東方黒鉄伝   作:荒無 時竜

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駄文な気がして仕方ない


寺子屋

 

冬はつとめて そんな言葉を誰かが言っていた気がする

お芋をみんなで食ってたあの日から一週間経つかどうかの間に、季節は変わり目を迎えていた

寒さが増し、空からは白い贈り物が積もっていく

文々。新聞に同梱されていた手紙の内容を思い返す

 

拝啓 と、始まるこの手紙は丁寧さと、書き主の面影が前面にでてくるものであった

もちろん、この手紙は慧音が書いたもので寺子屋に来て欲しい なんてものだった

色々書き並べてあった言葉のほとんどは丁寧語、並びに修飾語によって量増しされていた文で

呼ばれた理由がまったくもって書いていなかった

行く時刻は寺子屋が始まる朝の7~8時ではなく 10時頃であった

 

昔……と、いっても幻想郷入りする日までは学校に通っていたため

学び屋の寺子屋へ母校を重ねるのは、至極当然のことであるだろう

針は9時半ちょい 五分前行動と言い聞かされていた俺は、もう身支度を終えていた

「なんだろうなー」なんて、分かる筈のない呼ばれた理由を考えながら玄関をでた

村までは歩いて15分 飛んで2分と、遠いのか近いのかよくわからない距離にある

雪は俺の庭にも降り積もり 曇り空はすぐそこだった

白虎は元気そうだが、他のみんなは寒そうだ

そういう俺もセーターやタートルネックなど、もっていた服に村で買った服を重ねることで寒さを凌いでいる

ネックウォーマーや手袋はもう、無いと外には出れないだろう

 

時計の針が45分を回った時に、翼を広げて空に走る

冷たい風が吐く息を凍らせていく 寒いの一言に尽きる

少し減速をして、のんびり飛んでいくことにした

考え事などしていると、村までは本当にあっと言うまで

寺子屋に着いたのは9時56分 大体5分前なのでよしとする

ガララッと開いた戸の向こうには 見知った妖怪、妖精や 仲のいい店の子供など面識がある子が多かった

 

「お、丁度いいな 急にすまないね」

「いいけど、理由は?」

そういった俺の言葉を無視するように後ろを向くと

「今日は理科の、荒無先生にきてもらいましたー 皆、拍手!」

パチパチパチパチ と、聞こえてくる中 一人硬直していた

がしっ と、慧音の首根っこをとっ捕まえると

「説明をお願いできますかねぇ?」 と、皮肉を込めて言ってやる

「いやな、理科の実験って言うのがな中々できないんだよ 頼む」

手を合わせて頭を下げてくる慧音 此処まで言われたなら、断るほうが悪いだろう

慧音は自分の用事が合ったのではなく、生徒への教養のために呼んできたのだ

二つ返事で了承をして、改めて授業に移る

 

今やっている理科は、流れ込んできた中学あたりの教科書で教えているらしく、地味にめんどくさい

コレを小学何年生くらいの子が解ける様になっていくのだから、慧音はすごい

「えー というわけで 鉄は燃えると錆びて酸化鉄 っていうのになるんだ」

どうやら鉄の実験らしい ちょいっ と指を動かして地面から鉄鉱石を持ち上げてくる

中から鉄を取り出すと、後の部分は地面に戻しとく

「じゃあ、酸化の実験をしてみよう 蒼真ー」

「はいよー」

っと、鉄を机に乗っける 20gくらいの塊が二つ このぐらいで十分だと判断した

その判断は正しかったらしく、マッチで火をつけすぐに実験に移行された

慧音が酸化させてる間、クラスの子達のノートを見て回る

子供たちのノートは字のうまい下手 まとめ方などの違いしかなく、書いてある内容は基本同じだった

 

……問題はここからだ

リグルのノートを見ると、綺麗な字と汚い字の差が開きすぎている

鉛筆を見ると穴ぼこだらけで、自分の蟲が食べてしまったのだろう

ミスティアのノートの文字は他より大きく、鳥目の大変さを思い知った

てゐのノートには落とし穴やロープ仕掛けの考察が書かれており、思わず引っ叩きたくなった

橙のノートはいたって普通 藍の影響なのか教養にめぐまれている事が良くわかる

ルーミアと、チルノのノートは基本的に落書きメイン

計算式なんかが書いてあってもまるっきり× なんだよ、1+3=9って

大ちゃんは……恐ろしい

ノートに書いてある文字の羅列は明らかに中学生の物質の勉強ではない

2Cu+O2=2CuO+Qと、もう既にエネルギー式まで中に組み込まれている

末恐ろしいことだ 俺よりも頭がいいのかも知れん

 

「……と、いうことで 熱した鉄は酸化して黒くなるんだぞ」

「つまり、ルーミアのせい ってことね!!」

「そーなのかー? 私のせいなのかー」

馬鹿二重奏がはさまった 慧音も苦笑しかできないようだ

この後、必死に挽回が入り 理科の授業が終わった

「えーっと、じゃあ次は何を……」

俺は手をパンと叩いて

「今日は雪が降ってるし、先生と遊ぼうか!」

と提案した そこに乗っかった生徒達は一斉に外へ飛び出していく

慧音がジト目でこちらを見てくる

 

「蒼真、コレはどういうことだ?」

「いやね、いつもはみっちり頑張ってるんだろう? なら、今日くらいいいじゃないか」

「でも、いつもは午前中で終わるんだ だから……」

「子供のうちは、勉強だけじゃなくて遊ぶことも大切だ、違うかい?」

この言葉に慧音は黙り込み、俺は慧音の手を引いて外へ出る

子供達が楽しそうに雪合戦をしたり、雪だるまを作っている

少し大人になってくると、雪なんて邪魔なだけだ

だから、今のうちに遊ばせてやろう っていうのが俺の考えだった

 

俺は慧音と顔を見合わせると、にこっと笑って

「先生も混ぜてくれよー」と、子供達の輪に入った

それから、寺子屋には月1で通うことになっている

 

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