ガン!!とキツイ蹴りが一発腹に入った
鋭く刺す激痛で目を開けると、底にはニッコリ笑顔の霊夢が居た
「いっつ、なんだよ霊夢」
「なんだよじゃあ無いわよ、人の家で何イチャラブしてんのよ」
「イチャラブ? 何言って……」
俺は反論しながら立とうとすると、ぐっと重さを感じた
左腕が上がらない、そうおもって左腕を見ると
「んふふ~~♪」
気持ちよさそうに寝る紫が左腕を抱きしめていた
「……ごめんなさい」
「わかればいいのよ、にしても気持ち悪いわね」
霊夢は軽蔑するような目で言った
「こんな紫は生理的に無理だわ」
「あら、霊夢 私だって女なのよ?」
片目だけ開けた紫が霊夢を見上げた
「あらなに、起きてたの」
「ええ、大分前から」
はぁ、と霊夢はため息をつくと「ごゆっくり」なんていって部屋を出て行った
……えーと?
ごゆっくりの意味を考えて少し動揺する
一応男だし、まだ若い しょうがないしょうがない
「ふふ、ゆっくりしていきましょう?」
「え? いや、後々からかわれるの嫌だし」
「私は一向に構わないのだけど」
……なんか頭が痛くなってきた
俺はとりあえず立とうと思ったが、やっぱ紫が離してくれない
しょうがなく紫を持ち上げて……いや、抱きかかえて
正確にはお姫様抱っこして、神社の境内に出た
すっかり夜は明けて大体9時10時かな
目覚めるには少し遅く、昼には早くと言った時間帯かな
紫は俺の腕の中で少し赤い顔をしてこっちを見ている
恥ずかしいのか、酔いが醒めてないのか、熱なのか
はっきりして欲しいな、なんて思いながら上空へ駆けた
「……ねぇ蒼真」
「ん。なんだ紫?」
「貴方はこの世界の、私の理想郷の何をどこまで知っているの?」
「さっきまで顔を赤らめてたお嬢さんからは出そうも無い言葉だな」
「いいから、答えなさい」
「ん~、ぶっちゃけ特に何も言えないな」
俺は素直にそう言う、東方シリーズが終わった後
一体この世界はどうなっていくのか なんて、わかんない
ただ、一つ言えるのは『不滅』であることだけ
「じゃあ、ヒントでも何でもいいわ」
「次には天界に行ってくる、その次は地底
大きな船と寺がやってくるかもしれないし、この世界は奇想天外だ」
「まぁ、その3つは起こりそうね」
「色々起こるんだよ、そして全てがお前の理想に向かってく」
あの、馬鹿らしい『共存』という理想に
誰もが無理だと思ってた『協力』を成し遂げて
『共生』していくんだよ、色んな異変を越えて
お前の世界で、一人の巫女を通じて、一つのルールの下
仲良く、ね
「きっと、貴方が知ってる世界は……この世界の未来は、愉快なのね」
「ああ、残酷で非情で可笑しい事だらけだけどな」
俺と紫はそろって苦笑した
その後、紫は開きかけた口を閉じた
何か言おうと思ったのだろう、でもやめたのだろう
なにか分からないけど、なにか分からないから、俺は首を突っ込むのをやめた
もうすぐ、永遠亭だ
今日こっちに向かってきたのは綿月姉妹の今後を知るためである
昨日の今日だから、また笑えてくるけどな
「見えたわね」
「よし、着陸っと」
俺はぶわっ!と羽根を広げて地面に降り立った
紫の手をとって地面に降ろす
「蒼真さん、こんにちは~」
「いらっしゃいです!」
などと、お仕事中のイナバ達は声を掛けてくれる
俺にも人徳、いや兎徳ができたようだ
暇なイナバに案内してもらって部屋につくと、そこには姉妹と永琳、輝夜がいた
見ただけで笑いかける紫を制しながら椅子に座らせてもらう
「で、恥を掻かせてくれた妖怪カップルさんは何の用かしら?」
「カップルじゃねぇよ、えーっとだな……綿月姉妹の今後を聞きたくてな」
「私たちは出来れば此処に残りたいと思っています」
「ほう、依姫。それは意外な答えだな」
俺は少し驚いた、予想としては一ヵ月したら帰りたい
見たいな事を言うのだと思っていたのだが
「私たちは輝夜が魅せられた世界を見てみたいと思っているだけですよ」
「好奇心に忠実、悪くない答えだな。紫?」
「ええ、良いと思うわ。少し嫌な気もするけどね」
「にしても二人とも、ツクヨミが来たらどうするんだ?」
「きっとその頃には穢れていて、帰ることが出来ないでしょう」
「なるほど」
俺はつくづく感心する
こんなにも面白い奴だったのか、なんて思う
「ところで一つ、聞きたいことが」
そんな姉妹の言葉に俺は耳を傾けた
なんか、最近やたら短くなっていく気がします(汗
故意でも意図的でもないです 信じて