文字数が減ったり、バラつきが出ると思いますが勘弁してください
早朝、庭から見下げた幻想郷には広い花畑が目立つように見えた
本物の太陽かと勘違いするくらい花咲かす向日葵 太陽の畑であった
夏を飾る花である 風情があり、近くで見たいと思うのは変なことではないだろう
ぐあー とかごあー とか唸っている機獣に背をむけて俺は飛び下りる
畑までは相当距離がありそうだがまぁ、気にすることは無い
散歩だと思って歩いていれば直につく
庭の丁度真下あたりに着地すると、畑に向かって歩き出す
歩き始めると実感するのは暑いということだろう
地面からの反射熱がチリチリと肌を刺激してくる
ツーと汗が首をなぞっていくのがわかる
今は鎧は着ておらず、YシャツにGパンというラフな格好である
長袖なのがいけないのか汗でぐしょぐしょする
足を踏み出していくが、暑い 暑い
仕方ないので俺は飛ぶことにする
翼を広げて、勢いよく羽ばたかせるとすぐだった
歩くとか言っておきながらすぐに飛んだので、最初から飛んだほうがよかったカナ?
そんなことを考えながら着地、ご丁寧に作ってある向日葵畑の細道を歩く
俺よりのっぽ……大体2Mくらいの向日葵たちがきっちり並んでいた
均等に並んでいる向日葵たちの姿には軍隊のような統一感があった
そんな中を歩いていると、不思議と自分が小さいものに感じてくる
俺は現実世界からはみ出した人間、その枠さえも超えた妖怪風情である
自分は確かに凡人より強い それは間違いないのである
しかし、こんな花に対して心動かされるのは 弱い証なのだろうか
目を細めて一人苦笑した その時
ーーー目の前を一閃 閃光が駆け抜けた
いや、閃光と言うには太すぎる そうまるで
「こんな所にお客さんかしら?」
---レーザーのような
緑髪 白いシャツに赤いチェックのワンピース 太陽の畑の管理者
フラワーマスターこと、風見幽香である
いや、逢うことは無いと高をくくっていたわけではないのだが いきなりの登場はご勘弁願いたいものだ
真っ直ぐこちらに向けられた日傘は、間違いなくマスパを撃った証拠だろう
「向日葵が綺麗だから、少し見に着たくてね」
俺は淡々とした口調でそう答える
現に、此処へ来た動機は言葉どおりのものだ
「あら、それはどうも」
幽香の言葉とは裏腹に、背中から出てくる妖気は量を増している
威嚇 そうとらえていいのだろうか?
私生活上、妖気を出すことは俺はほぼない
出していても疲れたりしないのだが、身体に変化が少し現れ始めるためイヤなのだ
それも、悲しかったり怒ったり そういう機嫌なんかに左右されるため面倒くさいのだ
おそらく、彼女は俺が一般人に見えて仕方ないのであろう
ゆらっ と、妖気を滲ませた瞬間 明らかに幽香の顔つきが変化した
楽しめそう といわんばかりに笑うと、こっちに向かって歩いてくる
正直、こちらは戦う気はまったくない
ただ、向日葵を見にきただけなのだ
静止の声をかけようとした刹那、俺の顔面に向かって拳が振りぬかれていた
身体を後ろにそらし回避すると、その間に足に蹴りが入ったようでバランスが崩れた
少し、イラッと来る
正確な例を挙げるとすれば、この花畑に天地崩を叩き込んでやろうかってくらいだ
そこまで考えると、やっぱり自分がまだ子供であることを実感する
身体に振りぬかれる拳、大振りな蹴りがことごとく決まっていくが、痛みはそんな感じなかった
ダメージの拒絶 という反則技を使ってるからね
きめ細かく、脱出を許さないような連撃の数々
力も動きも洗練されていて、戦闘初心者の俺では遠く及ばないような動きだった
が、それは全て当たるだけ そこから先のことは一つもない
「そろそろ、終わりで良いかな?」
俺はバーンと衝撃波を放つ 幽香は勢い良く退いた
受け入れる能力と拒否する能力 この二つ(正確に言えば一つだが)は、進化を遂げ始めていた
吸収と拒絶 という、まさに矛盾した力
もはや次元が変化したかのようだった
この前の大妖怪の捕食は能力の変化に一際活躍してくれたようだ
いただいた とまでは言えないが 2~3回ほど「捕食したものの能力の使用」
というチート効果が追加され 鉱物への付与による素晴らしい副次能力となった
弾き飛ばされた幽香は憎しみの篭ったような瞳でこちらを睨みつける
流石にこれ以上ここにいることはできないのかな?
なんて思い背中から羽根を生やす
今回はどことなくゴツイ蝙蝠のような羽根だった ガーゴイルがイメージに適するだろう
まだ真昼間 太陽の畑観賞で一日が終わるわけはなく
他に何処か行こうかな? なんて思いながら地面を蹴る
下からの熱い目線を振り切って俺は名もない森に向かって飛び始めた