東方黒鉄伝   作:荒無 時竜

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今回はちょいと機獣分+戦闘補給要因です
そこだけ楽しんでいただけたらと ストーリーの伏線にはなりにくいと思いますww


四人四色

ゴルルルリュユアアアアアアア!!

白虎が怒鳴るように咆哮をあげた

振り下ろされた爪に当てられる二本の剣は煌びやかに輝いた

その光りと同時に妖夢は動いた 片方の性質である”迷いを断ち切られた”かのように

 

素早い剣さばきで爪を弾いた後、一歩で懐に飛び込んだ

懐で地面に足がついた時、すでに次の一歩が踏み込まれようとしていた

それは上に飛び腹を切るような軌道を描く一手

本来なら致命傷にさえなる一手が決まりかけていることに、妖夢は笑った

 

通算30回目にもなろうと言うリベンジマッチ 

もはや戦友にもなろうかというほどの激戦を繰り広げてきた半人と一機

しかし、戦局はいつも思わぬ方向に向かう

それはいつものことであり、白虎自身も楽しんで戦っているように見える

「-----もらったあああ!!」

妖夢が勢い良く振り下ろした剣はーーー

 

   ガキイィンという音と共に妖夢ごと弾かれた

ドッ ゴゴカッ ズサアアアァァと、音を立てながら地面をはねて滑っていく妖夢

変な体制になりつつもその鋭い眼光が見据えているのは一点

白虎の腹あたりにそそり立つ、無数の氷柱である

逆立った毛が一点に集まり凝固 恐ろしい硬度をもつその氷柱は、弾となって妖夢に飛んでいった

後ろに跳ねて体制を立て直した妖夢は剣で次々と氷柱を弾いていく

決して叩ききることは出来なかった

 

 

一方、その上に御札と炎の舞う戦いがあった

無数の封印符が宙を埋め尽くし、朱雀へ向かって飛んでいく

鮮やかな紅白の空へ向け、大の字に広がる火焔を迸らせていく

直ぐに紙製の札は燃やし尽くされた しかし、その奥で銀の光沢があったことを朱雀は見過ごしていなかった

 

翼をはためかせて旋回すると、黒煙の中から先ほどまで居た場所へ

”無数の針”が手向けられた

「ちっ、目のいいやつね」霊夢はそう呟いた

朱雀はそのまま霊夢の周りを飛んでいく、羽ばたくたびに少しの風と羽が落ちる

 

それを無垢な紅玉の目に焼き付けた後、そのまま上に覆いかぶさった

太陽の光りがバックになり、輪郭が陽炎のように揺らぐ

そこから風に乗って落ちてきた羽は、霊夢の近くで燃焼を始めた

ブワアアッ!! とものすごい勢いで燃え尽きたそれの炎は風に流れ

火の粉の雨として、霊夢に降り注いだ

 

御札がある程度は防ぐものの、時折燃え始めて二次被害が置き始める

もちろんそんな隙を見逃すわけはなく、空気抵抗による摩擦熱

コアから発せられるコロナの二重奏によるダイブキック

爆弾符の爆発と相まって、高密度の光りの屈折 蜃気楼が起きた

お互いに不利であり有利な環境 霊夢は口角を上げた

 

 

彼女の手のひらから特大の光線が走る

大量の星のエフェクトを散らすそれを優々と避けた麒麟

天を駆けるたびに、そこには青い電撃が迸る

外れたマスパは山の彼方へと消えていくのを、魔理沙は悔しそうに眺めた

 

トパーズの様な鱗に白よりも白い純白の鬣

動くたびにそれらが擦れて間に電気が巡る

体中に常時駆け抜けていくそれ 接近戦は魔理沙にとってあまりにも不利だった

警戒を怠ったら死ぬかもしれない その覚悟と勇気が彼女の精神力と集中力を高めていた

その瞳を覗いた麒麟はその場で回った それだけなら魔理沙が大急ぎで逃げようとはしなかっただろう

 

回った瞬間、白髪から溜まっていた雷が放たれた いわば放電である

あるものは天へ あるものは地へ そしてあるのものは的確に魔理沙を追いかけた

逃げ切ることは無理と悟ったのかは定かでは無いが、魔理沙は振り返った

そして「寸分狂わない動きでそれを撃ち貫いた」

 

後1mmでもずれていたら、確実に押し負けたであろうその精密な角度

それを意を決して魔理沙は当てて見せたのだ

それを黄金色の瞳に移していた麒麟は、僅かながら髪を逆立てた

足に無数に纏わりつく静電気、麒麟はその身を屈めていた

迸る電気量も圧倒的威圧感も、増した 筈なのだが

 

「今の私は負ける気がしないぜ!!」

自身に溢れた顔つきで魔理沙は叫んだ

 

 

咲夜はそのナイフを投げられずにいた

青龍の周りをメビウスの輪のように回り巡る水

碧透明に透き通ったそれには、何本ものナイフが流れている

それは確かに、つい先刻 咲夜が放ったものだった

当たる直前で止めたナイフ 本来なら当たるのを待つのみのその体制

それを青龍はいとも簡単に抜け出して見せた

そのナイフを水で包み込むことによって

 

回りゆくナイフは徐々に輪郭がおぼろげになる 速さが増しているのだ

その輪廻の水回廊に切れ込みができた ぴっと定規で引いたような まっすぐな断面

ナイフがそこから飛び出ると知って身構える咲夜の若干横

そこにナイフよりか寸分はやく、水が放たれた 形はまるで衝撃波のようだ

ばっ!! と勢い良く放たれたナイフが高らかな呼び声で止まる

咲夜の髪は今にも断ち切られそうな距離

 

そこでようやく気づいた水の意味 ナイフからの退路を塞いでいるのだ

いや、むしろナイフより凶暴と言っても過言ではないだろう

猛スピードで飛ばされた水は金剛石おも切断する威力を持つ

かつてない計算力の先読みに 咲夜は唇を舐めた

 

 

そんな四人四色の光景を見ている俺

暇そうな緑狼と玄武 こいつらには風神録でお世話になるとする

紫の考えで行われているこの訓練 俺と戦うよりよっぽど緊張感がありそうだ

これから四人が撃墜されるまでの時間 俺はその光景をただただ眺めていた……

 

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