まぁ、獣のふしぎ等はおいおい話で出すので今は補正だと思って我慢して下さいww
「……」
私は黙り込んだ、もちろん姉も同様に
原因は上空の鳥だった、赤い赤い鳥
そいつが放った炎は上空で四散、無数の火の粉となって降り注いだ
ワケがわからなかったが、侵略者 そう頭の中で断定して私はそれを避けた
改めて上空を見上げると少し上に紫色の巨体が迫っていた
熊のような形状をするそれは爪を私へと振り下ろす
なんとお粗末な動きだろうか、そのくらい受けるのは容易かった
ガチイイイイイイィィイィン と、鋭い金属音が鳴り響いた
金属同士がぶつからないとならない音
瞬時に相手が無生物、操り人形であると気づいた
ギチギチと、熊は手に込める力を増していくがこのくらいならなんとか耐えられる
私は剣で爪を必死に押さえていると、不思議な音が聞こえてきた
ジュゥゥゥ という何かが溶けるような……
ハッと爪を弾き、後ろに3歩ほど後退し剣を見る
真っ直ぐに伸びているはずの剣、そこには幾つかの歪みが生じていた
そこからは液体が滴っていた、それが酸性の液 毒であることは見てわかった
ザッ、と後ろから着地音 熊も合わせて頭数は3、さっきの赤い鳥に熊、白い虎だった
私は剣を構えた、湾曲したそれはまだ使えそうである
相手が金属である以上、この勝負は私が貰ったも同然だ そう依姫は確信した
「金山彦命よ、私の命を狙わんとする獣を土に返せ!!」
神の力を借りることが出来る私の力、それがあればこんな奴らなど居ないも同然!!
そう思っていた矢先、私の目の前に業火が迫っていた
驚きのあまり体が固まったが、紙一重で避けられ後ろに火の海が出来た
微かに当たった服の袖は、一瞬で灰と化した
「くっ、金山彦命よ 何があった!」
「……奴らが不思議なベールで守られている、鑑賞が出来ない」
そう後ろの神は答えた
もういい、そういわんばかりに力の行使をやめると、左から虎が走ってきた
素早い動きで的確に私を狙ってくる、その振り下ろされた爪を剣で弾いた
その刹那、背中に走る悪寒 振り返ると氷の飛礫が私を切り裂かんと飛んできていた
「愛宕様の火よ、私に迫る飛礫を全て焼き払え!」
私の後ろから飛ぶ炎、それは氷を溶かしつくしその向こうの鳥へと飛んでいった
鳥は避けることなくその火を受けた
常識的に考えて、その鳥は溶け落ちるはずだったのだが
貰い火……これが一番正しい表現だと思う
その鳥がもともと纏っていた炎が一層燃え上がった
一体何が起こっているというのか……神の炎も、金属の神をも弾く機械
いや、こいつらを操っている能力者の力量はどれほどなのだろうか
知りたい……がまずは倒さなくては
私は刀を地面に刺した、瞬間あたりの地面から無数の刃が浮き上がった
しかし、それも効果が無いことは直にわかった
鳥はその羽根で高らかに宙を舞い、熊は体から滴る液体で溶かし、虎は草でも刈るかのように叩き割っていく
本来ならありえないほどの事の連続、私は舌打ちしか出来なかった
上空に逃げた鳥の口から空気すら蒸発させるような勢いの焔火球が打ち出された
さっきの火の粉からすれば実に何千倍もの威力を秘めている
きっと私の呼び出した神の火による所作であろう
向かっていくことは死にに行くことと同じ、そう思い後ろへ飛びのいた
すると目の前に大量の氷柱が出現、私は飛んでくるそれらを必死に弾いた
あきらかに私が不利だ、数でも能力でも
勝つことが出来るのだろうか?なんて弱気な考えが浮かぶ
こんなのは何時以来だろう、八意様が居る頃からかもしれない
目の前から迫る熊を見つつ私は精一杯刀を振るった
「爪に直接、触れてはいけない」と頭の中で繰り返し、攻撃は全て避ける
かといって相手に攻撃をうまく当てられるわけでもない
一撃の後、流れるように次の拳が飛んでくるからである
一歩ずつ、私は後退をし始めた
しかし、それを先回りするかのようにあの鳥は火を放った
丁度、私の1mばかり後ろに……
決死の覚悟で爪を刃で受け止めた
シュウウウゥウゥゥ と刀が液で溶け始める
相手が力を増した時下に向かって腕を受け流し、その下を潜り抜けた
直に目の前に虎が躍り出る、これでは限が無い
虎は地面に足を叩きつけると、氷の棘のようなオブジェクトが地面から生える
周りに生える氷を尽くきっていくが、直に生えるためとてもじゃないが追いつかない
「火雷神よ!私を狙う獣を焼き払いたまえ!!」
私は無我夢中で叫ぶ、どうしたら勝てるか どうやればいいか
そのことで頭がいっぱいだった
上空に雲ができ、少しの雨の後閃光のような雷が走った
それが私の近くに落下し龍の形をとるはずだった
雷は突如駆け抜けてきた一匹の馬にあたり、四散した
あの馬は姉の方へと向かって行ったやつだった
「まさか……いや、でも……」
わたしは焦った 姉が倒れたのではないかと
そして、気づいていなかった 後ろにあの熊が回りこんでいたことに
はっとそれに気づいたとき、回りには煙が立ち込めていて
それを吸い込むなりだんだんと眠くなり、私はその場に倒れこんだ
「うぅ……崩れゆく意識の中 私が見たのは見下ろしている熊だけだった」
姉の時に撃った雷撃はこの時の雷です