あの夢から一週間、俺はなんとか生活に戻ることが出来た
身震いを多少起こしながらも何とか作業をしている
身体に住み着いていた紅偽は「呼ばれた」とかなんとか言って地獄へ向かった
もちろん幽体で 小町が付き添って
機獣の胸にガラス球 ようはオーブが埋まりこむ
綺麗にみんな定着しているようだった
机に並んだ6つのグラス
そこには紫色の液が入っている
俺の指先から溢れ流れる血はその紫をワインレッドに染め上げながら妖力を含ませていく
この力の中に「拒否」の力と、「表裏」の力も付与されているわけだ
その液体を機獣は喜んで飲み、体表は著しく変化 獣さが増していった
俺にもデメリットがあるわけではなく、どうやら鉱物中の「金属」のカテゴリーは「俺に刃を向けることが出来ない」らしい
お仕置きの咲夜さんナイフは全て枯れていくわけだ
聖杯祝の儀を終え、一息ついている現在 俺は心が接ぎ剥ぎであることを感じながらお茶を飲み干した
あれから寺子屋には行けず、冥界にもいきたくなく
唯一足を運ぶのがこーりんの元であったが、それも魔理沙やアリスにあわない夜だった
うっすらとなみだ目になるのを感じて、俺は目元を拭った
苦しかった トラウマが呼び戻されたことに
不思議だった 自分が何かわからなくなった
魂の輪廻 生命の逆三角形 遺伝子と言う螺旋
これらは俺に何をさせたいのだろうか?
遥か彼方から続く繰り返しが俺一個人に対して変化を見せる
なんてことは無いと思っていても、無意識にそう思ってしまう
ともかく、自分を被験者とした現象は根強く記憶に残っていた
妖怪なのかどうか 一番知りたいのは其処であった
「ふふふ、こんにちは」
ヴウッ とわざわざV音を使わせるような音をたてて胡散臭い方がお見えになった
「よう、何の用だい?」
「着々と月への準備は進んでいるわ これで永琳は面白い顔をするわね」
でしょうね でもまだ月のイナバが来るのは先 それに
「お前、今冬だぞ?」
「計画練らなきゃ寝ようにも寝れないのよ」
……真面目な正論だった
こんなヤツだったっけ? 紫って
「……主に藍が」
「でしょうねぇ」
呆れた声で返事をする
「完成するまで私の睡眠を妨げてくるし、もう嫌になるわ」
「……」
俺は手にうっかり作った鈍器を
うっかり頭上に振りかぶって
うっかり紫に投げた
ゴツン!! と漫画張りの星エフェクトが飛ぶ勢いで激突した
清んだ鈍い音は辺りに消えていくと、目の前には気絶中の馬鹿が残った
綺麗なたんこぶはすぐに引いていくが、意識は戻ってきそうにない
冷蔵庫に入っていた油揚げを出してきて うどんをゆでる
頃合になったらよそい、貰った汁と油揚げを乗せて机に置く
そのままにしておき、紫をソファーに寝かせる
横目で机を見ると、隈のある藍が虚ろな瞳で食べていた
可愛いのにもったいない
「
「相当疲れてるみたいだね」
「はい……紫様の計画ですので」
「寝ろ、臨時命令だ」
「いいえ と、言いたい所ですが 喜んで」
ふぁ~~ぁと、いい欠伸をした後空の茶碗を残して俺の布団に潜っていった
なぜ俺の布団なんだ 来客用の布団を持ち合わせているわけではないが
でも、相当疲れていたようで 寝つきは凄く良かった
見ているとなんだか切なくなってきて、音のなるものを全て撤去して暗い無音の部屋にしておいた
絶賛気絶中の紫に毛布を掛けて買い物に行く
今日は白葱とほうれん草が安かったはずだ
村を歩いて八百屋で目に付くものを購入
物足りないので魚も二匹ほど買っておく
「甘いものもいるかな?」
なんて思い幾つか和菓子も購入
家に帰るが、真っ暗 二人とも起きる気配は無かった
結局、二人とも眠くて眠くてしょうがなかったようで
その日は起きなかった
明日になれば起きるか ぐらいに軽く思っていた蒼真は
まさか3日3晩寝っぱなしになるなんて考えておらず
床で寝たため寝違い、体が攣りまくったのは言うまでもない