東方黒鉄伝   作:荒無 時竜

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妖怪大量導入

「お願い」

「わかったよ、もう」

 

紫が手を合わせて頭を下げてきたため、コレは応じないわけには行かない

応じなかったら全国のゆかりんファンに殺されても可笑しくないし、なにより可愛い

お願いの内容としては、妖怪の認識が薄れてきたため、勝手に幻想入りする妖怪が増えた

そのため不届き者が増え、尋常じゃない被害が予想される

と、言うわけで 片っ端からぶち殺して欲しい 

まとめるとこんなとこだ

 

「それで、何匹くらい狩ればいい?」

「実は、妖怪投入時期と重なっちゃって……三百匹はくだらないかも」

「そうか、よし とりあえず村人の非難をお願いしようか」

「それは大丈夫、全員村にいるし 実力者に村の護衛は頼んであるわ」

ならよし、かな

にゅっと広げられたスキマに飛び込む

 

……こっち見んな なんて思う暇も無く村の上空に放り出される

妖力で浮いた後、あたりをツーーっと見回した

三百どころじゃない気がした、同じような奴が30、40と群れになっている

足元の村には人が集まっており、多分幻想郷中の人間全員が集まっているんじゃないかと思えた

その周りを囲むように霊夢や魔理沙、咲夜 友好的な妖怪も力を貸してくれているようだ

と、言うか上下関係 反逆者の末路がわかっているからだと思う

 

まだ村からでは視認できる程度ではないが、1、2山向こうにはもう大群が押し寄せている

俺はゆっくりと下降して、残った時間で挨拶くらいすることにする

スタッ、と降り立つとなかなかみることができなさそうな顔が拝める

不安そうな霊夢や魔理沙と言うのはレアではなかろうか

 

「みんな、不安がっていますねww」

「そりゃ、死ぬか死なないかだしね 殺しなんてやったこと無い子ばっかだし」

紫が隣から顔を覗かせた

コホンと一つ咳き込むと紫は言った

「皆さん、ご安心ください あなた方が死ぬことはもうありません」

「ほっ、本当ですか!!」

「助かりますか!!」

紫の一言に村人は口々に言う もちろん、紫は何もしないんだろうけど

 

「紫、潮時になったら藍でも使いによこしてくれ」

「え、もう行くの?」

「いや、いっておいただけだ」

ふーん、と紫は言った後 村人を落ち着かせようと声をかける

「蒼真、平気かな?」

「なんだ魔理沙、弱気じゃないか」

「だって、殺しだろ 弾幕ゲームじゃないんだぞ」

俺はその一言に少し頬を緩めると、魔理沙の頭に手を乗せる

「優しいな、弱気になるな 基本俺がやるから」

うん……と、魔理沙は安心したのか気が引けているのか 微妙な顔をして歩いていった

 

それでも、殺すのに抵抗があるのだろうか

本来は退治という名目で痛めつけ、言うことを聞かせる 

霊夢や魔理沙はそう言うことをしているだけだからな

少し血が出る とかはあるのだろうけれど、身体が離れ離れとかは体制が無いのだろう

いや、あるやつも可笑しいですが

俺はふわりと空に飛ぶと、口笛を吹く

ピーーーーーーーーー っと高鳴りした音が辺りに響き渡り、6つの影がその姿を見せる

皆さんご存知の機獣君たちである

 

いつか考えた合体スペカ、今日こそ使うときだろう

俺も鎧を纏う  右手はドリル左手は斧、長く伸びた尻尾には鉄球がついている

腕や足には長いエッジがついていて厚みは何センチもない

見えないくらいの棘が背中には生え、触れるものは裂かれる

いつものようにソードビットが宙を舞い、反射光があたりを明るく照らす

 

狂乱する黒鉄、まさにバーサーカーとでも言うようなフォルム

7割の妖力開放、理性の半分が生物本来の“獣”に飲み込まれる

湧き上がる猛りと葛藤に俺は天に向け

「グウウウウゥゥゥゥゥオオオオオオオオオオオオオオ」

咆哮をあげた

機獣が一斉に離れる、反射的な行動だったのだろう コンマ数秒も無い間の動きだった

 

「大丈夫だ、さぁ やろうか」

声が低い、紅偽と自分の声がぴったり重なっているようだ

あちら側も少し飲まれているのだろう

まぁ、気にしている時間も無い 一番妖怪の集まっている所に標準を合わせる

 

「消し炭にしてやれ」

『大地の怒り、海のうねり、空の歪み さぁ、自然の怒りを味わうがいい』

『機獣 天地崩落之一撃!!』

 

宙に六角形が描かれる その中心から放たれた紫色の光線

赤黒い色の波動が、波打ち景色を歪めていく

禍々しいそれは、大群にあたった瞬間に周りの空が赤く染まり、砕けた大地が宙に浮く

不思議にも不気味なオブジェクトは、見るものの心を歪ませるようなオーラを放っていた

クレーターが出来上がり、原子ごと消えたかのように妖怪は消滅した

俺はコレで終わりだと思っていた、But コレだけではなかったのだ

光線は波長を変化させて、空気を伝わる波紋のようになり、幻想郷を包み込んだ

ぼっと爆発するような音をたてて黒雲が湧き出る

紫色の稲光、渦巻く風が天候をかき乱していく

雷と風、コレはもう嵐というべきものだった

少し離れた山から突然上がる噴煙、赤く光るものが宙にうねり出る

周りを焼くことも無く、意思のある生物のように動いたそれは溶岩、土と炎

霧の湖から押し寄せた寒波は、近くの木々を一瞬で凍てつかせ 荒れる水面は勢いを増して水辺の物を関係なく飲み込んでいく

水と氷、凍えるようなそれは宙をまわり

……一斉に妖怪を飲み込んだ

 

100分の96ぐらいの妖怪を飲み込んだそれらは、焼き尽くし、焦がし、凍らせ 無残にも大量の命を蒸発させた

痛みをともなわないような、一瞬のことだった

見るよりも早く襲い掛かり、考える前には命尽きている

地獄絵図、そうとしか言いようの無い光景

自然に勝つことはできない、それを物語る一瞬

唖然とするしかなかった、もはや自然の猛威 止めるすべはなかった

残る4も、足がすくんでいた 

黒雲、噴煙、激流は空に弾け 虹がかかる 美しいが今はそれさえも猛威に見えた

しかし、直感が村へと首を振り向かせた

なぜか妖怪が5匹ほど、進行している

 

――――アレを防いだ? 

労わりの気持ちも、冥福を祈る暇も身体には無かった

神速で降下、2匹の首を弾くと一匹の脳天をクラッシュ

残りもドリルで粉々になった

べっとりと鎧にまとわりつく返り血、そんなのも気にならず俺は別の方角に首をまた向けた

俺の目線の先、10Mほどの間隔をあけて巨大な妖怪が居た

「仲間を焼き尽くしてくれおって」

ソイツは言った バスの声よりも更に低い声で

 

「なぜ、死んでいない?」

「それは言っても意味が無いだろう、此処でくたばるのだから」

コイツの能力が関係しているのか

自己主張をしない妖怪は初めてだ

いや、逆にそれが恐ろしい それなりの知性があるということか

「ふむ、では 一戦お手合わせ願おうか」

俺は言った

「よかろう、私に勝てるかな?」

ゴツゴツとした体、魔人鬼神そんな言葉が似合う力押しの感じ

視界に移る手首の煌き 

俺はソイツに向かって足を一歩踏み出した

 

 

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