東方黒鉄伝   作:荒無 時竜

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にとりときゅうりとキラーマシン

家のドアをあけると、にとりはもう全快だった

 

すさまじい回復力

 

傷が浅かったことを考えても早すぎる

 

「蒼真って、こんな寝顔なんだね」

にとりは笑いながら新聞を差し出してくる

驚いてみると

 

妖怪虐殺、荒無蒼真 その私生活と素顔に迫る

 

とでかでか記事に書いてあり

俺のアホらしい寝顔が表紙を飾るかのように写っていた

 

天狗記者、文か

「あの野郎、どう締めてやろうか」

 

俺は額に青筋をたてていった

あの野郎には、文字通りのアイアンクローを食らわしたほうが良いようだ

 

自然と手に力がこもる

「やめてあげてよ、文なりに誤解や評判を変えようとしてくれてるんだよ」

にとりはオロオロしながらも、言葉を選ぶように話してきた

けれど、小声で「たぶん……」と呟いていたことを

俺は聞き逃さなかった

 

「まぁいいや、飯、飯」

 

「きゅうりないの?」

河童はホントにきゅうりは好きなのか、勉強になった

冷蔵庫を見る

しかし、生憎だが昨日まであったきゅうりが無い

 

「ごめんね 昨日あったきゅうりが な ぜ か 無くなってるんだ」

にとりがびくっとする

はい、犯人確定   まぁもともと決まってたけど

 

「はぁ、きゅうり食べたのだれかなぁー」

にとりの方をチラ見しつつ、繰り返す

 

「きゅうり、どこいったんだろうなー」

「ききき、きっと 足でも生えて逃げたんだよ」

 

なんちゅーいいわけ 流石にそれはない

 

……幻想郷では常識に囚われてはいけないのか

その言い訳も幻想郷ならでは……で、あることを信じる

 

「逃げたのかー   にとりの胃袋にか?」

ちょーっと厳しくしてやる

 

「ごめんなさい、ごめんなさい」

ようやくわかったようだ

 

「仕方が無いが、きゅうりはナシな」

「はい」

まぁ、それなりに楽しい一時だった

きゅうりでも後で買ってくるか

 

 

飯を食べると早速作業にうつる

にとりは一度家に帰って道具をもってくるそうだ

 

俺はそのうちにきゅうりを買ってこようと思う

財布を片手に、俺は村へと走る

 

村では慧音と白髪の女が俺の寝顔で笑っている

たぶん妹紅だろう

 

きゅうり5本をさっさと頼む

村人は終始びくついていたが、お客とは認めてくれていたようだ

きゅうりが渡され、お金を払う

 

帰ろう、にとりが待って……

「おや、蒼真じゃないか」

聞いたことある声、さっきまで笑ってた慧音だ

 

ここで、妹紅にあっておいても損は無いが、にとりを待たせてもいけない

「慧音さん、今急いでるので、じゃっ」

 

疾風のように走る

 

 

 

 事ができていたら逃げられただろう

「コイツが蒼真ねぇ」

妹紅さんががっーーーーーーちし俺の首を掴んでる

 

「妹紅さん、急いでるんで」

「知らん、お前は色々と裏があるらしいな、興味があるから全部話せ そしたら逃がしてやる」

横暴だージャイ○ンだー

お仕置きが必要だー

 

俺は、能力で妹紅の周りに箱を構成

蓋が開くようにして 地面へうめる

 

「ちょ、なんだ?」

はい、皆さんお待ちかね

 

せーので行くよ

俺は能力で蓋をあけ、底面を少し上に上げる

「もこたんINしたお」

俺はそういった

 

刹那、妹紅の顔が一気に緋色まで染まる

慧音が笑っている

 

「何でそれを……燃やしてやるーーーーーーーーーーー」

フェニックスが宙を舞って現れる

俺は、箱の蓋を閉じて全力で逃げた

「だせー コラーー」

 

あの後にとりに遅いと怒鳴られたが、きゅうりがその不満を一瞬で消した

きゅうりすげぇ

 

妹紅の怒りもきゅうりで収まるかな?

無理だろうな ハハハ

 

「ほら、さっさとやろうよ」

にとりから催促、俺は「はいはい」と、鉄の塊を地面から引き出す

「おおー、蒼真がいれば好きなだけ実験できるね」

「だな、でもその実験で怪我してんだから気をつけろよ」

二人で苦笑

「んじゃ、作ってみようか」

「幻想卿初の、ロボットをな」

 

 

それから完成までは2週間を費やした

 

にとりの無駄の無い動きと

材料が足りなくならないこと

この二つが、製作スピードとエンジニア魂に劇的な変化を起こしていた

 

体調不良など、そういったものを起こさなかったのも

早く終わったきっかけであろう

 

完成したものは4つ足2本腕、まさにキラーマシンのようだ

細部等は所々違うが、誰が見てもキラーマシンである

回路接続オールグリーン

 

しっかりと動いた

俺とにとりの作品は、充実した短い時間の中で実を結んだのである

 

 ちなみに余談だが蒼真は材料補給が無いときは、にとりにパシらされていた

 

基本買うものはきゅうりだったが、一度に50本頼まれたときは流石にやばく

その日は倒れこむように寝て、筋肉痛がすごかった

 

 

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