東方黒鉄伝   作:荒無 時竜

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英雄と悪党の間で

「できましたよー」

 

脱衣所で着替えているとそんな声が聞こえる

美味しそうな匂いがする

 

見に行くとご飯に鮎の塩焼き 味噌汁と林檎

結構豪華である

 

上半身裸だったので怒られたが

「いただきまーす」

 

どれも味がしっかりとしていて美味しかった

ご飯の炊け具合や鮎の焼き具合もよく

こんな美味しいのは久々な気がした

「文はいいお嫁さんになるなぁ」

 

ぽろっと口からでた

文は少し顔を赤らめて箸をおきそうになる

ちょっとまずかったかな?

とりあえずそれと無い話で沈黙を防ぎ食べ終わる

 

「ごちそーさま」

二人、というのが少し暖かい

蒼魔さんは、これからどうするんですか?」

文が聞いてくる

「ネタを探しにいくんですけど、よかったらどうです?」

それは面白そうだと俺はOKした

 

最近人里への妖怪の出没数が増えているらしい

村に取材にいく、ということになった

 

どうやら妖怪の血の気が多く、頻繁に襲われている人がいるそうだ

「こんにちはー」

文があけたドアの先には教室が会った

その奥でプリントと向き合っている女性

 

慧音さん以外にだれがいるだろうか

「あら、取材ですか?今、採点途中なんですが」

 

真面目な慧音さんだ

文とはもうまるで違う、月とすっぽんだ

 

「あやや、すいません 後で出直しますんで」

「いえいえ もうすぐ終わるので待っててください 今お茶いれますから」

なんか他人行儀な感じがする……

 

あ、俺のせいか

「遅れてすいません、荒無 蒼真といいます」

自己紹介したとたん、慧音の空気は一変した

 

「やっと気づいたか、自己紹介はすぐしろよまったく 私は上白沢 慧音だ よろしく」

「よろしくお願いします」

慧音さんは自己紹介が終わると少し席をはずして緑茶を持ってきた

どうぞ とのことでこのお茶が飲み終わる頃には採点は終わっていた

 

「さて、なんの取材だったかな?」

「最近、血の気の多い妖怪が増えていますがどう思いますか?」

文が質問をぶつけると少しうつむいた

 

「確かに襲われるのは困る かといって居なくなったらいいというわけでもない」

「そこがこの世界の難しい所だとおもって「けっ、慧音様」」

 

一人の男がドアを開けて叫んだ

額には汗が滝のように流れ出ている

息も荒く、青ざめている

 

「妖怪が、―――来ました」

俺はその言葉で誰よりも早く外に出た

3匹いる

 

蛙人というべきやつ

 

百足のような奴に

 

ライオンの様なイメージが強い奴

無害かどうか、それを聞く前に奴らは言った

 

「この里、全員皆殺しで食い尽くしてやる」

後から出てきた慧音と文が立ち尽くす中

俺は「鎧」を形成する

 

  相手は三体 数を減らすことを優先する

鎧の形成が終わると俺は、まずニードルを相手足元に生やした

百足はかすり傷、他は無傷

 

俺は百足に向けて走った

その足は異様に発達していて、触れたらひとたまりも無い

 

しかし、反応は鈍い

俺は百足に触れる後ちょっとのところで下からもう一度ニードルを出した

それをよけようと動いた瞬間

百足の胴を思いきり殴りその場にとどめて

串刺しにした

 

そのニードルをいくつもの細かい矢に変形させる

狙いは残りの二匹

放った瞬間にダッシュ

弓よりも早く動き、二匹の後ろに回りこむ

 

瞬時にハンマーを形成、重い一撃を食らわせる

その反動で前に押し出された二人はそのまま穴だらけになった

ほんの数秒

まさにあっという間だった

 

戦うたびに変身や形成時間が早くなる

イメージと慣れコレにより早くなっていくようだ

また、スピードも人一倍速くなった

天狗と生活していたからまぁ あたり前かな

 

横たわった三匹

 

念のため釘を打っとく

もちろん言葉の通り、形成した特大のを

 ギュルリ  グシュッ

変な音をたて形成された釘が三本、刺さる

 

頭から血があふれだす

後ろを振り向くと、

困ったような文と

驚愕する慧音

立ち尽くす村人が居た

 

俺は文のほうに歩いていくと

「俺はもう、居ないほうがいいだろう」

そういった

「わかった……」

小さい返事が聞こえると

 

俺は背中にジェットブースターを形成、妖力を燃料に変えて自宅へ飛んだ

 

 

「文、あいつは何なんだ?今まであったことが無い」

慧音は文に聞く

 

「外来人、まぁ今は妖怪ですが 優しい人ですよ」

文の言葉は偽りではなかった

文の心には確かに優しい蒼真がいた

 

「しかし、あの躊躇いのなさ、殺し方は異常だぞ?」

コレは文も同じ気持ちだった

戦うときはどこかが変わる それを文は知っていた

「戦うときは人格が変わるように変化するんです」

「そうか」

 

しばらく二人は黙っていた

 

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