東方黒鉄伝   作:荒無 時竜

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今回は、度重なる用事と不具合により
酷いことになってると思われます

踏まえてご鑑賞くださいませ


そしていなくなる

「ん、くっ ふぁぁあああ~」

ベットから横たわった身体を起こす

そこから見る風景は何時もと変わらない

しかし、何か物足りなさを感じた

「っ、寝違えたか」

頭に走る痛み、昔から良くあることなので今回も寝違えたのだろう

少し肩をほぐしながらキッチンへ向かう

 

貯蔵庫からおすそ分けと昨日の残りを持って朝食を済ませた

伸びをした後着替えるが、相変わらず頭は痛い

相当酷い寝違え方をしたのだろうか、痛みが治まる気配は無い

「……医者にでも見てもらうかな」

俺は何時もの通り、ほぼ黒ずくめの服を着て玄関を開けた

其処には綺麗な7つの像がある

いつかに庭が物足りなくて作った……物だった筈だ

妙な感じがした、しかし頭痛で考えがまとまらない

「急ごうかな」

俺は少し早足で永遠亭へ向かった

 

「あら、蒼真じゃない。どうしたの?」

「なんか頭痛が凄くてさ」

「そう、じゃあ少し診てあげるわ。優曇華~」

「はい、お師匠様」

永琳の一言で優曇華が飛んでくる

近くの診察台に横にさせられ、首や肩、肝心の頭を診察してもらった

 

とりあえず、優曇華の肩もみがうまい事は良く分かった

しかし、永琳は俺のことを診察し終わると難しい顔をして出ていった

一体何があったというのだろう

優曇華も驚いたような表情で外へ出て行く

キッチリとは締められず、妙にあいた襖

その奥には見慣れた賢者の姿があった

何時もの胡散臭さが紫には無かった

異常なほど真剣、真面目な表情だった

聞こえないが永琳と紫が会話しているのが良く分かる

 

……やがて二人は隙間に消えた

「……なんだってんだよ」

俺は呟いた

頭が痛いから頭痛薬でももらおう、そんなノリで遥々着たのに

診察の結果は俺には伝えられず、薬も処方されないまま何処かへ行ってしまっった

心から抜け落ちたピース、止まらない物足りなさ

無意識かに置かれている「それ」は頭痛によって掻き消され始めていた

俺は頭をくしゃくしゃと掻く

抜け落ちた髪が畳に落ちていった

その髪は全て、そろいにそろって赤色をしていた

しかし、蒼真はイラつきでそれに気づく様子は無く

「くそっ……」

そう呟いて、俺は永遠亭を出た

 

「まずいわね」

「一体何があったのか、私には良く分からないけれどね」

「少なくとも、蒼真の頭に傷があるわ 記憶障害が少し起きる程度のものよ」

「覚えていない事は、十中八九紅偽の事でしょうね」

二人の頭脳は悩んだ

いや、悩んだというよりも「真相を知りたがった」

傷、記憶障害、居ない紅偽……

この3つのワードに歯がゆさを

また、紫は極度の不安を覚えた

 

「---シャムの双生児……」

「……あの二人はそうだったのかしら」

医者の永琳は直に言葉の意味が分かった

体のくっついた双子、「どちらかが消えなければいけない存在」なのだとしたら

「「紅偽は自ら望んで自分を……?」」

紫と永琳は同じ事を口にした

紫の一番恐れていた「双子の対立」

それが昨日の夜、月明かりの元行われていた事が明らかになったのだ

 

まだ、仮定や考察の範囲にすぎないはずの会話

けれども、二人は直感とでも言うべき何かによって確信していた

持ちたくも無い自信が、胸をはれるほど持てる

その苦しみは、異常なほど辛かった

締め付けられる、張り裂けるなんていった言葉の及ばないほど根強く、深いモノ

「……永琳、少し大変な事になったみたいね」

「ええ、記憶障害に紅偽の消失 どう考えても出来すぎだわ」

「そうね、ともかくまずは白玉楼や地獄を点々としてみる」

「お願い、私は蒼真を捕まえて傷の様子を見てるわ」

 

二人は互いの行動を理解し、それぞれの場所に向かった

自分の役目を全うする為、なにより蒼真の謎を、紅偽の居場所を突き止めていくために

微かな希望を託した場所へ、紫は真っ先に移動する

 

「映姫……」

「そろそろ来る頃だと思ってましたよ。端的に結果を申し上げますと、紅偽はもう居ません」

「っ!!、何で!!!」

「それは直わかっていただけるでしょう、今までのツケの分早く浄化しました」

私は絶句した、映姫までグルだったというのか

読めないところがあったとしても、大体の事はわかっていたであろう映姫

その彼女が蒼真の、いや私の敵に回ったといっても過言ではないだろう

 

「なんで、分かっていた貴女が」

ギリッ、と奥歯が鈍い音を鳴らせた

一泊置いて響いた言葉は

「あの人の望みだったから」

友人のような立場に身をおいていたかのような言葉だった

恋愛の類ではないが、それほど親しく良い時間を過ごした

そんな彼の願いだから、私はそれに協力した

彼女の言葉は悟り妖怪ではない私にも、なだれ込んでくるように分かった

 

「……、さぁ帰りなさい。彼のなくした記憶は「ほぼ必ず」思い出すことは無いわ」

「くっ……」

私は大人しく隙間に潜った、行き先は冥界だった

「……行きましたか、彼はいい人でしたよ」

映姫はもう居ない人へ、小さなため息と煌く滴を送った

 

 

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