、女の子ですよ、オ ン ナ ノ コ」
「他人の家に入り込んでくるような奴にそんな主張はされたくない」
「ひっどいじゃないですか、清く正しい射命丸ですよ!?」
言ってることはあってる
突っ込みたいとこはあるが、まぁあってる
だが、言ってる相手が間違っている
「不法侵入で、清くなくなったし、正しくなくなったぞ?」
「むむむ、確かに不法侵入しましたが、そのくらいいいじゃないですか?かわいい私の頼みですよ」
可愛いねぇ
「てめぇなんか、きめぇまるで十分だ」
とっておきの一言w
文の顔が目に見えて青ざめた
口をぱくぱくしている
そんなにきめぇまるは嫌なのだろうか?
外では愛されてる(笑)のに
「きめぇ……私のこと、そんなに嫌いですか?」
はいはいストップ、明らかに話の方向性がゆがんでる
「不法侵入してくるのは、いただけない」
率直、直球の意見である
少なくとも、プライバシーぐらいは護っていただきたい
「いっ、一応ノックはしましたよ そしたら中に入れそうだったので」
この言葉を信じるなら、まだ許せるほうだがしかし、
「んで、ノックしたのは何時だ?」
「……朝の四時半」
「どっから入ってきたんですか?」
「……ベランダの窓から」
俺はノータイムで右手を握り、振りかぶって、文の頭に落とした
ドコッ と重い音が響く
文は身をかがめて頭を抑え始めた
「正直に言ったじゃないですか?」
「知るか、殴られるようなことをするほうが悪い」
「えーーー」
「大体、今気づいたけど日、昇ってねぇじゃねぇか」
ベランダからは日が差しておらず、時計は5時32分を指している
俺の声があまりにも怒りの口調だったからか
文は震えていた もう一発食らうと思っているんだろう
調教の域にいくのはマズイ、てか可愛そうになってきた
「文、許してやるが 飯作っとけ」
飯で許すなんて俺優しい
まぁ、腹減ってるし
文の料理の腕を見てみたい
文は?と言う顔でこっちを見てくる
俺がその間何をするのか気になっているみたいに見える
「朝風呂、入ってくる」
昨日は色々あって風呂に入っていなかった
まぁ、疲れててちゃったし
ちょうど誰かさんのせいで早起きしたのだからこの時間を使おう
「ふっふー、朝風呂も私のおかげですね ご飯も作るんですから感謝してください」
どうやら文は調子に乗ったようだ
俺は鉄の塊を文の真上に構成して風呂に向かった
「あがっ」
そんな文の声が聞こえた
* 文は特殊な訓練を受けています 真似しないでください
「さむっ」
秋の早朝は寒かった
霧がかかってるぐらい寒かった、いやかかっていたが
俺は暖かい風呂の中にダイブすると
そのまま日が昇るまで景色を見ていた
* 正確には寒くてあがれなかった
今回ほのぼの
紅魔館までは
まだ話数がひらくかと